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「ギラギラ」を読んだ感想・レビュー

ギラギラ
Ⓒギラギラ

ホストっていうと長身でイケメンな若い男っていうイメージがあるんだけど、実際はそうでもないのかなぁって思ったり思わなかったり。銀座でナンバー1のホステスって、見た目も当然キレイなんだけどそれ以上に気配り・心配りが重要だっていうもんね。

そういう意味では本作に描かれているホストは、一般的な夜の世界のイメージには程遠く、ちょっと種類の違うカッコ良さを見せてくれると言っていいでしょう。というわけで今回は、元六本木の王がホストとして復活してからの物語「ギラギラ(全7巻完結済み)」を紹介します。

ギラギラのあらすじ

愛する女性の為にホスト界を去った元六本木の王・七瀬公平。子供にも恵まれ、マンションも購入し、全てがうまく進むはずだったが勤務先の保険会社から突然の解雇通告が!公平は家族の為、再びホスト界へと帰ってきた!!

ギラギラの見所をチェック!!

急にリストラされてしまったアラサーの男性が主人公

ギラギラ
Ⓒギラギラ

本作の主人公は元ホストのサラリーマンです。元ホストとは言ってもかなりの位置にいた人間のようで、サラリーマンとしての能力が低かったとも思いにくいんだけど、残念ながら学歴などを理由に不況の煽りを受けてしまったという流れ。

世の中的にはアラサーと言えばまだまだ若者の部類ではあるんでしょうが、会社によっては高卒平社員のアラサーは若くなかったりするのかな。いずれにしても若い人たちからすればオッサンの仲間入りには違いありません。

とは言っても家を持ったり、子供が生まれたりっていうのもこの年齢で経験する人が多いと思うので、小さい子供がいる主人公がどうやってこの窮地を脱するかっていうのが楽しみで仕方ないです。

かつて身を置いていたホストの世界に復帰

ギラギラ
Ⓒギラギラ

ぶっちゃけ社会人になって窮地に立たされた時、これまでの人生に厚みがあればあるほど有利です。学歴だって無いよりはあった方が断然有利だし、会社をクビになったときに「自分に何ができるか」っていうアピールポイントや実績を持っている人は強いと思います。

そして本作の主人公に残っていた武器っていうのが「ホスト」で、かつて本当にトップの位置にいた人物とのこと。僕はホストクラブに行ったことがないからアレだけど、やはり気配りとか上品さみたいなものが求められるんだろうなぁって思ってます。

今の奥さんと出会ったことを機に夜の世界を引退し、普通の会社勤めをすることになった主人公。その主人公が最後の手段という感じで、再び夜の世界に舞い戻ってきたという展開にはワクワク感しかありません。ブランクを乗り越えて再び輝かしい成果を出せるのかどうかに注目です。

家族に内緒にしている引け目やホスト界のトラブル

ギラギラ
Ⓒギラギラ

嫁がいて娘がいて…ってなると、自分がホストだって言える人ばかりではありません。そもそも主人公は今の奥さんと付き合うときにホストをやっていた過去を隠していたくらいなので、きっとそこは隠しておきたいプラトニックな部分なんだと思います。

そこに付け込んでくるライバルもいれば、客の取り合いで主人公を落としようとしてくる同業者もいて、更には主人公をヘッドハンティングしようとする者もいたりと、次から次へと巻き起こる展開に1mmも退屈しません。

行動の一つ一つに覚悟があって、まさにギラギラした世界を覗くことができるでしょう。かつて伝説だったホストとは言っても今やアラサーですから、腕っぷしでこられた時にどう対応するのかなどにも見所がたっぷりです。

ギラギラ 全7巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

良い意味でホストっぽい華やかさがないというか、すごく硬派なホスト物語という印象を受けました。僕はホストとかキャバクラとか夜のお店に行ったことがないんだけど、こういう世界ならハマってしまう人がいるのも分からなくもないです。何と言っても心遣いが素晴らしい。

でもホストの世界はそんなに甘くないとも思うので、一度やめて舞い戻った人間がすぐに過去の輝きを取り戻せるっていう部分は、ちょっと好き嫌いが分かれるんじゃないかと思います。個人的にはもうちょっと「あの頃よりも思い通りにいかない、おらワクワクすっぞ」みたいなシーンがあっても良かったんじゃないかと思いました。

主人公に待ち受ける様々な種類のトラブルについても闇雲に読者の気持ちを煽るタイプのじゃなく、胸糞悪くならずに済んだのは本作の良いポイントと言っていいでしょう。本作を読んで「ホストになりたい!」とは思わない種類の漫画だけど、主人公に対して男としてのカッコ良さが感じられる作品です。

あとがき

ホストとして輝けば輝くほど、高卒でサラリーマンってそんなに難しいのかってことになるけど。