最初は勝手に「アリーナ姫(ドラクエ4)みたいな話なんかな?」と思ってました。姫なんだけど姫と呼ばれたくないというか、女王陛下になったんだけど女王扱いされたくないっていうお転婆娘の話かと。蓋を開けてみたら王位継承争いの話だったけど。
部類としては少女漫画です。イケメン王子とのロマンス展開が軽くあるので、そういうのが平気なら男性読者でも楽しめること間違いなし。個人的にはかなり面白いと感じたファンタジー漫画でした。
というわけで今回は、引きこもりから女王候補に!「女王陛下と呼ばないで(全4巻完結済み)」を紹介します。
女王陛下と呼ばないでのあらすじ
リンドール王国の名門、ファネル公爵家の一人娘フランチェスカはチェス大好き、おうち大好きなひきこもり。そんな彼女の日常は最愛の祖父である国王の急逝とともに風雲急を告げる――「君を次期女王候補に指名する」遺言で王国初となる女王候補に指名されて大慌て!そんな重責、絶対に担いたくない――!!貴公子たちとの王位争いで放つ、起死回生の一手は――!?
女王陛下と呼ばないでの見所をチェック!!
引きこもりの女の子が女王候補に
主人公は非常に可愛らしい令嬢なんだけど、あることがキッカケで引きこもりになってしまい、国王である祖父が亡くなってしまったタイミングで表舞台に出てくるという流れ。普段はボサボサ頭でおめかしも一切せずの主人公も、おめかしすればめちゃくちゃ可愛らしい女性です。
そんな主人公が国王の遺言によって女王候補になります。次期国王の候補は他にもいて、引きこもりから後継者争いに進んでいくっていうね。このハードルの上がり具合、ハンパねぇっす。
ちなみに絵は非常に綺麗で、個人的にはゲームのアトリエシリーズを思わせるような雰囲気があるような気がしました。ベースは少女漫画なんだけど男性も楽しめる作品だと思います。
主人公が引きこもりから成長していく姿
本作の舞台になっている時代は、まだ男性の方が偉かったというか男尊女卑の気があったというか…まず女王陛下っていう前例がなかったうえに、政略結婚みたいなことも珍しくなった時代です。だから「女性のお前は次期国王にふさわしくない」みたいな物言いも多いし、そもそも本人にも女王陛下になる気がないという感じ。
ただ、今まで引きこもっていた世界しか知らなかった主人公が、世界を見たり人と触れ合うことで少しずつ成長していくんですよね。その中でもしかしたら「女王陛下になりたくない→女王陛下になりたい!」に変わっていくかもしれません。
まぁ本人がなりたいって言っても素養があるかどうかはまた別で、引きこもりなのに他の候補者よりも適性があるかって話になるわけで…。最終的に女王陛下になるのかどうかを含め、主人公の成長ぶりは必見です。
成るも成らぬも茨の道
後継者争いってことで、主人公が女王になるには優秀なライバルたちを蹴落とす必要があります。とは言え、簡単に想像できるようなあからさまな昼ドラ展開は無く、どちらかと言えば少年漫画のノリに近いんじゃないかと。
もちろん候補者の中には「絶対に自分がなる」って思ってる人物もいるし、逆に「自分はなりたくない」っていう人物も。あとは「アイツだけは嫌だ」とかね。もちろん次期国王ってなると当人同士だけじゃなく、その家族なんかの思惑も入ってきて結構ややこしい展開もありました。
少女漫画ってこともあってドロドロの展開になるのかなぁって思ってたら、全然そんなことはなかったです。跳ねっ返りを演出するための安いいじめみたいなのもなかったし…。もちろんライバル同士の衝突みたいなものはあるけど、本当に少年漫画的な展開だと思います。
女王陛下と呼ばないで コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー
いやー、想像以上に面白かったですね。全4巻という短いボリュームの中で綺麗にまとまってるし、もっと読みたかったと思わされました。良い意味で話の展開が分かりやすいので、セリフや行動がストレートに胸を打ってきます。
僕は男で少女漫画はそこまで読んだことがなく、青年漫画の暗いやつばっかり読んでることもあり、ロマンス系の展開になるとちょっと恥ずかしいというか「うわぁ…」と目を背けてしまいそうになるんだけど、それが多少ノイズに感じたくらいで物語全体としては非常に良くできていて面白かったです。
男性読者でも「主人公がイケメンに壁ドンされるシーン」なんかが平気なら、問題なく普通に楽しめると断言します。僕は壁ドンみたいなのがあると若干引いたけど、それでも楽しめたので。
主人公の成長ぶりも手に取るように分かるし、応援したくなるようなキャラたちばかりでファンタジー作品としても◎。時間を置いてからまた読みたいと思える良策でした。
あとがき
じょおう?じょうおう?