ダサいとオシャレって紙一重な部分があるじゃないですか?僕自身、割と奇抜な民族衣装みたいなやつを着たりするんだけど自分でもかなり紙一重だと思ってます。というか、そもそもモテたいって意識がなければTシャツにGパンでいいし。
だから本作には非常に入りやすかったです。本作はオシャレ好きな人もそうでない人も、どちらも楽しめるファッション系ギャグ漫画と言っていいでしょう。というわけで今回は、オシャレな女性文化に翻弄されるギャグ漫画「服なんて、どうでもいいと思ってた。(全3巻完結済み)」を紹介します。
服なんて、どうでもいいと思ってた。 あらすじ
オシャレ、なにそれコワイ…! 流行やオシャレに無縁の男たちが、女性ファッション誌の編集部へと異動となり、日々オシャレな誌面づくりやオシャレな女性文化に翻弄されるギャグマンガ!
服なんて、どうでもいいと思ってた。の見所をチェック!!
おしゃれセンス0の4人の男たちが主人公
本作は女性ファッション誌の編集部へと異動となった、おしゃれセンスの欠片もない4人の男たちが主人公のギャグ漫画です。ある男は盆栽雑誌、ある男はボクシング雑誌から異動になっていて、人事部が正気かどうかを確かめたくなるほど。
そんな波乱の幕開けということもあって、とにかく4人の主人公たちにとってはまるで未知の異世界に迷い込んだかのような日常が待っています。社員の1人がお茶を買いに行ってくれるという場面にしても、なんちゃらかんちゃらフラペチーノという魔法の名前のようなワードが飛び交うこともしばしば。
そんな状況の中、おしゃれに関する知識を身に付けつつ「この女性中心の業界をセンス0の4人で乗り越えていけるかどうか」が大きな見所と言っていいでしょう。
所々のギャグ要素のレベルが高い
本作は「おしゃれな提案をしなければいけない部署に配属されたセンス0の主人公たちが、完全に的外れなことを言ってしまって空気が変わる」みたいな感じのギャグ漫画なんだけど、所々にそれっぽい例え話なんかを交えてきます。これがめちゃくちゃ面白い!
例えば上記のシーンでも言われているような「昼ごはんを決める時の男女あるある」は誰しもが経験したことがあると思います。これを踏まえて女子から「どの小道具を持てばいいか?」みたいな相談をされた場合に、「無難な選択肢じゃなくて有り得ない選択肢を提案する」というのは思わず笑ってしまいました。
和食とか洋食を提案して中華が良かったって言われるんですから、最初から「激辛タイ料理」みたいな否定せざるを得ない選択肢を提案するっていうね。…一見正しそうに見えて実はそうでもないっていう、この絶妙なラインがめちゃくちゃ秀逸です。
おしゃれというよりモテ要素みたいな一面も
まぁオシャレが好きな女性の中には「世の中に異性がいなくても可愛い服が着たい!」みたいな人もいるんだろうけど、結構多い割合で「世の中に異性がいないならオシャレはしない」っていう人もいるんじゃないかと思うんです。
ましてオシャレ系雑誌には「モテコーデ」みたいな特集も結構あるし、もっと言えば「モテ講座」みたいなファッションじゃない内面の振る舞い部分についての特集が組まれることも珍しくありません。
本作にもファッションがどうこう言うんじゃなくて「モテ要素」にスポットを当てているエピソードが結構あります。これが的を射ているような感じがして面白いんです。この流れは作者である青木U平氏の得意技で「フリンジマン」でも見られた手法なんだけど、一見それっぽいことを言う…みたいな笑いが好きな人には鉄板だと言えるでしょう。
服なんて、どうでもいいと思ってた。 コミックス全3巻を読んだ感想・レビュー
ファッションに興味があろうと無かろうと、大抵の人は「良い物が流行るとは限らないし、基本的にファッションなんてものは良い物よりも流行りに感化される人が多い」って思ってるんじゃないでしょうか。
だから理論的な正しさなんかどうでも良くて、その本質を見事に突いているギャグ漫画だと思いました。ファッションに興味があろうとなかろうと、誰もが一度は思ったことのあるテーマが深堀されていじられているという感じなので、多くの読者が楽しめる万人向けの作品だと思います。
例え話も秀逸だし、変な屁理屈で言いくるめられるような展開が好きな人には鉄板。「一見それっぽいんだけど実はそうでもない」っていう展開は、多くの読者に笑いをもたらしてくれるはず。全3巻で非常に読みやすく、最後の着地も完璧で面白かったです。
あとがき
夏きゅんスペシャルコーデに井岡のガウンを持ってくる斬新さよ。
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