「フジマルッ!」を読んだ感想・レビュー

 

よく野球漫画を見ていると、ちょっとボーイッシュで活発な女の子が「本当は野球選手としてグランドにいたいけど、それが叶わないからマネージャーになった」的なシーンを見ませんか?

個人的には「野球がうまければ男も女も関係ない」って思っていて「どうしても男の方が体格的にも恵まれてるし力も強いから野球もうまくなる傾向が強い」ってだけの話だと思ってたんです。でも高校野球については、どうやらそんな単純な問題でもないんだとか…。

というわけで今回は、女性ながらにも男子部員に混じって甲子園を目指している女子部員の物語を描いた野球漫画「フジマルッ!(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

フジマルッ! あらすじ

 

何をするにも興味を持たなかった主人公・藤丸あさひは、野球が大好きな父親ととにかく口うるさい母親の一人娘である。ある日、藤丸は父親に連れられ甲子園で高校野球を見た。そのときピンチでマウンドに集まったナインを見て言った「野球はひとりでやるスポーツやない、しんどい時はみんなで分け合うんや」という父親の言葉が鮮明に残る。

それ以降、何にも興味を示さなかった藤丸は野球に夢中になり、父親とキャッチボールをしたり近所の野球チームに入ったり…。これまでの人生での無気力感がまるで嘘かのように輝きを増していった。

これは何をするにも興味を見出せなかった1人の女の子が野球の魅力に憑りつかれ、女子選手として甲子園を目指すことを選択した野球漫画&ヒューマンドラマである。

 

フジマルッ!の見所をチェック!!

男子部員には無い葛藤

 

物事に真剣に取り組めば取り組むほど、自分の意図しないところでの手抜きってのは腹が立つもんです。でも完全に男子部員と同じようにして扱うってことが許されるのか…。周りも当然気を遣うだろうけど、1番やきもきした感情というか「やるせなさ」みたいなのを感じているのは間違いなく当の本人なんですよね。

大人になれば「本人が好きでやってるんだし、それも真剣に取り組んでるんだからいいじゃん」って思っても、同世代の中に混じったらやはり浮いた存在であることは変わりないわけで…。

2人1組での練習なんかの時に、女子部員と組まされる男子部員がちょっと面白くない気持ちになるのも何となく理解できるじゃないですか?そういうのでやっかみを受けたり、キツイ言葉を浴びせられたりします。その辺の女子部員ならではの葛藤が大きな見所の1つと言えるでしょう。

 

努力が光る野球漫画

 

女子の力で外野に球を飛ばすってのが、どれだけしんどいことなのかが男の僕には理解できなかったからアレなんだけど、本作はとにかく努力が光る野球漫画です。

それこそ「女子だから周りと同じことをしてたのでは勝てない」ということで、右投げから左投げに転向するっていう大リーグボール的な展開がありながらも、現実離れした野球漫画とは思わないってのはすごいと思いました。

「選手としてはグランドに立てなくても試合前のノッカーとしてなら…」ということで、外野に球を飛ばせるように練習したりとか、野球じゃなくてもスポーツをやってきた人間には響いてくるシーンが結構多いと思います。

とは言え最終的に「その努力が実って甲子園に出る」って展開を迎えてしまうと、それに対して「本当に良かった!努力って素晴らしい!」ってなんのか、あるいは「なんだよ、結局そういう感じになるのね」ってなんのか。そのあたりも注目です。

 

母親が結構イヤな奴

 

「なんでこんな初期設定にしたの?」ってくらい、とにかく母親が嫌な奴です。藤丸が野球と出会う前、それこそ何にも興味を持っていなかった時期には「なんか興味くらい持て」と言ってきて、まぁそれはわかるじゃないですか?

で、野球に興味を持ったら持ったで「あんたには無理だからやめておけ」みたいな。何て言うんだろう、普通に血の繋がった母親とは思えない言い草が目に余るんですよね。

それが「我が子を想うために心を鬼にして教育してる」って感じでもないし、どっちかっていうと「親が死んじゃったから面倒を見ることになってしまった姪っ子(そして自分は義理の母親)を仕方なく育ててる」みたいなイメージ。愛の欠片も感じない。

ただ本作はドラマ部分も結構しっかりと作られていて、お父さんの素敵な人柄とかには大きな見応えがあります。だからじゃないけどこの母親のこういう態度も一種の伏線なんじゃないかって思うフシもあったりなかったり。

 

フジマルッ! コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

これまで女子野球の作品は幾つか読んできたけど、本来の高校野球漫画のベクトルを持っていて、主人公が女子部員って展開はなかなか無いので、そういう意味ではすごく期待しています。

個人的には…個人的にはですよ?思い出作りでマウンドに上げるってのも何か違うと思うし、かと言ってバッターを打ち取ったりなんかして、最終的に甲子園に行くなんてことになったら、感動というよりかはどっちかっつーと冷めた方向に受け捉えちゃいそう。なんだろう?美談にしようとするあまり、逆に冷めた演出になっちゃうっていうのかな。それがちょっと不安です。

逆に言ったら僕みたいなただの漫画好きの素人は「頑張ったけど結局マウンドには立てなかった。でもこれまでの野球人生には一片の悔いなし!」なのか。あるいは「みんなで藤丸をカバーしようぜ!俺んとこ打たせろ!」ってなんのかの二択しか考えてないから、どういう決着をつけるのかってのが今から楽しみではあります。

まぁ順当に行けば「しんどい時はみんなで分け合う」ってシーンがあってこそって感じはするけどね。

 

あとがき

最初、ブラッディマンディかと思ったよ。

 

 

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