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「月曜日の友達」を読んだ感想・レビュー

月曜日の友達表紙

 

「一週間の中でどの曜日が1番嫌いですか?」って聞いたら、多くの人が月曜日って答えるんじゃないかと思います。多くの人が日曜日に休んでいて、月曜日からまた一週間が始まるって思ったら憂鬱になるのが自然です。

じゃあ月曜日の夜に楽しみがあったらどうでしょうか?「禁酒しなきゃいけないけど月曜の夜だけ飲んでいい!」って言われたらそれが楽しみになるのかね。というわけで今回は、青春時代の1ページを描いた「月曜日の友達(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

月曜日の友達 あらすじ

みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生。そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と校庭で会う約束をする。決まって月曜日の夜に。

大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、まばゆく、胸がしめつけられるガールミーツボーイ物語。阿部共実、最新作にして最高傑作、誕生!

 

月曜日の友達の見所をチェック!!

誰もが体験した子供から大人への第一歩

月曜日の友達1

 

大人なら誰しもが「子供から大人に変わりつつある瞬間の違和感」みたいなのを覚えているのではないでしょうか。特に自分が周りに先を越されたパターンだと余計に覚えてるんじゃないかと思います。

例えば僕の場合は、歌と言えばアニソンだったのが急にJ-POPに目覚めた友人を見た瞬間とか、見てる番組の趣味趣向が変わったりとか、自分で自分が着る服を買ってる奴が出てきたりとか…。自分が声変わりした瞬間のこととかは全然覚えてないのに、これらのことはマジで衝撃的でした。

そして衝撃を受けたのと同時に「自分もそうならなきゃいけないのかな…」みたいな気持ちになったのを覚えています。休み時間にドッジボールもしなくなったし。そういう頃の感情を覚えている人にはめちゃくちゃ刺さる青春漫画です。

 

月曜日に夜の校舎で…

月曜日の友達2

 

本作のメインとなる1つのシーンが、月曜夜の校舎で2人の男女がキャッキャするというものです。中学生の男女2人って言えば、普通は「付き合ってるのかな?」とかそんな方向に行きがちなんだけど、本作で描かれているそれは少しベクトルが違います。

いわゆる「クラスでもズレているという2人」で、そこに仲間意識を持ったというか「自分たちは自分たちのままでいよう」というような決意を感じるというか…。いずれにしても秘密の共有によって、2人の距離は徐々に親密なものになっていくという感じ。

男の子の方は「超能力に目覚めたい」みたいなことを真剣になってやってるんだけど、中学1年生なんてそんなもんでしょ。周りが大人になろうとしてるからそれを見て少しずつ変わっていくんだろうけど、果たしてこの2人はどのように変わっていくのかに注目です。

 

夏休みの間はどうするの?

月曜日の友達3

 

「月曜の夜に学校で会う」という約束をした場合、それが夏休みや祝祭日も有効なのかどうかってのは悩みどころです。みなさんだったらどうしますか?僕だったら「楽しかったら夏休み中も相手を誘うし、楽しくなかったら徐々にフェードアウトする方向に持っていく」という選択肢を取ります。

まぁ好意のない相手を誘うってことはしないし、それは誰でも一緒ではないかと。もしここで「夏休みも続けよう」みたいな感じになるようであれば、その夏休みの間に2人の距離が一気に縮まることも考えられるだろうし、場合によっては特別な感情が芽生えてしまうかもしれません。

この2人に限ってそれは無いだろうと思いつつ、ありとあらゆる場面が繊細に描かれていて青春時代のあれこれが堪能できる作品です。

 

月曜日の友達 コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

ちょっと特徴的なタッチの阿部共実氏の絵ですが、好みが分かれるのは理解できるものの本作は非常に読みやすいです。そして世界観も素敵で、この繊細な世界観は他の漫画にはないんじゃないかと思えるくらいのクオリティと言えるでしょう。

大人なら誰もが経験した、少年少女から大人になる時のノイズというか違和感というか…。そういう繊細な部分を優しく時に荒く、見事なまでに描き上げている作品だと思いました。

一般的に青春漫画っていうと片想いとかがテーマになってるものが多いんですが、これはそれらの青春漫画とは一線を画す青春漫画と言っても過言ではありません。全2巻、一気読み推奨。

 

あとがき

月曜日の夜に楽しみがあれば月曜日も嫌いじゃなくなるかもね。

 

 

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