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「煩悩寺」を読んだ感想・レビュー

煩悩寺表紙

 

あまりラブコメ作品は詳しい方ではないんですが、本作のクオリティは非常に高いんじゃないかと思っています。登場人物が大人の若者って部分もいいし、変に力が入ってないのもいい。ましてタイトルに煩悩って付いてるからね。

恋愛なんて煩悩だらけみたいなところがあるけど、本作に描かれているような煩悩なら溺れても致し方ありません。というわけで今回は、ピュアな煩悩の渦にハマれるラブコメ「煩悩時(全3巻完結済み)」を紹介します。

 

 

煩悩寺 あらすじ

彼と別れたばかりのOL小沢さん。ある日、飲んだ帰りに訪れた同じマンションの一室は、とんでもない部屋だった。住人の小山田くんはいたって普通の青年だったが、「煩悩の限りを尽くす」という兄から送られてくるモノで溢れるその部屋は、統一感なし、センスなし、意図も不明。しかし何が気に入ったのか、そんな部屋で癒される小沢さんはヒマがあるとその部屋『煩悩寺』に通う日々が始まるのでした。

 

煩悩寺の見所をチェック!!

大人の恋愛なんだけど初々しい

煩悩寺1

 

個人的には「こういうノリって高校生~大学生くらいの感じかなぁ」と思うくらい、とにかく初々しい2人の姿が堪能できます。

年を重ねるとどうしても作業的になるというか、恋人と別れてしまうとまた1からのやり直しみたいになって、それを億劫に感じて「じゃあこのままでいいか」みたいになることも珍しくないと思うんだけど、こういう緩い感じでも適度にドキドキ感のある恋愛なら、いくつになっても楽しいんじゃないかと思いました。

パートナーの愚痴が惚気に聞こえちゃうくらいの感じっていうのかな。その心地良い距離感が堪能できるラブコメ漫画です。

 

数々の恋愛あるある

煩悩寺3

 

ラブコメが面白いと感じるかどうかっていうのは、その恋愛観に共感できるかどうかって部分が大きいと思います。そういう意味では本作の「あるある」は、僕にはどストライクでした。

まぁ登場している携帯電話がガラケーっていうこともあり、世代が合うかどうかっていうのも大きいと思います(普通にタバコ吸ったりもしてるし)。もしかしたら今の若い読者からすると、大きなジェネレーションギャップを感じる作風なのかもしれないけど、個人的には古臭さは一切感じなかったし、すごく楽しんで読むことができました。

「あるある」って言いながらニヤニヤしつつ、ピュアで初々しい2人の大人を見ているのがこんなに楽しいことなのかと。まさに童心に帰ることができるラブコメ漫画です。

 

感情表現の仕方に緩急がある

煩悩寺2

 

本作のジャンルは間違いなくラブコメだし、普段の2人が醸し出している楽しさったらないんだけど、時折文学的な表現をしてくるというか「楽しさの中の寂しさ」みたいなものを表現してきたりします。

よくある高校生が主役の恋愛漫画における「最後の夏が終わろうとしている」的な表現で、それの大人バージョンという感じ。このあたりはれっきとした恋愛漫画で、個人的にもめちゃくちゃおすすめしたいポイントの1つです。

普段が結構バカバカしいノリだから、たまにちょっとしんみりすると落差がすごいんですよね。もちろんこれは良い意味で、感情表現の中にも緩急を付けてくるっていうのは注目して読んでもらいたいです。

 

煩悩寺 コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー

タイトルにもある煩悩っていうワードがずっと気になっていて、読む前は「初めて彼女ができて、悶々とした気持ちを抱えながらあれこれしていく」的なラブコメだと思ってたけど、実際に読んでみると全然違いました。そういう勘違いこそが煩悩であり、それを消し去ってくれるほどキュンキュンするラブコメだと思います。

大人な2人の恋愛なんだけどこなれた感じが一切ないし、恋愛における1番楽しい時期というか「最も適した距離感、心地良い男女の距離感」が感じられる作品です。お互いに対して少しの遠慮もありつつ、気遣いもあって、オープンな所はオープンにしてるという…まさに理想。

この2人がどういう関係性になっていくのかって部分も含めて、最初から最後まで目が離せない全3巻と言っていいでしょう。一気読み推奨のラブコメです。

 

あとがき

トイレを貸してください。

 

 

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