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統計学を用いた野球漫画「僕はまだ野球を知らない」はまさにインテリ野球の魅力に溢れている

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僕はまだ野球を知らない表紙

 

スポ根なんて言葉が存在するように、未だにスポーツ漫画と言えば「努力、根性」に大きくスポットが当てられている作品が多いです。

昭和に流行った漫画、アニメなんかだと「今じゃコンプライアンス的にもどうなの?」という作品が多かったわけですが、本作は根性要素がほぼ皆無。まさかここまで近代スポーツにパラメータを全振りしている野球漫画が読めるとは…。

 

故野村克也氏はID野球と言って「野球は頭脳のスポーツだ」と言いました。配球理論だったり、戦略を用いて戦うことが如何に重要であるかは、野村氏が現役時代及び監督時代で十分すぎるほどの実績でもって証明してくれたと思います。

データを野球に用いることが、果たしてどれだけ大きな武器になるのか。今回は統計学を用いた高校野球漫画「僕はまだ野球を知らない(全5巻完結済み)」をご紹介します。

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マンガ概要

学生時代、特に有名な野球選手だったこともなければ、「むしろ野球をプレイしたことはほとんど無い」という経歴の主人公が、憧れの高校野球部監督に就任。

野球の統計学(セイバーメトリクス)を取り込み、近代科学を武器に高校野球界に革命を起こそうとするが、果たして野球経験ゼロの監督が弱小高校を甲子園へと導けるのか。

 

僕はまだ野球を知らないの見所をチェック!!

野球経験がほぼ皆無の監督視点の高校野球漫画

僕はまだ野球を知らない2

 

甲子園を目指す系の野球漫画は数多く存在しますが、今も昔も「弱小高校が強くなる」という展開がすごく人気で、その条件を満たすために「弱小高校なのに急に怪物級の選手が集まる」という設定がセオリーになっていたりします。

で、そんな中で監督視点の高校野球漫画となると、弱小高校かつ「特に秀でた才能を持っている怪物級の選手はあまりいない」という環境下で、監督の采配でもって甲子園に行くまでの様子を描いた作品が多いじゃないですか?

そういう漫画の場合、監督が「野球を知っている人ならではのアドバイス」を送ったりするんですよね。

 

別にそのアドバイスが科学的とは限らないし、かといって根性論の色が強いわけでもなく、ただ「野球をやっていた人が野球をある程度できる人に対する、説得力のあるアドバイス」っていう感じ。

本作にはそういうのがほとんど無くて、あくまで統計学による戦略に重きが置かれています。まだ野球を知らない監督が、データを駆使して選手たちの能力を向上させていく展開…。今までに無かったタイプの野球漫画と言えるでしょう。

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データがいかに有効かを示す野球理論

僕はまだ野球を知らない1

 

恐らく高いレベルで野球をやっている人であれば、配球なんかは当然のようにある程度考えながら打席に立っているものと思います(僕も小学校の頃は軟式野球やってたけど、まぁその当時は何も考えてませんでした)。

素人なりに分かりやすい部分で考えると、ピッチャーは「3ボールになってからはストライクの取りにくい球種は投げにくい」とか、「なるべく低め低めに集めたい」とか。

長い目で選手の一人一人を研究していくと、それが統計学としてハッキリと特徴が表れてくるんだそうです。

 

それを過去の経験として、実際に実績を残してきた人(例えば現役時代に甲子園に行っているとか)が言うなら、それだけである程度の信ぴょう性はあると思います。

ただ、高校生にもなれば「うっせーな、テメーがやってみろよ」くらいの感じになることも珍しくないじゃないですか?だってアドバイスしてくるのは、野球経験ゼロの監督なわけですから。

それでもアドバイスの具体性が凄すぎて、「マジかよ!」って思いながらも、変な説得力を感じてしまうという…。個人的には根拠に乏しい根性論よりも、こんなカタチで説明されたら納得してしまうような気がしました。

 

奇抜なことをやっているようで、基本にも忠実

僕はまだ野球を知らない3

 

本作でやっているのは「選手のフォームを3D映像にして、理想的なフォームのモデリングと重ねることで、どこにどのような問題があるかを視覚的に理解させる」とか、「グラウンドに金属探知機を埋め込み、守備につく選手のスパイクで動きをデータ化する」等、なかなか弱小高校では難しいと思われる設備がたくさん出てきます。

でもそんな近代的で独特なことばかりではなく、根底にあるのは「甘い球を見逃さない」などの基本的な野球だったりするんですよね。

「じゃあ相手ピッチャーに甘い球を投げさせるには…」という部分で、統計学の出番です。この組み立てが、野球を知らなくても気持ち良いです。

 

どちらかと言えば大人が読むのに適した野球漫画というイメージなんだけど、野球少年が手に取っても楽しめると思います。

素振りひとつを取っても「単にバットを振るのではなく、何かを意識しながらバットを振ることが大事」という気付きが得られるかも。

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僕はまだ野球を知らない コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

1コマ1コマが大きくて、無機質な四角であることが多いので、悪く言えば「あっという間に読み終わってしまう」という感じだし、よく言えば「小手先の技術じゃなくて内容で勝負している」という印象を受けます。

少なくとも個人的には、熱血系の漫画も好きだけどこういうアプローチも超好きです。

 

何より「実際に上達している」という実感を得て、ワクワクしている高校球児を見ていると、読んでいるこちらも思わず口角が上がってしまうというか…。

もちろんその中には「データ野球?くだらねぇ」みたいな球児もいたりして、その辺の選手との信頼関係はどうなっていくのか等も大きな見所の1つだと思っています。

 

チームが一丸となって「アイツのミスは俺が取り返してやる!」みたいな熱い展開は一切ないんだけど、そういう今までの野球漫画の醍醐味みたいなものを使わずに、ここまで読者を夢中にさせるという意味では、完全に新しい野球漫画と言っていいでしょう。

野球漫画が好きな人、その中でも特に「リアル系/火の玉ボールとかが出てこない野球漫画」をお求めの人には超おすすめ。

 

あとがき

勉強が出来るのと頭が良いことは意味合いが違うというのが理解できる(ような気がする)。

 

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