どっちかって言うと女性向けのラブコメなんだけど、男の僕が読んでもすごく楽しめたBL要素の入ったラブコメがあります。
全2巻で見やすいし、内容自体は毎回毎回ストーリーや登場人物の異なるオムニバス方式なのでテンポもいいし、女性読者の中でも「あんまりキラキラしてるラブコメは読めない」という人にはメチャクチャ合うんじゃないかと思う。
というわけで今回は、本当の意味でのゲスの極み乙女を描いたラブコメ「恋愛フラグ0女子の迷走(全2巻完結済み)」を紹介します。
恋愛フラグ0女子の迷走 あらすじ
本作の主人公、遠野姫妃には大きな野望があった。それは「えげつないレベルでモテたい」というものである。あわよくば「世の中のイケメンをすべて手に入れたい」とさえ思っている。
ある時、両親が仕事の関係で海外へ行くことに。両親と一緒に海外へ行くか、それとも親戚の家にホームステイさせてもらうかを天秤にかけた姫妃は、村の人口がほぼ男という理由で田舎へのホームステイを決めた。こうして、期待に胸を膨らませた遠野姫妃は新天地へと旅立つ。
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最終的にはBLオチ
主人公の姫妃がホームステイ先になった田舎というのが「若い娘が出て行ってしまう村」で、ちょっとしたホラー展開かと思わせてからのBL村なんだけど、ぶっちゃけくどいんですよ。
読んでて結果が分かってるから、特別な展開を迎えるなんてこともないし。でもエピソード毎に切り口を変えた見せ方をしてくれるので、これがすごく面白いんです。
個人的には「BLなんてボーイズラブっつって横文字にしてるからカッコイイ響きだけど、言い方を変えればホモ漫画でしょ?」って冷めた角度から見てたから、この手の展開で笑わされるなんて夢にも思いませんでした。
どこかで見たような展開が…
日常の中でよくありそうな場面を描きながらも、それが全く現実的ではない仮想世界を描いたものが女子向けの恋愛漫画だと思ってるんだけど、その中で手垢が付くほど書き古された展開が多く登場します。
例えば「ホームステイ先にはイケメン男子が住んでいて、ひとつ屋根の下生活が始まる」とか「地元の友達の前だけでいいから彼氏を演じてくれって男友達に頼む」とか。
これらをプラス思考にして思いっきり恋愛都合主義にしたのが少女漫画で、その真逆にしたのが本作だと思っています。普通は恋愛フラグに発展するところを、意地でも恋に発展するパターンにはさせないという意地を感じる作品です。
そこそこ登場するパロディーネタ
本作にはパロディーネタが結構多く登場します。それこそ全国の高校球児たち(正確にはマネージャーかな?)を意識させまくった、あの伝説の名台詞も本作にかかってしまえばもはやギャグです。
他にもイケメンと出会ったらスカウターで能力を調べたりなど、知っている人には笑えるパロディーネタが随所に散りばめられているので、思わず笑わされてしまうことも少なくありません。
恋愛フラグ0女子の迷走 全2巻を読んだ感想・レビュー
僕があまり女性向けの作品を読まないからかもわからないけど、こういうゲスい視点から描かれる女性主人公ってのがすごく斬新で、メチャクチャ楽しめました。全2巻で短かったので、もうちょい読んでいたかったです。
イケメンの前で見せるお嬢さま的な表情と、裏の顔の二面性がとにかく面白くて、とにかくクセになります。キラキラしてる少女漫画みたいな展開かと思えば、ページをめくったら八神月とエルが殺し合ってたとか、そんな急展開が珍しくないですからね。
あと、最後の最後までオムニバスの1つとして締めくくってしまったのが少し残念かなぁと。「あ、これで終わりなの!?」的な。せめて両親が帰ってくるとか、普段とは一風変わった大オチを期待していただけに、ちょっとだけ拍子抜けしてしまいました。あ、一応少しテイストは違うんだけど、なんかね…。
でもまぁ全2巻っていう読みやすいボリュームで、結構ゲスい視点からのラブコメが堪能できるので、サクッと楽しみたいという人にはオススメです。
あとがき
「純情そうなあの子もこういうこと考えていたんだろうか…」とか考え始めたら、メチャクチャおもろい。
ドキドキ感と笑いが見事に融合!!面白くておすすめのラブコメを紹介する