記事内に広告を含みます

「忘却のサチコ」を読んだ感想・レビュー

忘却のサチコ表紙

 

自分のこれまでの人生において「1番消し去りたい記憶ってなんだろうか」と考えたときに、僕には結構なレベルのトラウマがあります。それでも「結婚式に新郎に逃げられた」ってエピソードには、足元にも及ばないなぁって思いました。

本作はそんなスパイシーな苦みから始まるグルメ・コメディーです。というわけで今回は、嫌なことは食って忘れろ的なグルメ漫画「忘却のサチコ(連載中)」を紹介します。

 

 

忘却のサチコ あらすじ

佐々木幸子(ささき・さちこ)、29歳。職業、文芸誌編集者。仕事は順調、結婚も決まり、これまで完璧な人生を歩んできた。あの日までは…!!

美味しいものを食べた時に得られる“忘却の瞬間”を求めて、ありとあらゆる美食を追いかける!!絶品グルメ・コメディー、開幕!!

 

忘却のサチコの見所をチェック!!

タイトルにある「忘却」の意味

忘却のサチコ1

 

皆さんは嫌なことがあったり、忘れたいようなことがあった時にどうしますか?特にこれと言った趣味やストレス解消法がないという場合は、よく寝てよく食べることが効果的だと言われています。

本作は典型的なそれで、結婚式中に新郎に逃げられてしまった主人公がそれを忘れようとしているかのように「食」に逃げ道を見つけるというものです。美味しいものを食べている時は、嫌なことや辛いことをすべて忘れられるんだとすれば、そりゃもう美味しいものを探し続けるしかないでしょう。

かなり波乱な幕開けをするグルメ漫画ですが、このようなスパイスの効きまくった設定もあり、他のグルメ漫画には見られない要素が楽しめます。

 

豪快な食べっぷりが魅力的なシーンがたくさん

忘却のサチコ2

 

これは個人的な好みが大きく関係してくる部分なんだけど、僕はいっぱい食べる女性が好きです。ミニ盛りを食べて「あー、おなかいっぱーい」みたいなことを言う人は喝ですよ喝ッ!!

そういう価値観を持っている僕みたいな読者であれば、見ているだけで幸せになれるほどの食いっぷりが楽しめます。定食屋さんに入って「ビール、ラーメン、カツ丼」ですからね。僕ですらラーメンかカツ丼はミニサイズにするのに、こんなん惚れてまうやろーです。

やっぱグルメ漫画は絵が上手くて、美味しそうに食べている表情が魅力的であればあるほど跳ねると言えるでしょう。そういう意味で言えば、本作はスーパーボール以上に跳ねてる。

 

グルメだけじゃなくコメディーの質も高い

忘却のサチコ3

 

本作の主人公は結婚式の途中で新郎に逃げられても毅然としていて、職場でも弱みを見せないという気丈な女性です(もちろん影で涙をみせたりってことはあるんだけど)。良く言えば「カッコ良くて女性はもちろん男性からも憧れられるようなスーパー編集者」って感じなのに、変なところで抜けているから魅力的に映ります。

完璧な人が見せるドジな一面というか、こういうのがギャップ萌えって言うんだろうなという感じで、この主人公を好きになれない読者はいないんじゃないかと思います。大きなポカもするし、たまに天然な一面も顔を出すという本作のテイストが、読者に「美味しいものを食べて頑張ろう!」って気にさせてくれるグルメ漫画と言えるでしょう。

 

忘却のサチコ コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

本作にはグルメ要素とコメディー要素が半々くらいで、バランス良く詰め込まれています。普通は「グルメ要素がメインで、たまに笑えるシーンやエピソードを放り込んでくる」って感じが多いと思うんだけど、本作はコメディーが占める割合も高く、読みながらニヤニヤできるシーンも少なくありません。

あと主人公が魅力的です。実際にいたら多分近寄りがたい存在に感じるんだろうけど、幸せそうにご飯を食べる姿もそうだし、仕事に前向きで一生懸命な部分が応援したくなります。

あとは一般的な定食屋さんの一般的なメニューが多く取り扱われている点も、本作をおすすめしたいポイントの1つです。登場する食事のメニューが飾っていなくて庶民的なので、読んでいて「明日〇〇食べようかなー」みたいになっても実現性が高くて助かります。

最終的には新郎と元鞘になるんだろうか…。その辺も含めて今度の展開が楽しみです。

 

あとがき

よく寝て、よく食べろってことだ。

 

 

飯テロ上等!!面白くておすすめのグルメ漫画、料理漫画を紹介する