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凄惨な戦争の姿を描いたリアルな物語「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」

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ペリリュー表紙

 

学校教育で日本の歴史を教わってきたかと思いますが(もしくは現在進行形)、教育を受けてから年月が経つと内容を忘れることがあるし、もっと言えば「内容が変わる」こともあります。

そもそも1900年代に突入してからのことだって不明瞭な部分は少なくありません。日本にいると戦争ってはるか昔のことのように思えるけど、ぶっちゃけ100年前なんてそんな昔のことでもないなぁと。

まして最近は近隣国との関係性が良いんだか悪いんだか、不安に感じているという人も多いのでは?対話が通じない相手の存在を感じつつ、それでも戦争は良くないと言い続けたいものです。というわけで今回は、凄惨な戦争の姿を描いたリアルな物語「ペリリュー -楽園のゲルニカ-(全10巻完結済み)」を紹介します。

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ペリリュー -楽園のゲルニカ- マンガ概要

昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか――!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!

 

ペリリュー -楽園のゲルニカ-の見所をチェック!!

凄惨な戦争を伝えるドキュメンタリー漫画

ペリリュー

 

本作の舞台は、太平洋戦争真っただ中のペリリュー島(現:パラオ)です。洞窟を使ったゲリラ戦など、実際に日本軍と米軍が衝突したと言われています。

洞窟を使ったって言うと凄そうな感じがしますけど、外にいると米軍の圧倒的な戦力でもって戦車やら戦闘機から攻撃を受けるっていうんで、洞窟に籠って攻撃したっていう…。どっちかっていうと苦肉の策に近いのかな。この人たちのおかげで今の日本が平和だって思ったら、本当に頭が上がりません。

本作は日本の戦史研究家である平塚柾緒氏に取材し、そして描かれた戦争漫画です。大きくノンフィクション寄りで、史実に近いと思っても良いのでは。

 

主人公は漫画家志望の功績係

ペリリュー1

 

本作の主人公は漫画家志望の功績係です。功績係は、戦死してしまった家族のために「その人の最期の瞬間」を伝えるという役割を持っています。戦争で死ぬということは国のために死んだと言っても過言ではなく、せめて遺族には「立派に死にました」と伝えようという配慮のもと、設けられた役割と言っていいでしょう。

敵国の兵士を殺しに行ってるわけですから「敵兵と刺し違えました」くらいがベストで、間違っても「逃げてる最中に背中を撃たれました」とは言わないし、口が裂けても「無駄死にしました」とは言わないもの。

遺族の方の気持ちを思えば「嘘も方便」みたいな部分はあるだろうけど、これが良いか悪いかはさて置き、戦争においてゴリゴリの戦争部隊の視線じゃない戦争漫画というだけでかなり斬新に感じました。

 

可愛らしい絵とは裏腹なキツイ内容

ペリリュー2

 

ぶっちゃけ絵のタッチが非常に可愛らしく、そこまでリアリティのある人間の表情などを感じない絵です。悪く言えば「場面によっては日本人とアメリカ人の区別も難しい」と言っても過言ではないかも。

でもこれが目を背けてしまいそうなグロさを軽減していて、視覚的には優しくなっています。戦争漫画はどうやったって口から血を吐いて倒れたり、頭が吹っ飛んだりっていう過激なシーンがあるわけですが、それが苦手で漫画が読めないっていう人もいるじゃないですか?本作はそういう心配はいりません。

ただ、内容はかなりヘビーです。戦争の凄惨さ、残酷さは痛いくらい胸をえぐってくるので、読みやすいけど考えさせられる作品と言っていいでしょう。グロ苦手な人が戦争の知見を得るという目的にはピッタリで、子供が勉強のために読むというのもアリだと思います(図書室に置いても良いと思う)。

 

ペリリュー -楽園のゲルニカ- コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

可愛らしいタッチの絵とヘビーな内容が非常にアンバランスな戦争漫画です(もちろん良い意味で)。マジで小学校、中学校の図書室に置いても良いと思う。

この手の戦争漫画は前線で戦った人(例えば戦闘機で突っ込んだ人や潜水艦で突っ込んだ人)の視点で描かれることが多く、それ自体が功績係になっているような気になることってありませんか?本作は必ずしも戦って死ぬ人ばかりではなく、言葉を選ばずに言うなら無駄死にする人物もいて、非常にリアリティを感じました。

あと戦争となると両者の言い分だったり、思想的な部分が非常に大きく、作者の方が思う方向に誘導されるような傾向もあるかと思うんですが、かなり中立的な目線で描かれているように思います。日本が悪いでもなく、アメリカが悪いでもなく…。ただただ、戦争の悲惨な状況が描かれているように感じました。

絵はコミカルな感じたけど、娯楽というよりは教育に近い作品です。

 

あとがき

絵と内容のギャップがやばい。

 

 

 

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