「将棋めし」を読んだ感想・レビュー

 

一口にグルメ漫画と言っても、最近は「美味しい物を食べてうんちくを語るだけの漫画」じゃウケなくなってきたのか、実に様々な特化型グルメ漫画が登場しています。例えばお米にスポットを当てていたり、パンにスポットを当てていたり…。スイーツのみに特化したグルメ漫画もあれば、異世界で食堂を開くなんてものも。

そんな中でもひと際異色を放っているのがコチラ。というわけで今回は、プロ棋士たちの食事に特化した「将棋めし(全6巻完結済み)」を紹介します。

 

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将棋めし あらすじ

 

将棋は非常に脳を働かせているため、見た目以上に体力・気力を消耗することで知られている。「腹が減っては戦はできぬ」という有名な言葉があるが、将棋は戦を模した盤上遊戯と言っても過言ではなく、この言葉は「腹が減っては将棋が出来ない」ということも意味しているのだ。

将棋は長期戦になることも少なくない為、どのようにして栄養補給するかというのも極めて重要事項と言えるだろう。そんな棋士たちの昼食にスポットを当てた漫画が「将棋めし」である。

 

将棋めしの登場人物

峠 なゆた(六段)

 

女流棋士ではなく、女性としての棋士。本作の主人公にしてタイトルホルダーでもある。プロ棋士を目指して父の元に入門し、プロ棋士となった。

負けず嫌いな一面を持っている他、昼食によって対極の流れも大きく左右されると考えており、対局相手とメニューが被るのを極端に嫌っている。

 

宝山 貴善(七段)

 

なゆたとの玉座戦に負け、タイトルを失った。見た目通りに温厚で同期の中でも一際大人っぽい人物である。

昔から常識とは少しかけ離れた変化球のような行動を取ることが多く、言葉を選ばずに言うのであれば変人という表現がしっくりくるだろう。

 

黒瀬 時彦(七段)

 

なゆた、宝山と同級生であり、奨励会同期でもある。3人の中では自分が一番名人に近いとし、他の2人には負けたくないという負けず嫌いな一面も。

 

峠 はじめ(八段)

 

なゆたの父にして師匠でもある。なゆたが3歳の頃から妻とは別居しており、妻からは「あんなポメラニアンみたいなおじさんとは一緒に暮らせない」と言われている。

 

将棋めしの見所をチェック!!

ツッコミも将棋チック

 

例えば人とは絶対にメニューが被りたくないと考えている場合の対策としては、食べたい物を複数用意することで「仮に頼みたい物が被ったとしても、もう片方を選べばいい」という考えに辿り着くのではないでしょうか。

ただしそれは相手が頼むメニューが1つだった時に有効な手段であって、もし用意していた2つのメニューを同時に頼まれてしまった場合はその作戦も水泡に帰すことになってしまいます。

これに対して「桂馬かお前は!!」と突っ込むのは通常のギャグ漫画では考えられません。将棋が好きな人が読んで初めて伝わるツッコミとなっています。このあたりが将棋ファンにとっては嬉しくもあり、同時に他のグルメ漫画とは一線を画す部分と言えるでしょう。

 

食事あるあるも満載

 

前項に書いた「食事のメニューは人と被りたくない」ってのも一種のあるあるだと思うんだけど、本作には様々な食事あるあるが登場します。

序盤で笑ったのは「うな重」ですね。松竹梅のランクに分かれてるんだけど、自分が「梅」を頼んだら対戦相手が「竹」を選んできたっていう…普段なら何も思わないんでしょうけど「対局中に相手に上を行かれてしまうのはどうなの?」という葛藤です。

このように「勝負の場で食べるご飯だからこそ引っ掛かる色んな食事あるある」が出てきます。誰しもが少なからずとも一度は考えたことがあって共感できる内容となっているので、ぜひ注目してみてください。

 

ストーリーとしての対局の行方にも注目

 

主人公の峠なゆたは、コミックス1巻時点ではC級1組でタイトルも持ってるけど、この先はもしかすると順位がもっと上がっていくかもしれないし、タイトルを失ってしまう可能性も考えられます。

細かに棋譜を描いているような漫画ではないので、将棋が好きな人ほど本作の対局の行方なんてのは蛇足になっちゃうのかも。でも僕はこのあたりにドラマが生まれてくるんじゃないかと密かに期待しているんですよね。

B級には実の父であり師匠もいるので、親子対決にして師弟対決なんて展開があったら胸熱じゃないですか?個人的には「名人になるまでの姿が見たい!」とは言わないまでも、どこまで上り詰めるのかも楽しみにしています。

 

将棋めし コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

僕は将棋に関してルールを知っている程度で、あとはたまに寝る前に過去の対局をYouTubeで見るくらいなんだけど、それでも十分に楽しめる将棋×グルメ漫画だと思いました。

別に定石とか知らなくても楽しめるレベルのネタしか出てこないし、あとは順位戦の話にしたって身近なところに置き換えられるだろうから、最近将棋のルールを覚えたって人でも全然楽しめると思います。というか将棋のルールなんか知らなくたって楽しめると思う。

勝負の際中に食べるご飯のことだからこそ、ここまで熱いテーマになり得たわけだし、将棋の対局に注目したという発想には感謝しかないです。

今は藤井聡太さんのおかげで空前の将棋ブームとなりつつあるので、今後もっと流行っていくグルメ漫画ではないかと思います。将棋が好きな人、一風変わったグルメ漫画が好きな人におすすめです。

 

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あとがき

難しい顔をしながら寡黙に将棋を指している大人が、おやつとかで甘い物食べてるのを見るとそれだけで結構面白い。

 

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