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「おやすみカラスまた来てね。」を読んだ感想・レビュー

おやすみカラスまた来てね。
Ⓒおやすみカラスまた来てね。

あなたにも行きつけのお店があるかと思います。お店の雰囲気が好きなんだとすれば、経営者が変わって行かなくなったお店なんかもあるのでは?

本作は先代マスターからバーを引き継いだ若者だめんずマスターの物語です。バーの経営、恋愛、色んな部分で足りない主人公がどう成長していくのか必見の価値あり!というわけで今回は、大人のドキドキや切なさ全開の恋愛劇「おやすみカラスまた来てね。(連載中)」を紹介します。

おやすみカラスまた来てね。のあらすじ

24歳、無職、ヒモ。十川善十は、ほぼ同棲状態だった彼女にフラれるも、その失意のなか訪れたバーで奇蹟の出会いを果たし…。最強にふがいない男子と、タイプも異なる女子たちとの恋愛劇(…が上手くいくように、善十よ頑張れ)。大人のドキドキ、そして切なさも保証します!!

おやすみカラスまた来てね。の見所をチェック!!

ニートからバーのマスターに

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Ⓒおやすみカラスまた来てね。

本作の主人公は無色だったんだけど失恋を機にバーのマスターになった二十代の男性です。ぶっちゃけ物語の導入部分、主人公がバーのマスターになるキッカケそのものはオカルトチックというかちょっと非現実的なモノになっているものの、内容はリアル寄りの恋愛漫画となっています。

いずれにしても運命めいているというか素敵なキッカケであることは間違いありません。そしてバーのマスターっていうのが大人の雰囲気を醸し出しているというか、青年漫画として連載されている意味としても大きいような気がしました。

ちなみにいくえみ綾氏は少女漫画でめちゃくちゃヒット飛ばしている漫画家さんです。僕は少女漫画や女性漫画の類にそこまで詳しくないんだけど、それでも名前は知ってるし「潔く柔く」や「プリンシパル」などは読んだことがあります。本作はそんないくえみ綾氏が青年漫画に連載している作品なので、ぜひとも注目です。

大人の憩いの場がどう変わっていくか

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Ⓒおやすみカラスまた来てね。

会社でも何でもそうですが、二代目に変わった瞬間にリピート客がいなくなるっていうことは珍しくも何ともないと思うんです。僕自身、気に入っていた服屋さんとか美容室で担当してくれていた人がいなくなった時に、もうそこに行かなくなるっていうことが結構ありました。

美容室は完全に技術的なものだから分かるとして服屋なんて置いてる服が変わったわけでもないし、バーに関しても出すお酒が変わったというわけではありません。でも本作においても「先代の時にお店を気に入っていた人たちが離れて行ってしまう」みたいなシーンが描かれているんですよね。

特にバーなんて憩いの場所だったりもするから、年齢層が高めの所に若い客が来るようになれば何かを思わずにはいられないだろうし、たったこれだけのシーンでも先代がいかに好かれていたかとか、飲食店を経営することの難しさが伝わってきたりします。

いくえみ綾氏 はこういう見せ方がめちゃくちゃ上手い!現実世界と一緒で言いにくいことは伏せるんだけど、読解力がない僕でも意味を理解できるっていう感じかな。こういう表現技法にも注目です。

どう転ぶか全く予想できない恋愛ドラマ

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Ⓒおやすみカラスまた来てね。

本作の恋愛部分で特筆すべきは「これだろ!」っていう鉄板キャラがいないことと言っても過言ではありません。普通の恋愛漫画や恋愛ドラマだと、ほとんどのケースで「こいつと結ばれるっていうのは分かるけど、そのプロセスがどうなるかを楽しむ」みたいな感じじゃないですか?

例えその予想が裏切られるような展開だったとしても大方二番人気に収まることがほとんどで、この場合は読者の間で賛否両論が巻き起こるっていうね。でも本作の場合、序盤時点では最終的にどうなるのかがまったく予想できません。

それっぽいキャラはいるんだけど、どれも決め手に欠けるというか…ぶっちゃけ「どう転んでも予想がつく」っていう感じかな。いずれにしても完璧な女性キャラばかりじゃなくて、一癖あるキャラ設定っていうのがマジで憎い。少女漫画のようなキラキラ展開でもないので、大人が読んで楽しめる恋愛漫画と言っていいでしょう。

おやすみカラスまた来てね。 1巻を読んだ感想・レビュー

本作の主人公はまさに「だめんず」という感じです。まずはこの主人公がどう変わっていくのかっていう部分が大きな見所になるはず。

そして経営を任されたバーの行く末も気になるところです。序盤時点では前途多難っていう感じがするけど、主人公の成長と共に少しずつ変わっていくだろうと思いました。

あとは恋愛面ですね。新たな恋に突き進むっていう展開もあるし、元カノとヨリを戻すって展開も十分に感じさせる導入なので、今後どうなっていくかが全く予想できません。なんなら第三の女の可能性すらある。

いずれにしても大人が読んで楽しめる恋愛漫画だと思うし、男性読者も楽しめる作風だと思います。ちょっとドロドロでもないけど大人向けの恋愛漫画が読みたいという人におすすめです。

あとがき

出会ったときは年下だった彼女が気付いたら年上になってたっていうパワーワードよ。