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「ドンケツ」を読んだ感想・レビュー

ドンケツ表紙

 

僕は田舎で暮らしていて、ヤクザが実在するのかどうか怪しいと感じているくらいの距離感なので、ほんのちょっとだけ憧れみたいな部分があります。

決して許される存在ではないんだろうし、実際に被害に遭ってる人からすればフザけんなよって感じだろうけど、僕はVシネマでヤクザ映画を見て心が躍るし、ヤクザ漫画は不良漫画の延長にあると言っても過言ではありません。

では、至高のヤクザ漫画と言えば…?というわけで今回は、武闘派ヤクザの暴れっぷりが気持ち良いヤクザ漫画「ドンケツ(全28巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ドンケツ あらすじ

20年前、敵対する組事務所にロケットランチャーをぶちこみ、以来「ロケマサ」とよばれるならず者、沢田マサトシ。九州小倉を舞台にロケマサが暴れまくる!

 

ドンケツの見所をチェック!!

ケンカ最強の武闘派構成員が主人公

ドンケツ1

 

本作はヤクザ漫画ではあるんですが、どっちかって言うと不良漫画やヤンキー漫画の延長に近いような気がします。主人公はケンカ最強のヤクザで、40を過ぎたオッサンです(でもケンカは最強)。ヤクザにも色々な種類があって、それこそインテリヤクザと言われているシノギに特化したヤクザもいるようですが、やっぱ漫画や動画で見て楽しめるのは武闘派ではないかと。

本作の主人公であるロケマサは、組長でも若頭でもありません。ただただ喧嘩が強い構成員です。見るからに単細胞な雰囲気が感じ取れるかと思いますが、理不尽で嫌われ者の一面がありながらも、その強さゆえにカリスマ性があり、自然と仲間が集まってくる人望も兼ね備えています。

ヤクザでありながら上下関係を重んじない部分など型破りな部分が多く、任侠という雰囲気こそないものの、まるで近隣の高校を1つずつ征服していくヤンキーの上位互換のようなワクワク感が最高です。

 

ロケマサの強さに惹かれる仲間たち

ドンケツ2

 

典型的な「昨日の敵は今日の友」という感じで、かつて敵対していた相手もそうだし、ロケマサによって理不尽な目に遭った人間もそうですが、ロケマサの強さに魅せられて仲間になる人間は少なくありません。

時と場合によっては、立場が上の者にも牙を剥いたり滅茶苦茶やっている極道の風上にも置けない人物が、ただ一点「喧嘩が強い」という腕っぷし一本で活躍していく様子は、見ていて非常に心地良いです。

ヤクザの世界では仁義を重んじると言いますが、かつての敵が借りを返すために動いてくれたり、損得勘定で動かない人物がいたり…。男なら熱くさせられる人間関係が楽しめるのも本作の魅力と言っていいでしょう。

 

ヤクザの世界の権力争い

ドンケツ3

 

ヤンキー漫画における番長と違って、ヤクザの世界でのし上がっていくには腕っぷしの強さだけではのし上がっていけません。金を稼ぐ能力なんかもそうだし、何よりも「人望があるかどうか」が大きいような気がします。

人によっては部下の不始末を認めない奴もいるし、何が何でも部下を守るという漢気に溢れた組長もいるわけで…。同じ組の一派でも気が合わない奴もいれば、最初は大嫌いだったけど一戦交えてから気が合うようになったという奴もいます。

この辺はヤンキー漫画にはない勢力図というか、ヤクザ漫画としての面白い部分と言えるのではないかと。ケジメの取り方とか、組織の中での鉄の掟のようなものを見せつけられて熱くなります。

 

現実離れした強さだけど冷めずにいられる絶妙なライン

ドンケツ4

 

いくら喧嘩最強と言っても、100 vs 1でも勝ってしまうというレベルになればそれはもう別物です。しかし本作は、割と実力が拮抗するほど強いライバルも出てきますし、さすがにマシンガン相手に勝てるようなパワーバランスにはなっていません。

そして「どんなに喧嘩が強くても銃には勝てない」となってしまうと、それはそれで寂しいじゃないですか?この辺がめちゃくちゃ上手く描かれています。ヤクザの抗争ですから刃物や銃もガンガン出てくるわけで、「いくら銃が強いと言っても撃つのにも勇気がいるし、それに銃を撃ったことない人間が遠距離から一発で仕留められるわけがない」みたいな部分もちゃんとしていると思いました。

少数精鋭という言葉がピッタリの主人公一派には、常に逆境を跳ね返す勢いを感じます。漫画なので現実離れしてる感はありますが、1人で100人倒すとかそういう種類ではなく、あまりに俺TUEEEだと逆に冷めるという読者でも楽しめるはず。

 

ドンケツ コミックス全巻を読んだ感想・レビュー

アクション寄りのヤクザ漫画で、裏でゴチョゴチョする駆け引きが面倒になって拳で語るという感じの作風でした。最初から最後まで抗争のシーンが多く、見ていて飽きる気配がありません。

そして極道組織ならではの権力争いだったり、水面下で担がれて勘違いする小者がいたりなど、リアルな世界の極道にも見て取れる「一枚岩になることの難しさ」みたいなものも感じられると思います。

個人的にはもっとヤクザの細かい部分(警察との駆け引きや条例をかいくぐってのシノギの方法)にスポットを当てた作品でも面白かったと思いますが、ここまで武闘派要素に振り切っているなら、これはこれでアリ!

良くも悪くもヤンキー漫画の延長という感じだけど、腕っぷしの強さに憧れない男はいないでしょ。圧倒的な強さ、熱い友情(仲間意識)みたいな展開が好きな人には文句なしにおすすめです。

 

あとがき

立場はドンケツでも腕っぷしの強さはテッペン。

 

 

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