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「告白~コンフェッション~」を読んだ感想・レビュー

 

サスペンス作品って、緻密に伏線を張ったりすることもあって、真相に到達するまでにちょっとは時間が欲しいと思うんです。

まさか全1巻で起承転結すべてを詰め込んで、読者が満足するようなクオリティになるとは…。初めて読んだのがもう何年も前のことだからアレだけど、すごい衝撃を覚えたってことは覚えてます。

というわけで今回は、かわぐちかいじ×福本伸行の緊張感あふれる密室サスペンス「告白~コンフェッション~(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

告白~コンフェッション~ あらすじ

 

元山岳部のメンバーで2年に1度、山に登るのが恒例行事となっていた。今回も何名かで登る予定であったが、都合が合わない者が続出し、今回は2人で登ることとなった浅井と石倉。

登っている道中、不慮の事故が起こったりブリザードに見舞われたりし、足に怪我を負った石倉は自分が助からないのではないかと思い始めていた。

そして、生きる希望が薄れてきた時、後悔の念から5年前に起こった事故が自分の殺人であったことを告白し始める…。

 

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冥土の土産を普通に貰ってしまったような感じ

 

ちょっと僕が人を殺したことがないからアレなんだけど、誰にも言えずにずっと自分の中にしまい込んでた秘密って、重圧として自分にのしかかっているのかもしれないです。もう自分は生きられないと悟って、冥土の土産じゃないけど懺悔する気持ちで「実は人を殺したんだ…」ってことを打ち明けたと。ここまでは良かった。

ただ、僥倖というか「あれ?俺、もしかして助かるんじゃね?」みたいになった時の、懺悔した奴の本心としては、100%「言わなきゃ良かった」ですよね。最悪チクられたりした日には、命は助かるかもしんないけど、その流れでブタ小屋行きとか笑えないじゃないですか。じゃあどうする…ってなった時の短絡的な考えが、これ以上ないスリルへと発展します。

 

寝込みを襲われるかもしれないという不安

 

相手は足を怪我しているので、もしガチでやりあったとしてもこっちに分があります。ただし、寝込みを襲われたら話は別です。登山でブリザードの中、命からがら山小屋に逃げ込んだような状況で疲れていないわけがありません。だけど、寝たらもう二度と目覚めないかも…。

それに、寝たからと言って殺されるかどうかは分からないわけです。こっちが勝手に「アイツは殺人を告白したことを後悔して、もしかして俺の口を塞ごうとしてるのでは?」っていう、いわば考えすぎなだけの可能性もあるんですよね。

本人に直接確認すりゃいんだろうけど、なんて言葉が返ってきたとしても安心できることはないでしょう。自分の立場に置き換えてみて考えると、恐ろしさこの上ないです。

 

片足を怪我しているのと目が見えないのとどっちが不利か

 

まぁ前項までの展開を考えたら、両者の戦いは避けられないわけで、普通にやれば足を怪我している石倉が不利なんだけど、浅井が高山病で目が見えにくくなっちゃったことが石倉にバレるんです。

目が見えないのと、片足が不自由なのだったら、圧倒的に前者が不利じゃないかと。どの程度見えないのか、あるいは回復の兆しはないのかとか色々思う部分はあっても、短期決戦で来られたらきついよね。

そのあたりも非常にスリリングに描かれていて、息の詰まる攻防って言うんでしょうか。ある意味、全1巻で終わってくれてよかったって思うはず。このペースで3巻くらいやられたら息するの忘れそう。

 

告白~コンフェッション~ コミックス全1巻を読んだ感想・レビュー

とにかく最初から最後まで息の詰まる緊張感のあるサスペンス作品でした。それにしても状況の攻勢がメチャクチャ上手い。作られた物語なのに、変にリアリティがあるというか人間臭さがあるんですよね。最初の懺悔にしたって「自分で蒔いた種じゃん!」って誰もが思うはず。

この奇想天外な感じが、僕らが普段から体験している先行きの見えない人生に似ているというか、フィクションなのに変なリアリティを感じさせる要因になってるんだと思う。

結末に関してもそのまま終わらなくて「え!?」って思わされるはず。そのまま終わっても十分満足だったのに、最後の最後にすごいの持ってくるからね。これには、ただただ脱帽です。

 

あとがき

昔、好きな女の子に告ったときに、ちょうど飛行機が通過して「うるさくて何言ってっか聞こえなかったからもう1回言って」って言われた時の生きづらさを思い出すタイトルに涙。

 

 

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