シュールとは…
- シュルレアリスムの略 – フランスの詩人アンドレ・ブルトンが提唱した思想活動。
- 「ナンセンス」「不条理」であるという意味の俗語。
だそうです。…よくわからないですね。個人的には「人によってはユーモアと感じるような、ちょっと分かりにくくて奇抜なもの」みたいなことではないかなぁと。
そこで今回は、そんなシュールを愛してやまない人に「面白くておすすめのシュールなギャグ漫画」を紹介します。
女の園の星
女子高で国語の教師をやっている男の日常生活を描いた作品で、とにかくジワジワと来るタイプのシュールな笑いが最高です。表紙を見た感じでは想像がつかないくらい、すごく笑わされること必至。
女子高あるあるというか学校あるあるが溢れていて、心地良いノリが連続します。例えば学級日誌で「絵でしりとり」みたいな展開があったら、実際にやられたらちょっと嫌だって思う人もいると思うんだけど、これを眺めている分にはめちゃくちゃ面白い!
個人的にはシュールって「一部にウケるタイプの笑いで、万人には受けにくい」っていう印象があったものの、これは万人に受け入れられやすいシュールと言っていいのではないかと思います。というか、これはシュールなのかっていう説もあるけど。
極主夫道
タイトルからも一瞬で分かるように「もしもヤクザが専業主夫だったらー」的な漫画で、お笑い芸人さんが展開するコントさながらの笑いが詰まっている日常漫画です。
シュールと呼ぶほど独特な笑いではなく、笑い自体は非常にわかりやすくて素直に笑えるものばかりなんだけど、これといったツッコミキャラがいなかったり、突っ込むのも憚られるような空気感がめちゃくちゃシュール。
ヤクザあるあるみたいなものも笑えるポイントになっていて、セリフは暴力的なのに行動は愛にあふれてるっていうギャップも魅力的です。
能面女子の花子さん
能面を常に身に付けている女子高生の話。一見すると変人だけど、能面を付けてるってこと以外は礼儀作法もしっかりしてるし、成績も優秀な大和撫子という印象。能面ということで表情はそんなに変化していないにも関わらず、感情を巧みに表現しているところはすごいと思います。
生徒の間では「頭が良くて外見もいいから、やっかみを受けないためにお面を付けてる」という説もあるようで、どんなお顔をしているか拝見したい。…いや、したくない。
エスパーおじさん
おじさんが超能力を使う日常生活を描いた4コマ漫画。能力自体はすごいし、私利私欲のために使ってると言えばそうなんだけど、それに対して一切嫉妬する気が起きないというか終始ほのぼのしているのが本作の魅力です。
遠く離れた人にテレパシーを送ったり、物を浮かせたり…。もっと有意義な使い方が絶対にあるはずなのに、使用法が「2階にいる子供にご飯の合図」とか「離れたごみ箱にごみを捨てる」っていう程度なのがなんとも。
自分なら真っ先に金儲けに走ってしまいそうなんだけど、そういうことに能力を使用しないっていうのが良き。禿げてるけどめちゃくちゃ可愛いおじさんなんだよね、禿げてるけど。
ピューと吹く!ジャガー(全20巻)
随分と王道に寄せられているシュール作品という感じで、シュールさを残しつつも多くの人が楽しめる作風に仕上がっているのが本作。個人的にはking of シュール。ギャグ漫画は好き嫌いがハッキリ出るジャンルだと思うんだけど、ジャガーは比較的多くの人が楽しめる不思議世界じゃないかと。
シュールなギャグ漫画を探し求めて、このページに辿り着くような人がジャガーを押さえていないわけはないとは思いつつ、もし読んだことが無い人はぜひ。
セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん(全7巻)
小さい頃に読んで「これの何が面白いんだろう…」って思ってたけど、大人になってから読んだら理解できました。意味を理解しようとしているうちはダメなんだと…(←なんだそれ)。
個人的には、少年漫画じゃなくて青年漫画にした方がいいんじゃないかと思う。それくらい内容は深い。うすた京介氏といえば「ジャガー派かマサルさん派か」で論争が起きるくらい、ファンの間では支持されているギャグ漫画です。
坂本ですが?(全4巻)
シュールなギャグ漫画って言ったら絵が汚いというか、絵があまり上手くないのが相場なんだけど、本作はメチャクチャ上手い。そして線が細かい。
超が付くほどクールな坂本君の学校生活にスポットが当てられていて、坂本君にかかったら不良たちも健康優良不良少年に。女性目線で見たらちょっと萌え要素もあるのかな。この坂本君は、男の僕から見てもカッコイイと思います。
ミギとダリ(全7巻)
養子として里親の元に来た少年が、双子であることを隠して一人の人間として生きていく様子を描いた作品。「坂本ですが?」を描いた作者さんの作品です。
シュールな空気感は出まくってるけど、ギャグ漫画路線なのかどうなのかって部分は謎。所々に坂本くんっぽい描写も出てくるし、これからどんどんシュールな笑いが出てくるんじゃないかと思わずにはいられません。序盤の期待感のまま、最後まで走ってくれるシュール系ギャグ漫画です。
ラブラブエイリアン(全4巻)
女性専用アパートに落ちてきた宇宙人たちと、そこに住んでいる女性が繰り広げるショートコメディー作品。女子トークの毒づき方がリアルで、とにかくキレッキレ。絵も可愛らしさと力強さを兼ね備えたタッチで、セリフも多く非常に見応えがあります。
何が面白いって、登場する人物の中で1番まともなのが宇宙人なんじゃないかってとこですね。ちなみに本作の宇宙人はナサに電話されるのを極端に嫌がってるみたいなんだけど、ナサの電話番号って…?
江戸モアゼル(全3巻)
江戸時代から平成の世にタイムスリップしてきた女郎が主人公の物語。目に映るものすべてが新鮮な中で、都合の良い部分だけはしっかり現代に適応しているという面白さがたまりません。コンビニを理解しているのにガラケーを見て「札」はないでしょ。
夜になって部屋の電気を付けたときに「部屋の中だけ昼になった!」という感じの笑いが多く、そのすべてが現代では当たり前のことなので共感できるという点も見所です。
男子高校生とふれあう方法(全1巻)
「性別が逆だったら、有害図書指定されてるんじゃないか?」と思うくらい、結構過激な内容。とにかく男子高校生とふれあうことを願う、DKO(男子高校生女)の姿が描かれています。
実際にこんな人いたらって考えると怖いし、冗談にしたって怖い。真面目に受け捉えすぎると「気持ち悪い」って思うだろうけど、この狂気が魅力。世の中はJKモノで溢れてるんだから、こういう逆の発想もアリなのでは?
続編として「男子高校生とふれあう方法 もっと!」「男子高校生とふれあう方法 フォーエバー」と続きます。
物男(全3巻)
自らの身体を駆使して、家具などのインテリアに化ける特殊肉体労働者を「物男」と呼び、ある時はラブホテルのベッド、そしてある時は消防隊員に使われる梯子として大活躍します。
基本的には3割が下ネタ、残りがくだらなさで構成されていると言っても過言ではなく、突っ込み所しかないのにそれらをスルーし続けるって感じ。個人的には面白いとは思わなかったけど、シュールってこういうことでしょ?…たぶん。
カラダ電気店(全1巻)
人間がありとあらゆる電化製品として活躍する様子を描いたギャグ漫画。今なんか色んな機械がデジタル化されてAIやら人工知能がどうのと言っているのに、ここの電気店の製品は超アナログ。全自動ってお腹に書いたオッサンが手動で洗濯するからね。
でも最終的にちょっと感動する話に持って行ったり、言葉遊びと言うか「誰が上手いこと言えと」って突っ込みたくなる感じは本作ならでは。大喜利とか落語が好きな人にもおすすめしたいです。
あとがき
「シュールって何?」って真面目な顔して聞かれたら、説明すんの難しくね?