個人的にはビーバップハイスクールなんかの不良漫画は大好きですが、時代の流れに伴ってほぼ絶滅危惧種のようになってしまったような気がします。そもそも最近の中高生にヤンキーっています？
しかしかつての黒髪リーゼントが金髪にカタチを変え、遂には異世界へと舞台を変えて活躍しているのは衝撃的と言わざるを得ません。というわけで今回は、異世界×ヤンキーの「異世界ヤンキー八王子(連載中)」を紹介します。
異世界ヤンキー八王子 あらすじ
「俺が魔王を倒してテッペンをとる!!!」八王子の工業高校のヤンキー４人組は、地震が起き、気がつくと校舎ごと異世界にトリップしていた‼ 学ランを着ていた彼らは、村人に「黒衣を纏いし伝説の八王子」＝勇者一行と間違われ…？ 村一番の暴れん坊、凶悪なオークなど、次々絡んでくる奴らをタイマン勝負でぶっ飛ばせ!! 男度12000％!! 常識外の異世界バトル!!まだ誰も見たことがない”タイマン勝負”が今、始まる––!!
異世界ヤンキー八王子の見所をチェック!!
ヤンキーが異世界に行っても不良する物語
タイトル通りヤンキーが異世界に行ってしまう物語なんですが、異世界でモンスターを相手に喧嘩したりするという展開になっていて、普通のファンタジーにヤンキー要素が加わった感じの物語となっています。
基本的には素手のタイマンだったり、モンスターとも喧嘩の後は友情を結んだりなど、随所にヤンキー漫画らしさが光っているので異世界モノの中でも割と新鮮な感覚で読めるのが特徴です。ちなみにバトルの際は、工業高校というアドバンテージを利用してチェーンソーを使用するなど融通も利く模様。
ヤンキーらしく「困っている村人は放っておけない」みたいな部分も物語とマッチしていて、すごく楽しいファンタジーの世界を作り上げています。世界観がちゃんとしているので、ヤンキー漫画が好きな人にも異世界漫画が好きな人にもどちらにもおすすめ。
主人公たちの抜けてる感じも面白い
主人公のヤンキーたちには愛嬌を感じるというか「ちょっとバカっぽい」と感じる部分があって、すごく微笑ましいです。やっぱヤンキーは愛されるバカじゃないと…っていうのがひしひしと伝わってきます。
コテコテのギャグって感じじゃないんだけど、男子高校生の日常に溶け込んでいる笑いみたいなものが面白く、ちょっとニヤけてしまうようなシーンが少なくありません。ロールプレイングゲームみたいに自分の能力が数値化されたときに「かしこさ＝0」とか真面目にやってるからね。
異世界の村に伝わる「闇より黒き衣＝学ラン」ってのも面白いし、全体的には真面目な異世界モノだと思うんだけど、ちょこちょこ笑えるっていうのが最高です。
異世界に友情を持ち込む主人公たち
ヤンキー漫画の醍醐味といえば、昨日の敵は今日の友と言わんばかりの「友情」です。ぶっちゃけ異世界に生息しているモンスターなんか「魔王の言うことが絶対！」っていうケースが多いと思うんですが、本作においては「魔王もブン殴って改心させてやる」くらいの感じ。
そして村を襲いに来たオークたちも、鉄拳制裁の後に仲間へと引き込みます。憎さ余って殺すというわけでもなく、新たな協力体制を敷くという関係性はまさに隣の学校と揉めて死闘を繰り広げた後のヤンキーたちそのものと言っていいでしょう。
暴力的な描写が目立つのに爽やかさを残しているのも、ヤンキー漫画としての特徴と言っていいでしょう。物語が進むにつれて正々堂々って場面ばかりじゃなくなってくるだろうけど、その辺の逆境をどう乗り越えていくのかも楽しみです。
異世界ヤンキー八王子 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
異世界ものがめちゃくちゃ流行ったときに、異世界でヤンキーが活躍する漫画が乱立するだろうなーと思ってたので、そういう作品があまり世に出てきていないというのは驚きでした。僕自身がそっち方向に詳しくないからか知らないけど、本作を除いてそこそこ評判の良い異世界ヤンキー物語って無いんじゃないかと。
まぁ内容としては「ドラクエやFFみたいなファンタジーの世界にヤンキーが入り込んでしまった」という感じのもので、ドラクエには武闘家、FFにはモンクがいるからヤンキーの概念はそこまで違和感なく溶け込んでいると思います。素手で戦うことに関しては全く問題なし。
それでいてヤンキー漫画の良い部分(熱い友情など)をしっかり取り入れているので、ヤンキー漫画好きにも異世界漫画好きにも受け入れられる作風じゃないかと思います。
ちなみに作者の奥嶋ひろまさ氏は以前に「頂き！成り上がり飯」というグルメ×ヤンキー漫画を描いていて、そっちもかなり面白かったので興味のある人はぜひ。
あとがき
角材だの釘バットだの装備してる勇者一行って面白い。
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