「喧嘩商売」を読んだ感想・レビュー

喧嘩商売表紙
Ⓒ喧嘩商売

僕はこの作品を読んだときに「あー、才能の無駄遣いってあるんだなぁ」って思いました。もちろんディスる気持ちは微塵もないし尊敬の念を込めて言ってるんだけど、本作の作者である木多氏のことです。

「こんだけ面白い格闘漫画が描けるのに、なぜギャグ漫画を描いたの?」っていうね。もちろんギャグが下っていう意味じゃなくて、それほどまでに格闘漫画としての純度が高いというか…。とりあえず多くの人に本作を読んでみてほしい!

というわけで今回は、爆笑格闘大河ロマン「喧嘩商売(全24巻完結済み)」を紹介します。

著:木多康昭
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喧嘩商売のあらすじ

長年の沈黙を破り……ギャグ漫画界の修羅の化身が放つ問題(など何処にあろうか)作!!!!新たなる木多ワールドは格闘技!!宇都宮の大地に降り立った転校生・佐藤十兵衛(さとうじゅうべい)、17歳。恐れを知らぬ喧嘩魂ゆえにいつもまわりは敵だらけ!ああん、十兵衛は普通の高校生みたく今しかできないコトしたいだけなのにぃ!!漫画界の修羅の化身が描く爆笑格闘大河ロマン、ここに開幕!!

喧嘩商売の見所をチェック!!

格闘技とギャグが見事に融合

喧嘩商売1
Ⓒ喧嘩商売

喧嘩商売って言われたら喧嘩をテーマにした漫画であることは想像に容易く、実際に「今…現在 最強の格闘技は決まっていない」という文言があっちこっちに登場する作品です。

で、色んな格闘技がバトルをする展開になってるんだけど純粋な格闘漫画とも言い難いし、なんなら前半に関してはギャグの方が比重として重いんじゃないかってくらいの感じがしました。まぁ作者が「幕張」で有名な木多康昭氏ですから、幕張が野球部の漫画だったってことを考えると本作も立派な格闘漫画です。

…っていう冗談はさておき、本作は格闘技とギャグが見事に融合している作品と言っていいでしょう。日常パートではボケ倒して、格闘パートでは真面目にバトルをするという二面性が見事なまでに成立しています。この二つの味が楽しめるのは本作ならではの魅力です。

かなり踏み込んでいるギャグ要素が満載

喧嘩商売2
Ⓒ喧嘩商売

木多氏と言えば少年ジャンプで連載していた頃から、他の漫画をパロったりしていたのが印象深いです。で、よほど人間関係が上手くいっていて他の漫画家の先生との信頼関係が厚いのか知らないけど、時に踏み込んだギャグを披露することも珍しくありません。

個人的には「いっそ怒られろー」くらいに思うやつも少なくないので、この狂気じみたブラックジョークは最高に面白いです。上記シーンはパロディーネタではないけど、知る人ぞ知るネタと言えるのではないでしょうか。個人的には島袋氏が怒らないかなーってちょっと期待してたけど、さすがに怒れるような感じでもないか。

「幕張」の時はスラムダンクネタやドラゴンボールネタが出たので、本作のバトルシーンでドラゴンボールネタが出るかと思いきや、格闘の場面は真面目な感じで進行している感じなのである程度のおふざけは封印です。だからこそ日常パートのパロネタがたまりません。

かなり下ネタが多めの展開

喧嘩商売3
Ⓒ喧嘩商売

本作のギャグのレベルはかなり高いと思うんだけど、中でも下ネタの率が結構高いです。それも男だらけの中で披露される下ネタっていうわけではなく、ちゃんと女子高生を絡めたものになっています。

喧嘩商売っていうくらいですから喧嘩自慢の猛者どもがたくさん登場するわけで、そいつらと下ネタを交えた会話をしたところでたかが知れてるじゃないですか?でも本作では主人公の高校生という立場を利用した、女子高生との絡みで見せる下ネタが光っているんですよね。

ちなみに「少年誌で連載していた幕張であれだけの下ネタができたんだから、青年誌で連載されているこっちはもっとすごいだろ!」と思うかもしれないけど、そこは期待外れと言わざるを得ません。ただしそれは本作がしょぼいんじゃなくて、幕張がやばかっただけの話。

バトルシーンは本格的な格闘漫画さながら

喧嘩商売4
Ⓒ喧嘩商売

そして本作の一番の見所は「バトルシーン」です。ぶっちゃけおふざけ無しの展開が続いて、かなり見応えのある喧嘩を堪能することができます。

そして本作は単行本の始まりが 「今…現在 最強の格闘技は決まっていない」 というセリフから始まることもあって、最強の格闘技を決めるみたいなことがテーマになっていると言えそうです。昔あった格闘技で人類最強と謳われたエメリヤー・エンコ・ヒョードルもサンボだったしなぁ。

主人公も空手家とか様々な格闘技に精通している人物たちと拳を交えていくことで、少しずつ成長していくという感じになっています。ぶっちゃけこれを読んだら木多氏がまともな漫画を描けるっていう凄さが体感できるに違いありません(まともって言ったらアレだけど)。

喧嘩商売 全24巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

途中からガラッとテイストが変わるんだけど、前半はキレッキレのギャグが楽しめるギャグ+格闘漫画という感じで、後半は割と真面目な雰囲気の格闘漫画です。格闘漫画っていうと刃牙シリーズなんかが長期にわたって人気を獲得しているイメージがあるけど、刃牙シリーズよりもファンタジー要素が少ない本格派と言っていいでしょう。

前半のギャグはめちゃくちゃ面白いし、木多氏ならではの雰囲気に包まれています。エロ要素はそこまで強くもないけど下ネタ要素が強めで、男性読者の多くが笑わされてしまうほどの切れ味があるように感じました。

そして真面目に描かれている格闘シーンの凄さったらないです。ちなみに本作は全24巻で第一部完という形で終わっていて、続編として「喧嘩稼業」に続いてるんだけど、本作の後半は次回作の導入部みたいな感じになっていて、いわばトーナメントの組み合わせを発表してるんだけなんですよね。

他の漫画でそんなことをやったら、たぶん批判が集中したんじゃないかと思うんです。でも本作のKindleレビューを見てもらうと分かるように、全体的にかなりの高評価となっています。これだけの期待度を背負ってきた本作ですから、面白くないわけがないでしょ。

あとがき

かつて世界は二つに分かれていた!!

著:木多康昭
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