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「将棋指す獣」を読んだ感想・レビュー

将棋指す獣表紙

 

個人的には「あまりないタイプの漫画」が結構好きで、サッカーよりセパタクローの漫画が読みたいし、そういう入りから実際の競技に興味を持っていきたいと考えています。とは言っても、テーマの段階で一種の流行りやすい・流行りにくいがあるので、どうしたって人気ありきのテーマが増えてしまうのも事実。

そういう意味では、最近の将棋人気にあやかって将棋漫画が増えてきたことは喜ばしいことなんですが、なかなか長期連載になる漫画は出てきません。そんな中でも、本作は非常に面白くて「これが打ち切りかよー」と凹まずにはいられませんでした。

というわけで今回は、胸に宿る獣の姿に迫力を感じる将棋漫画「将棋指す獣(全4巻完結済み)」を紹介します。

本作は2020年2月21日段階で連載終了となっており、表向きは全4巻完結済みとなっていますがストーリーは終わっておらず、今後は続きを個人配信(電子書籍のみ)という形になるようです。

 

 

将棋指す獣 あらすじ

弾塚光、女性。元奨励会三段。プロ棋士を目指す。将棋の世界は厳しく、アマチュアからプロに上り詰めた人間はごく僅か。まして女性でプロになった者は皆無……であったが。――将棋ブームの到達点はここにあり! 女性初のプロ棋士誕生ストーリー、満を持して始動!! “ケダモノ”と呼ばれた女性の、清廉なる一手が盤上にいま花開く。

 

将棋指す獣の見所をチェック!!

女性初のプロ棋士誕生ストーリー!?

将棋指す獣1

 

本作の主人公は女性で、女流棋士ではなくプロ棋士を目指すという設定になっています。

ちょっとでも将棋に興味があるという人は知っているかと思いますが、これまで女性のプロ棋士というのは誕生しておらず(本記事執筆時点)、女性で将棋を指したり、盤面を前に対局を解説している女性のほとんどは「女流棋士」と呼ばれる存在です。

試験自体は性別関係なしの公平なものになっているので、言葉を選ばなければ「女性でも将棋が強ければプロ棋士になれる」ということになります。ただ、そこに到達できた女性がいないというだけで(惜しいところまで行った方はいます)。本作は、そんな高みに挑戦する女性の姿を描いた将棋漫画です。

 

プロ棋士になろうとする人種の異常さ

将棋指す獣2

 

割と身近にあるものでプロになる人の異常さって分かるじゃないですか?例えば同級生がプロ野球でドラフト1位指名されたとか、この辺りなら誰でもその凄さって直感的に分かると思うんです。

一方で将棋ってなると、ある程度知っていないと凄さが分からないというか、一般的には分かりにくい凄さと言っていいでしょう。タイトルホルダーが凄いってことは分かっていても、そうじゃない人の凄さが分からないというか…。ぶっちゃけプロになるだけで凄いからね!って話です。

じゃあどのくらい凄いのかって部分を、本作は非常に分かりやすく描いてくれているような気がしました。普段は頭の中でやっていることを表現したとき、トイレの壁にびっしり棋譜が並ぶ場面は、将棋を知らない人でも驚くんじゃないかと思います。

 

将棋指す獣 全4巻を読んだ感想・レビュー

プロ棋士を目指している女性が主人公ということで、不屈の闘志みたいなものを持っている人だってことは分かるんだけど、それを獣(けだもの)って表現するのってどうなんだろうと思いながら手に取りました。で、一気に夢中にさせられました。

プロ棋士の方ってすごく礼儀正しいというか、年下にも敬語で話したり、非常に穏やかな印象があるじゃないですか?でも「対局中の脳内バトルはそんなことないよ」っていうのが直感的に理解できる演出があって、読んでるうちにグングン引き込まれてしまいます。

残念な点は物語が終わってないのに連載が終了してしまい、個人配信になってしまったという点です。せめて移籍できていれば…と思わずにはいられないほど面白い将棋漫画だと思います。

 

あとがき

今 弱気になったのぅ。

 

 

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