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「ロマンチック-山本崇一朗(裏)短編集-」を読んだ感想・レビュー

ロマンチック表紙

 

ロマンチックっていうタイトルだから、さぞキュンキュンさせてくれんだろうなーって思ってたら、もはや恋愛漫画でも何でもなかったっていうね。短編集だから色んな物語が入ってるのは分かってたけど、まさかロマンチックという物語すらロマンチックじゃありませんでした。

だからと言って酷評なんかしないし、むしろ面白かったとすら思ってます。というわけで今回は、良い意味で裏切りの展開が多い短編集「ロマンチック-山本崇一朗(裏)短編集-(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

ロマンチック あらすじ

山本崇一朗、禁断の秘蔵作品集。累計300万部突破の大人気ラブコメ「からかい上手の高木さん」。著者・山本崇一朗の短編集がついに登場!

ゲッサン他で発表したヒロインたちを集めた「恋文」未公開作品を含む秘蔵の読切を集めた「ロマンチック」2冊同時発売!!

 

  1. ロマンチック
  2. この夏
  3. 歯は上に投げるもの
  4. ボクらの友情戦記
  5. スズキと大山
  6. ボクとボクの兄貴

以上の6編が収録された短編集です。作者の山本崇一朗氏は「からかい上手の高木さん」などが有名。

本作と同時に発売された「恋文」も、本作と一風変わったタイプの短編集となっているので、山本氏の絵のタッチが好きな人におすすめです。

 

ロマンチックの見所をチェック!!

ロマンチック

ロマンチック1

 

この短編集の表題にもなっているロマンチックですが、個人的には「なんでこのエピソードが!?」と思いました。もちろんこれがつまらなかったという意味ではなく、他にももっと表題になり得るエピソードがたくさんあったのにもかかわらず、という意味です。

どうやら本エピソードは山本氏が初めてネームが通った作品とのこと。簡単に紹介すると「私生活が上手くいかなくて死のうとしてたら、同じアパートの奴がうるさいから文句を言いに行く」っていうところから始まる物語です。

作風としては読者が想像するようなロマンチックさは皆無なんだけど、これも一種のロマンチックというオチの付け方は見事だと思います。一種の照れ隠しみたいなものが感じられて、名実ともに初々しさが感じられるでしょう。

 

ボクらの友情戦記

ロマンチック2

 

仲良し小学生三人組が成績が悪いことを理由に塾に行かされることになり、その塾に行きたくないっていうんで右往左往する物語。この短編集に収録されている物語はどれも好きだったけど、しいて挙げるなら僕の中ではこれが好きです。

子供ながらに一生懸命考えた「塾に行かない作戦」みたいなのも微笑ましいし、似たようなことをした人が読者にも大勢いるんじゃないかと思うんだけど、そういう人なら懐かしさみたいなものも感じられるはず。

塾へ行くっていうただそれだけのことで、喧嘩したりくっ付いたりする三人組の単純さにも注目。子供って単純なんだけど、それが良いって思える素敵なエピソードでした。

 

ロマンチックを読んだ感想・レビュー

作者の山本氏といえば「からかい上手の高木さん」とか「それでも歩は寄せてくる」みたいなラブコメに定評がある漫画家さんですが、この短編集に関してはラブコメ要素はおろか恋愛要素も薄く、どちらかと言えば子供エピソードが多め。

でもどれも読みやすいし、子供が主人公ならではの平和さみたいなものが光っていると思いました。特に「ボクとボクの兄貴」っていう双子の物語は、めちゃくちゃ平和でこれ以上ないくらいの兄弟愛と言えるでしょう。

トータル的に面白い短編集だと思います。表題がロマンチックなんで勘違いしやすいんだけど、山本氏ならではのラブコメチックな展開を求めている人は注意が必要です。

 

あとがき

これはこれでロマンチックだなと思った。

 

 

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