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「サチのお寺ごはん」を読んだ感想・レビュー

 

これまでにも色々なグルメ漫画を読んできましたが、実に珍しいジャンルの食事に目を付けたなぁ…と感心してしまったのがコチラ。主人公の名前の掴みから一気に読者を惹き込み、その関心を精進料理に持っていくという、非常に面白いグルメ漫画です。

ラーメン食べて「うめぇー!!」はわかるけど、精進料理を食べてそんなリアクションできますか?たぶん美味しさの表現がハンパ無く難しいと思う。「じゃあなぜそれを選んだ」ってのは、たぶん作者の方に自信があったんでしょう。

というわけで今回は、精進料理にスポットを当てたグルメ漫画「サチのお寺ごはん(連載中)」を紹介します。

 

 

サチのお寺ごはん あらすじ

 

かつて「お麩」をジューシーと再現したグルメ漫画があっただろうか。「そら豆は枝豆になろうとは思っていない」というような、名言を生んだグルメ漫画があっただろうか。

本作は精進料理にスポットを当てたグルメ漫画である。コンビニご飯ばかりだったズボラ女子が、精進料理に目覚めた姿を描いたグルメ漫画と言ってもいい。

食べ物が充実することで、明るく前向きに過ごせるようになっていく主人公・サチの姿に、元気を貰う読者もたくさん出てくるだろう。お寺を舞台にしたグルメ・ラブストーリー、斬新な設定は唯一無二。とくとご覧あれ。

 

サチのお寺ごはんの見所をチェック!!

精進料理の数々に目から鱗

 

僕はどちらかというと、ジャンクフードを食べてニコニコしているタイプの人間なので、ぶっちゃけ精進料理というものにあまり魅力を感じていません。よく言えばヘルシーってことなんだろうけど、なんでもかんでもヘルシーって言いたがる世の中において、ヘルシーっていうのは「単にカロリーが低いもの」ってイメージも強いし。

正直言って、僕個人の意見としては「この作品は夜でも読めるグルメ漫画」と思っています。言葉を選ばずに言うなら、全くもって食欲が刺激されない。「なすの利休汁」とか「きのこのグリル海苔あえ」とか見せられても、別に食べたいって思わないんですよね。でも、そんな僕でも読みたくなってしまうような魅力が本作にはあります。

たぶんコンビニご飯ばかりで過ごしてきた主人公が自分で料理をするようになって、野菜とかそういう自然な食品に対する意識が変わった様子を見るのが楽しいんだと思う。そして「こういう精進料理もあるのか!」という発見も面白いんだと思う。

 

ダイエットに最適な精進レシピ

 

精進料理って肉を使わない料理ってイメージがあったけど、本作にはお肉を使った料理も出てきます(精進料理でも肉を使ったものがあるのか、それとも本作の主人公がそれを精進料理としていないのかはさて置き)。でも基本はローカロリーでヘルシーな食事です。塩分とか糖分とか気にしている人が食べたがるような食事がメインとなっています。

もちろんその中には「肉っぽい食材」を使って、さもお肉を食べているような感覚にさせてくれる料理も登場します。豆腐ステーキってあるじゃないですか?あんな感じの。

 

僕からしたら「お肉みたーい!」って言うような食事を食べて感動するくらいなら「じゃあ肉食えよ」って思うけど、健康に気を遣っている人とかダイエットに励んでいる人からすれば「食べたいけど、食べられない…」という人もいるわけで。そう考えた時に、本作の随所に見られるアイディアは、すごく参考になるんじゃないかと思います。

ダイエットに挑戦している人、健康診断の結果が気になる人なんかは、本作に出てくるレシピを参考にしてみてもいいのでは?ちなみにレシピもしっかり紹介してくれているので、簡単にマネできるようになってますよ。

 

住職の言葉の重みがハンパ無い

 

本作は「グルメ・ラブストーリー」って言われているだけあって、グルメ要素だけが魅力の漫画ではありません。何と言っても住職の言葉の重さと言ったらないです。すっげー心に響いてきます。

本作の主人公は、どこにでも居そうなOLとなっているので、会社内のしがらみに巻き込まれることもあれば、女性特有の愚痴だったり陰口だったりという問題にぶち当たることも少なくありません。

そんな時に住職が教えを説いてくれるのですが、本当に「この作者の人はこういう場所に取材に行ったんじゃないか!?」と思わされるくらいの説得力なんです。それを素直に受け止め、自分の物とできる主人公の人柄の良さも魅力的だし、なんか読んでいて心が現れる感じって言うのかな。僕は、この瞬間が好きですね。

 

サチのお寺ごはん コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

精進料理をテーマにしているというだけあって、やっぱ読み手には賛否両論あるんじゃないかと思います。少なくとも僕は本作に出てくる料理に関して「よだれが出るほど美味しそう」と思ったことは1度もないですし…。

で、始まりもナンパな感じで物語がスタートを切るので「おいおい、精進料理の漫画でこんな感じのスタートかよ」って部分が、正直「雑」に感じてしまった部分は否定できません。

 

寺に出入りするような奴が「たまたまコンビニで会った女性の買い物かごを物色して、話しかけるか!?」的な。僕は最初こそそういう不満はあったけど、物語が進むに連れてそんなの忘れて楽しめています。

あとは何と言っても「ダイエットをしている人」とか「普段から食事に気を遣っている人」が読んだら、レシピを含めてすごく楽しめるんじゃないかと思う。材料を見ただけでも健康に良さそうな食材を使った料理ですし、これを食べてりゃ太るってこともないでしょう。精進料理って偉大。

 

あとがき

これを読むと、いかに自分の食生活が乱れているかを思い知らされる…。

 

 

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