「星明かりグラフィクス」を読んだ感想・レビュー

星明かりグラフィクス表紙

 

個人的には美的センスが皆無で、絵も下手だし、芸術系の授業なんか中学を最後に受けてません。だから美大に行く人は全く違う人種だと思っていて、羨ましさや憧れの意識こそあっても「自分とは相いれない存在」と思っています。

だからこのような芸術をテーマにした漫画には手が伸びにくいんだけど、例を挙げれば「ハチミツとクローバー」とか、僕みたいな芸術に全然興味がない人間でも楽しめる作品って少なくないんですよね。

ちょっと変わった人は多いみたいだけど、その眩しさは変わりなし!というわけで今回は、キャンパスライフの青春グラフィティ「星明かりグラフィクス(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

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星明かりグラフィクス あらすじ

舞台は埼玉県の、とある芸術大学。
主人公は、デザイン学科2年の吉持 星(よしもち・せい)。
デザインの才能はピカイチ、だけど潔癖症で人嫌い。
もうひとりは、美術学科2年の園部明里(そのべ・あかり)。
芸術的才能はないが、コミュ力と上昇志向の塊。
明里は吉持の才能を目の当たりにし、それに乗っかろうと企むが……。

ヘンな人や、ヘンな人になりたい人が集う芸大で、
ふたりのひねくれた青春グラフィティが始まる!
漫画誌・ハルタで異彩を放つ新鋭・山本和音の初コミックス!

 

星明かりグラフィクスの見所をチェック!!

タイプが全く異なる2人の主人公が名コンビ

星明かりグラフィクス

 

勘が良い人なら気付くと思うけど…てか勘が良くなくても気付くか。美大に通っている星と明里で「星明かりグラフィクス」です。社交的な明里と人付き合いが苦手な星という、まったく対極の位置にいるのに気が合う2人。

星の方は変わり者ながらもデザインセンスが抜群という天才肌で、明里の方は人脈や人付き合いが上手くて誰にでも愛されるって感じでしょうか。この2人の掛け合いが凄まじいくらいに心地良いんですよね。

友達が多いって人も羨ましいけど、結局は明里にとっての星、星にとっての明里のような友人が1人でもいれば全く違う人生になるだろうなって思えます。この2人の距離感、マジで心地良いです。

 

潔癖症の気があるなら理解できる生きにくさ

星明かりグラフィクス2

 

星の方が少し変わった性格をしているんですが、差し当たって気になるのが「極度の潔癖症」であるという点。見ず知らずの人が握ったおにぎりが食べられないという人は少なくないと思いますけど、親友の家に泊まりに行ってプロの掃除屋を手配するというのは驚きを禁じえません。

極度の潔癖症でまったく我慢できないというのであれば分かります。でも普通の人なら、友人の家に泊まりに行って「汚いので掃除します」ってのは口が裂けても言えないじゃないですか?この辺りを躊躇なく言えたり、普通の人じゃない部分をたくさん見ると「あー、こいつ常人離れしてるなぁ」って思うし、天才と変人が紙一重だってことを理解できます。

さすがに同じレベルで潔癖症だって読者は少ないだろうけど、女性なら「男性と同じトイレは使いたくない」ってレベルの人は多いだろうし、細かい部分で共感できる人は少なくないはず。

 

所々から感じられる青春の香り

星明かりグラフィクス3

 

大学生ならではの青春が最高です。就活が上手くいかないもどかしさとか、夢を追うか現実を見るかの狭間で揺れ動く様とか…。まさに子供でもなく、大人に足を踏み入れている不安定な時期って言うのかな。この眩しさがたまりません。

例えば自分にとって大事な人に良い事があれば、素直に嬉しいと思える反面、心のどこかに嫉妬心のような複雑な気持ちも出てくると思います。僕も毎日つるんでいた友人に彼女ができた時は、マジで気が狂いそうになったものです(←なんの話だ)。

コミュニケーション上の言葉選びなんかもセンスがあって、まさに大学生の青春物語という感じ。美大に通った経験があればあるあるの宝庫だろうし、美大に行ったことがなくても情景が頭の中で浮かぶシーンが少なくないので、青春の香りを懐かしみたいという人にはぜひともおすすめします。

 

星明かりグラフィクス コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー

めっちゃ面白かったです。芸術的なことは全くわからないけど、こういうセンスは千差万別なので、例えばクライアントから仕事をもらったとしても「評価は相手次第」みたいな部分が難しいだろうなぁとは思うし、その期待に応えてこそのプロなんだろうなぁと。

あとは学校祭でのあれこれ、展示する作品に命を込める様子だったり、そこで色んな人間関係を構築する様子だったり…。自分も学生時代に経験したことなんだけど、社会に出てからは忘れてしまったような感情を思い出すことができました。

あとは大人になって変わるもの、大人になっても変わらないもの。変わるから良いものもあるし、変わらなくて良いものもあるよねっていう当たり前のことを再認識できたと思います。学生時代だと「変わらなきゃいけない」って思いがちな部分が多いけど、その辺を柔軟に考えられる素敵な青春漫画です。

これから大学に行くという若い読者が読んでもいいだろうし、リアルタイムで美大に通っている学生さんが読んだら最高だろうなぁ。もちろん社会人や大人の読者が読んでも楽しめます。全3巻で最初から最後まで話も奇麗にまとまっているのでぜひ。

 

あとがき

ブリジストンじゃないけど、タイトルが素敵すぎた。

 

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