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「グラゼニ」を読んだ感想・レビュー

グラゼニ表紙

 

日本人のプロ野球選手で年俸1億円に初めて到達した選手は、落合博満さんと言われています。それも三冠王を2回取ってようやくというレベル。当時と今とではお金の価値も変わっているとは言え、当時と比べると今の日本球界は景気が良さそうです。

そんな日本球界の年俸ですが、契約シーズンになると「推定」で報じられたりして、細かい金額の詳細や査定の仕方などはあまりオープンにされていません。そこに斬り込んでいる作品がこちらです。というわけで今回は、プロ野球選手の懐事情を描いた野球漫画「グラゼニ(全17巻完結済み)」を紹介します。

 

 

グラゼニ あらすじ

グラゼニ=“グラウンドには銭が埋まっている”!! 下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会・プロ野球。凡田夏之介(ぼんだ・なつのすけ)は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!

 

グラゼニの見所をチェック!!

主人公は左投げのリリーフ投手

グラゼニ1

 

野球漫画を描こうと思ったら、普通はエースピッチャーや強力スラッガーを主役に選ぶことが多いじゃないですか?投手に絞るのであれば、先発か抑えが相場です。先発なら「ゆくゆくはエースの座に就くであろう2~3番手ピッチャー」でもいいし、守護神的なストッパーも魅力的。

そういう選択肢がたくさんある中でも、本作の主役は中継ぎ投手。それも左のワンポイントで起用されることもあるという、非常に渋い設定が光る野球漫画です。

はっきり言ってプロ野球の選手になれるだけでも十分すごいし、しかも一軍の選手ですから野球人全体でみてもトップオブトップであることは間違いありません。しかし1億や2億稼いでいるというわけではなく、年俸が2000万円弱(高卒8年目)っていうのが見所です。

 

とにかく二言目には金勘定

グラゼニ2

 

まぁプロ野球選手に限らず、普通の会社員でも「隣の部署の同期がいくら貰ってるか」みたいなことは気になるのが普通だと思います。しかし現実ではお金の話は割とタブーな部類になっているので、おめおめと聞くことは叶わないでしょう。

しかしプロ野球選手の場合は推定年俸という形で公開され、しかもそれが野球名鑑などの本に載ったかと思ったら、その辺の本屋さんやコンビニで販売されているという…。よほど突き抜けた人ならともかく、この風習はなかなかエグいと思いませんか?

そして本作の主人公は、常に対戦するバッターが幾ら貰っているのかを瞬時に計算します。自分より格下の選手には強く、自分よりも遥かに格上の選手に対しても強い(開き直れるから)っていうのは、控え目に言ってもめちゃくちゃ面白いです。

 

プロ野球選手ならではの複雑な事情

グラゼニ3

 

プロ野球選手の評価って非常に難しいと思うんです。例えば先発投手にしたって「防御率は優秀なのに、なぜか勝てない」みたいな選手がいたりするし、そもそも中継ぎ投手は稼働日数の割に評価されにくいって事情があったりします。

そしてチーム事情によって大きく左右されることも珍しくありません。高校野球や大学野球で同期にあたる選手が、自分よりも成績が悪いのに給料が良いなんてことはザラにある世界です。チームとしての成績が上だからとか、そもそもお金持ちの球団だから等の理由で納得できるものでもないでしょう。

せめて自分の意志でその球団を選んだならまだしも、くじ引きで勝手に決められたチームで一生懸命頑張って成績を残しても、チームそのものが弱いという理由で給料が上がらなかったりする世界ですから。…そりゃ契約更改で揉めるわなっていう事情があけすけに描かれていて面白いです。

 

グラゼニを読んだ感想・レビュー

コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

プロ野球選手の懐事情を描いた漫画ということで、非常に斬新な設定だと思いました。そしてめちゃくちゃ面白いです。年俸2000万円って聞けば凄いように感じるけど、半分が税金で持っていかれて、しかもそれが一生続くわけじゃないし、下手すりゃ怪我してしまう可能性だってあるわけで…。

トップオブトップを見ていると華やかそうに見えるものの、1軍で活躍している選手でこれなんだからなぁという現実を見せつけられました。世の中の人が思っている以上に、プロ野球の世界は厳しいのかもしれません。

野球の描写も非常に面白くて、活躍できない選手がどうなるかや引退した選手の再就職などの部分にもスポットが当たっています。もしかすると主人公の年俸も1億円を超える日がきたりして。

 

コミックス全17巻を読んだ感想・レビュー

ネタ切れしないのかなぁと心配になりましたが、本来のプロ野球漫画としての描写でうまく乗り切ってくれました。シーズン中の活躍が査定にどう影響しているかが楽しめるので、ケガをして登板がなくても結果が気になるんだから、本当にうまいテーマを見つけたよなぁと感心してしまったくらいです。

普通に野球漫画としても面白いし、さらにお金事情についても知ることができるっていうことで、プロ野球ファンなら間違いなく楽しめる野球漫画だと思います。「ゆくゆくは主人公がFAという展開もあるのでは?」なんて思ってましたが、それ以上の期待に応えてくれた点についても大満足です。

ちなみに本作は第一部完みたいな感じで、続編として「グラゼニ~東京ドーム編~(全15巻完結済み)」へと続きます。

 

あとがき

夢があるような無いような。

 

 

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