幼少の頃、実家の本棚になぜかこれの一巻だけがあって、何回も読んだのを覚えています。大人になってから懐かしさのあまり電子書籍で買い揃えたけど、まさか全二巻構成だったとは…。親父、上下巻くらいは買い揃えておいてくれよ。
本作は辛いときに読むと元気がもらえるレベルのギャグ漫画と言っていいでしょう。というわけで今回は、下ネタ満載の医療系ギャグ漫画「ターヘルアナ富子(全2巻完結済み)」を紹介します。
ターヘルアナ富子のあらすじ
【富子の日常はトラブルだらけ!!】町医者の娘で、仕事を手伝ううちに高校生ながら父以上の手術の腕を身につけた亀田富子。お寺の息子にも関わらず、空手の達人で喧嘩っ早い天童空也。そんな2人は、生まれた頃からお隣同士の幼馴染みの同級生。立場はまったく違うが、それぞれにちょっとアブない2人が巻き起こす騒動を描く。異色の医療系ギャグ、第1巻
ターヘルアナ富子の見所をチェック!!
下ネタ多めの医療系ギャグ漫画
タイトルの時点で分かると思うんだけど本作は「解体新書(ターヘル・アナトミア)」から着想を得た作品で、富子っていう名前の女の子が活躍するギャグ・コメディー漫画です。医療と下ネタっていうスレスレのラインで、かなり手数の多いギャグが登場しています。
作者は「狂四郎2030」や「ジャングルの王者ターちゃん」で有名な徳弘正也氏。ぶっちゃけこれらの代表作とほぼ同じようなテイストの作品で、登場人物が医者とか坊主とか割と死に密接な人物になっているだけの漫画なんだけど、これが想像以上に面白いです。
ターちゃんみたいなシリアスなシーンは少なめで、どっちかって言うと全2巻ずっと笑いっぱなしっていうイメージがあるので、サクッと読める下ネタ多めのギャグ漫画が読みたいならおすすめします。
ちょっとだけ不謹慎なラインの笑い
ヤブ医者の娘が主人公でその幼馴染に坊主がいるっていう設定なんで、割と人の死に近い部分のギャグが多いです。最近はちょっとしたことで炎上しちゃうような世の中になったからアレだけど、これは今はもう少年ジャンプで連載するのは不可能だと思います。
手術しといて「また開くかもしれないから」って言って、縫合しないでファスナーを付けるような世界観の漫画ですから、倫理観と笑いがスレスレのラインで展開されるんですよね。ちょっと手の届かないところを補うために患者の腕を切断したりもするので、こういうで笑える人の気が知れないっていう読者も出てくるのではないかと。
あとは「病院で死亡者が出る→幼馴染の坊主に仕事ができる→坊主が喜ぶ」みたいな展開もあるので、マジで不謹慎な展開が多いから注意が必要です。個人的にはくだらない笑いとして受け取ったけど、これを嫌う人がいても驚きません。
ギャグの中でも大暴れのバトルシーン
本作はギャグの中にもバトルシーンなんかがあって、主人公もメスとか手術道具を使って戦うシーンが用意されてるんだけど、バトルのメインは幼馴染の坊主です。見てよこの筋肉、カッチカチ…おっと誰か来たようだ。
ターちゃんの時も下ネタとバトルの融合が見事でした。そして本作にはシリアスな場面が少なく、バトルシーンでも笑いを忘れないような感じで描かれています。坊主が寺の鐘を盾にヤクザとドンパチやるなんて、どうやったら思いつくんだろう…。
あ、でも主人公が戦うときはメスを使うということもあって、脳やら筋肉の断面図が頻繁に登場するんですよね。これ、意外とリアリティがあって個人的にはグロ注意に二歩手前くらいじゃないかと思っているので、そういうシーンが苦手な人は試し読みとかした方がいいかも。
ターヘルアナ富子 全2巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
サクッと読めてぶれずに展開されるギャグ漫画なので、個人的にはかなり好きな部類の作品です。本作を面白いと感じられるなら、徳弘正也氏の作品は全部楽しめるといっても過言ではありません。
医療と下ネタがギリギリのラインだし、死の概念をギャグにするっていうのが不謹慎な気がしないでもないけど、かなり攻め込んでいて個人的にはかなり好きです。
今読むにしては絵の古臭さとかネタの古さがちょっと気になる部分もあるけど、それが些細なことに感じるくらいの医療系ギャグ漫画と言っていいでしょう。下ネタありきのギャグ漫画が読みたい人、サクッと笑いたい人におすすめです。
あとがき
オペしましょ!