「蜜の島」を読んだ感想・レビュー

蜜の島表紙

 

本作は小説のイメージがしっくりくるレベルの超良質なミステリです。ノベルがコミカライズされたのかと思いきや、そうではありませんでした。2時間ドラマとかで実写化も全然イケるレベルの高いクオリティだと思います。

本作は昭和22年、戦友の遺言でその娘を故郷の島に連れていくという物語。しかしその島は日本地図に載っていないという…。かと言って「霧の濃い日にだけ誕生する…」的な霊的要素は一切なく、とにかく本格派のミステリー作品と言えるでしょう。

というわけで今回は、オカルト&ミステリの最高峰「蜜の島(全4巻完結済み)」を紹介します。

 

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蜜の島 あらすじ

東京にいる妻子を、妻の故郷の島まで送り届けてほしい。復員兵南雲は戦友の遺児ミツを連れ、南へ向かう。目指す石津島は、地図にも載っていない幻の島だった。昭和22年という特異な時代が生んだ奇跡! 人類最古の謎に挑む、壮大なるサバイバル・ホラー!!

 

蜜の島の見所をチェック!!

オカルト的な要素は薄目でミステリ要素が強め

蜜の島1

 

本作の入り口は「日本地図に載っていない島」ということで、どこか犬鳴村に近いオカルト的な要素を感じるんだけど、どっちかって言うとミステリ要素の方が強めでそこまでオカルトチックなテーマではありません。

霊的なもののような気持ち悪さは付きまとうものの、どちらかと言えば「人間の思想、風習」などの宗教的な意味合いの気持ち悪さの方が近いかも。人類文学、民俗学、戦後というキーワードが上手く噛み合わさっている良質なミステリです。

島はちゃんと実在しているし、じゃあなんで日本地図に掲載されていないのかって部分については読み進めていくと明らかになっていくでしょう。でもオカルト好きが気に入るような要素も溢れているので「フィクションとノンフィクションの狭間が好き」という人なら誰しもが楽しみながら読めると思います。

 

幼女の正体

蜜の島2

 

本作の主人公、八雲が日本地図未掲載の島を目指した理由は1つ。戦友の遺児であるミツを、その島に連れていって欲しいと戦友から遺言のような形で依頼されたからです。

しかし島について真っ先に幼女の実家を探すものの、内務省調査局の人間が言うにはその子の家は見つからず…。なのに住民に尋ねてみるといとも簡単に判明するっていうね。その家で一悶着…となる頃には、本作の謎にどっぷり片足を突っ込んでいるはず。

幼女の正体(この村での立ち位置)も重要ポイントの1つだし、何より「本島から来た大人たちが戸惑っているのに幼女がこの島に適応している」という部分に、ちょっとした気持ち悪さみたいなものを感じます。この島で何が起ころうとしているのか…必見です。

 

連鎖する事件とその真相とは?

蜜の島3

 

人の死が連鎖するミステリ作品だとまずは「この中に殺人鬼がいる」みたいな展開から、自身の身にも危険が及ぶ不安感みたいなものがセオリーだと思うんだけど、本作の場合は全然違う角度から恐怖感を煽ってきます。

単に本島から来た人間ってだけで排除されるような展開なら、サバイバル漫画のような流れになるのに対し、本作はしっかりとミステリとして成立しています。

「自分は死なない」という感じではなく「殺人には何らかの規則性があって、自分もその対象になりかねないけど今のところは大丈夫そう」という感じのスレスレの雰囲気っていうのかな。真相を理解した時、めちゃくちゃスッキリする系です。

 

蜜の島 コミックス全4巻を読んだ感想・レビュー

紹介分にはサバイバル・ホラーとあるけど、個人的にはサバイバルとデスゲームって非常に近い部分があると思っていて、本作に関してはデスゲーム要素を一切感じないので、一般的に言われるサバイバルとは別物のような気がします。

戦友の娘を故郷の島に連れていくことを約束したものの、その島は地図に載っていないし、住民たちはどこか変だし…。謎解き要素と物語の加速度のバランスがとにかく秀逸で、ノンストップの全4巻じゃないかと。

本作の舞台は昭和22年ということで割と最近の話です。でも閉鎖された村が舞台だから「まだこんなことやってんの?」的な古いしたきりというか、取り残されている村の価値観みたいなものが良い意味で恐怖感を煽ってきます。

さしずめ「生贄を差し出して災害から守ってもらう」みたいなことをマジで妄信している世界観って言うんでしょうか。でもそれが村の常識なのであれば部外者はどうすればいいのかとか。かなりリアリティのある不気味さが際立っていると思います。

真相を知ってから二度目を読みたくなる系の作品で、全4巻のボリュームも手に取りやすいです。ミステリ作品が好きな人、オカルトチックな雰囲気が好きな人、結末で一本取られたいという人には文句なしにおすすめ。

 

あとがき

地図には載ってなくても、ノリに乗ってるミステリ作品です。

 

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