「傷だらけの仁清」を読んだ感想・レビュー

傷だらけの仁清表紙
Ⓒ傷だらけの仁清

実際のヤクザがどうかはさておき、ヤクザを主役にしたドラマや映画ではめちゃくちゃカッコ良く感じる任侠道。その最たる例と言っても過言じゃない漢が主人公の極道漫画がこちらです。

とは言っても元極道だからアレなんだけど、大切なものを護る力という意味では驚くほどカッコイイ姿が見られるし、こういうヤクザばかりなら未だに一定のヤクザ人気はあったんじゃないかと思うほど。

というわけで今回は、仁義・恩義・律義に生きる無骨な生き様を描いた「傷だらけの仁清(全15巻完結済み)」を紹介します。

著:猿渡哲也
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傷だらけの仁清のあらすじ

この物語は、家族を知らずに育った永井仁清が、ある家族を護ろうとする漢のドラマである。生まれてまもなく捨てられ、福祉施設で擬似家族を体験した仁清は、より強い絆を求めてヤクザになった。仁義・恩義・律義に生きる無骨な生き様に熱くなる!!

傷だらけの仁清の見所をチェック!!

超武闘派の元ヤクザが主人公

傷だらけの仁清1
Ⓒ傷だらけの仁清

見た目は落ち武者みたいな感じだけど、実際は銃や刃物を持っているヤクザたちを相手にしてもひるまない、圧倒的な戦力を持った元武闘派ヤクザが主人公の物語です。

特に悪いことをしたわけでも不義理を働いたわけでもなく、組長から「極道にしちゃあ優しすぎる」という理由で破門を言い渡された過去や、そもそも生まれた時から親にゴミ捨て場に捨てられた過去を持っています。

敵に対してはとことん追い詰めるけど、そうでもなければ非常に心優しいという一面を持つ漢で、まさに極道漫画の主人公としてはぴったりの印象を受けました。まさに仁義を重んじるというタイプの人間で、任侠モノでも真っ先に人気が出るタイプのキャラクターだと言えるでしょう。

ある家族との日常

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Ⓒ傷だらけの仁清

ずっとヤクザ一筋でやってきて急にカタギの道に放り出されても、大抵の人間は何もできずに困ってしまうはず。本作の主人公もまさにそんな感じでしたが、ある家族との出会いがきっかけになって人生が劇的に変わるという感じです。

簡単に言うと「小さい子が川で溺れそうになっているところを助けたら、その子の親が警察署長だった」的な感じ。元ヤクザと警察っていう関係上、なんかギクシャクするのかと思ったら主人公のことを本当の家族のように迎え入れてくれるっていうね。

実は本作の開始時点で警察署長だったこの家族の父親は事故で死んでしまっていて、未亡人の奥さんとその娘を守る主人公…みたいな縮図になっています。回想シーンなんかを交えながら、この家族の父親が死んでしまうまでのエピソードは見応えたっぷりです。

今も昔も大切な人を守るために戦う

傷だらけの仁清3
Ⓒ傷だらけの仁清

ヤクザから足を洗っているということで、本来のヤクザ漫画にあるようなバトルシーンが見られないと思うかもしれませんが、そんなことは一切ありません。奥さんや娘に忍び寄ってくる邪悪な影みたいなものを撃退するシーンもあるし、割と大筋になっているのが過去の回想シーンだったりするんですよね。

だからバリバリ武闘派だった頃の主人公の姿が堪能できるし、組員として抗争に参加する様子だけじゃなく刑務所に懲役に行ったシーンもあって、主人公の人間的な魅力がめちゃくちゃ伝わってくることでしょう。

多くの人からすれば「弱い者いじめはせず、自分から仕掛けることはないけど大切な人を守るために繰り出す拳はめちゃくちゃ強い!」っていうのは、これ以上ないくらいのカッコ良さと言っていいのでは?そういう古き良き任侠映画みたいな迫力あるバトルシーンに注目です。

傷だらけの仁清 全15巻を読んだ感想・レビュー

コミックス1巻の表紙を見た感じでは守られる側(既に最前線を退いた組長みたいなお偉いさん)かと思ってたら、バリバリの武闘派でした。今も強いけど昔はもっと強かったみたいな感じです。

で、ヤクザから足を洗って警察署長の父親がいる一家に家族同然に迎え入れてもらって、そこからの人生がまた波乱の連続というか涙なしには語れないというか…。極道漫画でありながら壮大なヒューマンドラマという感じの作品です。

最近ではめっきり少なくなったけど、Vシネマで人気があった任侠映画なんかの「人気のある理由」がすべて詰まっているかのような漫画だと思いました。今となっては極道に対してカッコイイってイメージはだいぶ無くなってきたけど、過去に人気があった極道の姿みたいなものが堪能できます。

ヤクザ漫画が好きな人、リアル寄りのバトル漫画が好きな人、家族愛やヒューマンドラマが好きな人におすすめです。

あとがき

いらない物として生まれた俺を……必要としてくれる人がいるんだ。

著:猿渡哲也
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