女子の気持ちを代弁するかのような少女漫画を描いている作者が、初恋もまだの男子高校生だったとしたらその衝撃ったらないです。まるでサラリーマン川柳の金賞受賞者がニートだったみたいなことじゃないですか？
本作はそんな破壊力抜群の設定を持っていて、キレッキレなギャグを連発する4コマ漫画です。というわけで今回は、男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常「月刊少女野崎くん(連載中)」を紹介します。
月刊少女野崎くんのあらすじ
無骨な男子高校生「野崎梅太郎」。彼に恋をした女子高生「佐倉千代」は勇気を振り絞って告白するものの、何故か恋人ではなく少女漫画家のアシスタントになったのでした…。男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常を描く、少女漫画家男子コメディー!!
月刊少女野崎くんの見所をチェック!!
片想いの相手が少女漫画家
好きな男子に「ファンです！」って告白をしたらサインをくれて、蓋を開けてみたら彼は少女漫画家だったっていうスタートを切る日常コメディーです。しかも話の成り行きで気付いたらアシスタントになってるから面白い。
男子高校生で初恋もまだという野崎君が、まるで女子の気持ちを代弁するかのような少女漫画を描いているっていう設定には色々と考えさせられてしまいます。まぁでも女子の気持ちを代弁すると言われていた有名な歌手の方で、支持されるように戦略的にアンケートとかで詩を書いていたみたいなことありましたよね？
世の中ってきっとそんなんだらけなんだろうけど、さすがに自分が好きな男子が自分の好きな少女漫画家とリンクするところまではいいとして、デリカシーの無いことを言っている彼を実際に見てしまうと何か変な感情が生まれそうな気がします。
本作にはそういう「何とも言えない気持ちになる瞬間」っていうのが結構あって、思わずニヤニヤさせられてしまうシーンが満載です。日常に溢れている多くの笑いに見所がたっぷりの4コマ漫画と言えるでしょう。
漫画家あるあるが豊富
本作の主人公でもある野崎くんはれっきとした少女漫画家なので、漫画家あるあるみたいなことが豊富に出てきます。普通あるあるって似たような経験をしていないと笑えないことが多いんだけど、本作のそれはどっかで見聞きしたことがある漫画家のそれなので、多くの人が笑える要素になっていると言えるでしょう。
特に「今までだったら分からなかったけど今なら分かる」みたいな展開が、主人公二人の距離が縮まっている感みたいなのを表していて、ギャグの中にもちゃんと恋愛要素が絡んでいるんですよね。まぁ恋愛対象として距離が縮まっているかどうかはまた話が変わってくるけど。
確かに男子高校生が湿布だらけで投稿してきたら、喧嘩してケガしたとか思っちゃうでしょ。これが漫画家だって言うのが分かってたら、そこまで心配しないだろうし。いや、逆に心配になるかも。
月刊少女野崎くん 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
4コマなのでコンスタントに笑いがきて退屈しません。男子高校生なのに少女漫画家っていう設定も面白いし、普段の野崎くんの姿とのギャップがまた面白い。
登場キャラクターの個性も立っていて、この物語にアクセントを付けてくれているという感じです。僕なんかはあまり色んなキャラが出てくると名前を覚えられなかったりするんだけど、本作の場合は全く問題なさそう。たぶんそれだけ登場キャラが魅力的なんだろうなと思いました。
漫画が好きな人とか少しオタク気質のある人なら間違いなく楽しめる4コマ漫画です。4コマ漫画ってたまに落ち切れていない時とか面白くない時も目立つけど、本作にそういうのはなかったので4コマがあまり好きじゃないという人にもおすすめします。
あとがき
「ファンです」っていう告白は悪手じゃろ。
