防衛大学校と言えばお金を貰いながら勉強をして、卒業後は自衛隊の幹部になれるという至れり尽くせりの大学です。…が、勉強もできなきゃいけないし、学校生活も普通の大学とは大きく異なるため、なりたいという気持ちだけでなれるようなものでもありません。
最近は災害も規模の大きいものが頻繁に来るようになり、隣国との関係も決して良くない状況が続いているように思うんだけど、幸か不幸か自衛隊の方々に感謝する機会が増えたような気がします。
そんな自衛隊の未来を担う若者たちの姿を描いた作品があるんです。というわけで今回は、防衛大の生活を描いた漫画「あおざくら 防衛大学校物語(連載中)」を紹介します。
あおざくら 防衛大学校物語 あらすじ
勉強好きの高校生・近藤勇美は食堂を営む実家が再開発で潰れることになり、進学を諦めかけていた。だが、学費無料どころか給料がもらえる防衛大学校のことを知り、見事合格する。近藤を待つ世界とは……!?幹部自衛官を養成する機関・防衛大学校を舞台にした疾風怒濤の青春物語、開幕!!
あおざくら 防衛大学校物語の見所をチェック!!
「タダで大学には入れてお金まで貰える」という動機からスタート
本作の主人公は、特に「災害派遣でお世話になった自衛隊に憧れた」とか「会社を大きくするというよりも多くの人の為になる仕事がしたい」というような志で防衛大学校に入学したわけではありません。お金に困ってたから進学をあきらめて家業を継ぐしかないと思っていた時に、実家の食堂がつぶれてしまい、かつ成績は良かったから防衛大を目指せる位置にいたって感じ。
まぁ就職面接なんかでテンプレを喋られるよりも、ちゃんとした志望動機かと思いました。ただ、最終的に目指すところとか自衛官に対する思いみたいなものは絶対に変わってくるはず。
「最初の動機はそんなに褒められたものじゃなかったけど今はこの道を選んで本当に良かったと思っている」的なエンディングになることは分かり切ってるじゃないですか?あとは挫折しながらも周りと協力しながら乗り越えていく、主人公の成長を楽しみに読むだけです。
通常の大学とは大きく違う、防衛大学校の厳しさ
普通の大学も一生懸命勉強しようと思ったら決して楽ってことは無いとは思うんだけど、防衛大の場合は「大学に行きながらお金が貰える」って時点で普通の大学とは大きく異なるし、なにより「勉強以外にも学ぶことがある」という部分も大きな特徴です。
将来的に自衛隊の幹部になる人間を養成する目的もあるから、体力錬成に関してもめちゃくちゃ厳しいことが予想されます。ぶっちゃけ知り合いとか見てても普通の自衛官だと「こいつ本当に動けんのか?」って人を何人か知ってるけど、防衛大の人でそういう人って見たことないんですよね。
これは実際に自衛隊経験者とかなら共感できるだろうし、そういうのを全く知らないという人にとっては新鮮に感じるんじゃないかと思いました。一言でいうと軽いいじめみたいな感じに見えます。でも最終的には本心で「あの時、厳しく指導してくださってありがとうございました!」って涙を流す姿が想像できるから、特に大きな問題は無し。
連帯責任と同期との協力や助け合い
防衛大に入れるくらいですから、落ちこぼれとは言っても高いレベルなのは分かります。ただし優秀な人間が集まると、それはそれである程度上の人間が基準になったりするので、どうしても「足を引っ張る人間」が出てきてしまうっていうね。
ちょっとした部活漫画とかでもそうだけど、やっぱ「出来ない人間を見捨てない→一緒に困難を乗り越える」って展開は、どう考えたって熱いに決まってるじゃないですか?
団体行動をしていく中で、衝突もあるだろうし喧嘩もするでしょ。分かり切ってるけど、これで熱くならない読者はいないのでは?青春真っただ中って感じで序盤から面白いです。
あおざくら 防衛大学校物語 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
一部、読みやすいように配慮されているようですが、基本的には防衛大の内情を知ることが出来る漫画だと思って良さそうです。さすがに実際は指導の一環としてもやり過ぎている描写はカットになるだろうから、学生にやらせる腕立て伏せの数は逆盛りしてるだろうし、そもそも髪形も坊主が強制とかだと思うけど。
それでも最初は優しかった先輩が急に厳しくなったりとか、嫌がらせにも近いレベルの理不尽な指導なんかは自衛隊あるあるっぽいです。主人公に感情移入することにとって先輩や同期に腹を立てながらも、なんとか困難を乗り切って成長していく姿は面白くないわけがないと思います。
1巻の時点で厳しさや理不尽さは顔を覗かせているんで、今後ますます苛烈になっていくことは想像に容易いです。今は同期も良い奴しかいないけどそのうち衝突すんだろうなぁ。
防衛大や自衛官に興味がある人には鉄板。あとは知見を広げるという意味で勉強になる漫画を探している人、体育会系の熱い展開が好きだという人にもおすすめです。
あとがき
3歩以上は駆け足。