文房具って小学生からしてみれば、主に勉強に使うアイテムじゃないですか?勉強を頑張った記憶ってあんまないんだけど、文房具に関する思い出って誰しもが1つや2つは持ってると思うんです。
時に劇的に流行る文房具もあるからね。ねりけしとかバトル鉛筆とか凄かったなぁ。そんな感じでロケットペンシルに思い出があるという方もいるのではないでしょうか。というわけで今回は、ノスタルジーな雰囲気の文房具屋物語「夕焼けロケットペンシル(全3巻完結済み)」を紹介します。
夕焼けロケットペンシル あらすじ
サトミは家の文房具店を手伝う小学6年生の女の子。父親が引きこもりのため、実質ひとりでお店をきりもりしている。そこに降ってわいた店の取り壊し話。少しだけどお店を頼りにしてくれるお客さんがいる。いなくなっちゃったお母さんの帰る場所も間折らなくちゃいけない! サトミは父からお店を譲り受けて営業を続けることに。売れないマンガ家さんや元気な女子大生。初めての恋心を薄い胸に秘めながら、サトミのお店、本日も営業中です
夕焼けロケットペンシルの見所をチェック!!
ダメ親父に代わって文房具店の店主になった女の子
本作の主人公は小学6年生の女の子なんですが、なんと事実上の文房具店の店長です。ちょっと昔の駄菓子屋さんを連想させるようなレトロな雰囲気を持った文房具屋さんで、まさに典型的な個人商店という感じのお店です(最近は随分減っちゃったように思います)。
最初はお客さんに対してろくに挨拶もできなかった主人公ですが、クラスメートの協力なんかもありつつ、少しずつ文房具店の店長としての貫禄が出てきました。努力の甲斐あって少しずつ常連客も増えてきて、少しずつにぎやかになっていく文房具店の様子が堪能できます。
非常にノスタルジーな雰囲気が漂っていて、昭和生まれの人なら心を揺さぶられるんじゃないかって思うくらいの空気感です。ロケットペンシルのような懐かしい文房具もたくさん登場するので、懐かしさに浸りたい昭和生まれの読者はぜひ。
複雑な家庭環境と主人公の成長ぶり
そもそもなんで小学校6年生の女の子が文房具店の店主をやってるのかって話なんですが、実は結構複雑な家庭環境が背景にあるんです。まず父親が引きこもりで、ネットゲームばかりで遊んでいるという感じ(生活時代は貯金の切り崩しで何とかなってるのかな?)。
で、母親はそんな父親に愛想を尽かして出て行ってしまったという過去があります。主人公はそんな母親が帰ってくるのを待つ意味も含めて、文房具店を開き続けているのかもしれません。ちなみに主人公が肌身離さず持っているロケットペンシルは母親との大切な思い出です。
思い出のロケットペンシルにすがりながらも、小学校6年生にして文房具店の店長を務める立派な主人公は少しずつ成長しているわけで、この辺の描写を親目線で見てしまう場合は涙腺の崩壊に注意が必要になるかも。
小学生には手厳しい困難の数々
そして小学生が店長を務めるわけですから、すべてが順風満帆にいくわけではありません。取引先には軽くあしらわれてしまうこともあるし、大切な商品を万引きされてしまったりという展開も考えられるでしょう。
それに取引先によっては、ノートの10冊や20冊程度の取引は逆に面倒だって思われてしまう可能性すらあります。ある程度のまとまった数の取引を要求されてしまうようでは、小学生の個人経営の文房具店にはやや厳しい状況と言わざるを得ません。
しかし主人公の一生懸命な姿によって、周りの大人たちが少しずつ変わっていきます。取引先の対応も変わっていくし、お客さんだって増えてくるし、もしかしたら父親も引きこもりをやめるかもしれないし、母親だって帰ってくるかも。困難を乗り越えた先に待っているものが一体何なのか、ぜひ注目して読んでみてください。
夕焼けロケットペンシル コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー
個人的にはロケットペンシルを見たことがないので、ロケットペンシルそのものに対しての感動みたいなものは無かったんですが、かつて何度か行ったことがある個人経営の文房具屋さんの懐かしさには触れることができました。
今は文房具もすごくハイテクになっていて、シャーペンにしろボールペンにしろ物凄く画期的な商品がたくさん出ています。便利になるのは良いことなんだけど、過去の不便な物にも一定の良さを感じたりして、その思い出が楽しめる漫画と言っていいでしょう。
ノスタルジーな雰囲気も良いし、主人公の成長ぶりや周りの大人たちとの関係性も心地良く感じられる全3巻です。たぶん昭和生まれの人にはめちゃくちゃ刺さる作品だと思いますが、ノスタルジーな雰囲気が好きな人や文房具マニアの人にも文句なしにおすすめ。読了感も最高です。
あとがき
小学生の頃「特撮ロボかっ!」ってくらいパカパカ開く筆箱使ってたなぁ。
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