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「五時間目の戦争」を読んだ感想・レビュー

 

ちょっともの悲し気な空気感を纏っている作品が好きです。それでいて絵も可愛らしければ最高!!

本作はとにかく絵が可愛らしい!それはコミックス1巻のジャケットを見た段階で多くの人が気付くだろうけど、読んでみるとその中身のもの悲し気な感じが何とも言えません。

ということで今回は、まさに僕が求めていたような作品「五時間目の戦争(全4巻完結済み)」を紹介します。

 

 

五時間目の戦争 あらすじ

 

離島の青島を舞台に繰り広げられる、未知の存在との戦争を描いた作品。主な登場人物は中学生で、若いながらにも戦争の前線部隊へと駆り出されていく凄惨な様子が描かれている。

タイトルは、授業の一環として「戦争」が設けられていることに起因しており、戦争がかなり身近なものとして認識されている世界観と言っていい。ただし銃を乱射したり、ナイフで切り付けたりなどの残酷な場面は少なく、あくまで本筋は人間ドラマに重きを置いたファンタジーと呼ぶべきだろう。

 

五時間目の戦争の登場人物

双海 朔

 

本作の主人公。陸上が得意で体力には自信を持っている。熱い性格で、正義感も強い。

ワケあって戦争には参加できないが、篠川の代わりに戦争へ行き、彼女を守りたいと考えている。

 

篠川 零名

 

東京から疎開してきた転校生。

最初は尖った姿勢を見せるも、徐々に態度が柔らかくなり、朔に元彼の姿を見る。

 

安居島 都

 

朔の幼馴染。朔と一緒で出兵不適合者に認定され、彼女もまた戦争に行くことはない。

料理が得意で、自身の家族や朔、戦争から帰還した仲間たちに料理を作るなど、家庭的な一面を持っている。

 

喜多山 ショウ

 

朔の親友。安居島に想いを寄せている。

 

五時間目の戦争の見所をチェック!!

出動要請のない主人公&ヒロイン

 

学校×戦争という設定の場合、オーソドックスなのは「主人公とヒロインが離れ離れになってしまうパターン」なんじゃないかと思うんだけど、そういう意味でも本作は異色。なんと主人公とヒロインは戦争に行かなくてもいいという設定。

まぁ安居島をヒロインとするか、それとも篠川をヒロインとするかは微妙だけど、戦争をテーマにした作品なのに、主要キャラ2名が戦争に参戦しないってのは斬新だと思いました。で、ここの伏線がしっかりと利いていて、最後に回収されるところは間違いなく大きな見所です。

 

芽生える恋心

 

中学生モノである以上、やっぱ恋愛は付き物。ここでの「安居島派?それとも篠川派?」論争は、エヴァの綾波vsアスカみたいな感じを思わせます(ちょっと違う気がしないでもないけど)。

僕としては幼馴染という設定が、まるでドラクエ5のビアンカを思わせるという部分もあってか「朔が篠川に揺らぐんであれば、それ相応の根拠を示して欲しかった!」って気持ちが無くもない。

あと結末のコレじゃない感も結構あったかも。もうちょっと丁寧にというか掘り下げて描かれていたら、今以上に感情移入もして良い意味で感情が爆発したんじゃないかと。

 

正体不明の戦争の相手

 

本作で描かれている戦争は「A国とB国の戦争」というものではなく、正体不明の何かと戦うという設定。これがなかなか面白い!

空に「蜘蛛の糸」と呼ばれる光の柱みたいなのが出ていたり、知恵の輪みたいなものが浮遊しているあたりは、ままでエヴァかと思った。でも真相が見えてくると完全オリジナルの面白い設定だと気付くはず。

最後はちょっと駆け足感があったけど、ちゃんと伏線も回収されてるし、割と読者が納得できる正体だったんじゃないかと思います。少なくともエヴァよりは。

 

残酷さと安心感のコントラスト

 

戦争をテーマにしている以上、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、物語自体はかなり暗く仕上がっていて、グロシーンの連続とはいかないまでも生々しい場面も少なくないです。

でも絵の可愛らしさとか安居島が作る手料理とか、ほっこりする場面も多く用意されていてその落差も魅力の1つ。「どんなに窮地でも、食欲が満たされる時って幸せだよなぁ」って思わされます。

戦争は不幸しか生まないけど、戦争をした経験から何かを学べるならこれ以上ない財産になるっていう感じ?平和ボケしているなら、きっと何かを思わずにはいられないはず。

 

五時間目の戦争 全4巻を読んだ感想・レビュー

 

まず絵の可愛らしさに惹かれてジャケ買いしたんだけど、物語も綺麗にまとまってるし、普通に面白い作品だと思いました。だけどkindleのレビュー見たら辛口意見が多かったんですよね。

確かに「戦闘訓練も受けていない中学生が、戦力となり得るのか?」とか言い出したら、そりゃそうだけど以外の言葉が浮かばないっていう…。でも、こっち側の脳内補完で十分に対応可能なレベルだと思う。

 

僕の中で残念だったのは、せっかく良い世界観を持っていて絵も綺麗な作品なのに、説明不足な点が多いというか、最初から最後まで(特に第4巻の真相部分)ずっと駆け足な点です。

「なぜ朔が篠川を好きになったのか」はあやふやにして欲しくないし、あとはあんまり声を大にして言うことじゃないけど、喜多山を派手に爆死させる方向もあったんじゃないかと(それをやったらやったで、ありがちになるような気もしなくもない)。

面白いが故に惜しいと言わざるを得ない点は確かにあるけど、次回作に期待させられるポテンシャルを秘めた作品だと思います。

 

あとがき

5時間目の授業って基本的に嫌いだったけど、戦争とかサボり案件だわ。勉強してないテストよりも、絶望感がハンパ無い。

 

 

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