最近やたら勢いのある異世界系漫画の中で個人的に好きなのがこちら。
タイトルを見た段階では「盾の勇者？成り上がり？」っていう、厨二感が漂ってくる感じがするんだけど、どっちかっていうとダークファンタジー寄りというか「主人公に若干の悪属性がある」という部分がめちゃくちゃ気に入りました。
というわけで今回は、主たる武器が盾の勇者を描いた異世界漫画「盾の勇者の成り上がり(連載中)」を紹介します。
※物語序盤の軽いネタバレを含みます。
盾の勇者の成り上がり あらすじ
主人公の大学生・岩谷尚文は図書館でファンタジー小説を読んでいたところ、その中の世界に紛れ込んでしまった。そこには自分と同じ境遇の3人の青年がおり、ナオフミを含めた4名はそのファンタジー世界にて「古の四聖勇者」として、持て囃されることとなる。
4名にはそれぞれ装備できる武器があった。剣・弓・槍…そして盾。ナオフミの担当は盾であったが、どうも他の3人と比べて自分の扱いがあまりにも酷いことに気が付く。そしてここからファンタジー世界の住人及び残り3人の勇者どもを盾の勇者として見返すための、成り上がりの物語が始まった。
盾の勇者の成り上がりの見所をチェック!!
主人公に微妙な悪属性
ファンタジーRPGの主人公には人間的にも成熟しているキャラが多く、ちょっとやそっとのことじゃブレないのが多いじゃないですか？僕が思い出すのはドラクエ5のヘンリー王子ね。
散々パパスのことを困らせやがって…初めてプレイしたのがSFCだったんだけど、コントローラーを持つ手が震えたのを覚えてます(←それは言い過ぎ)。でもRPGって主人公が喋らない物(ドラクエ)も少なくないし、とにかく良い奴が多い！そうやって考えると本作の主人公にはめちゃくちゃ人間味があるんです。
やっぱ1人の人間を描くわけだから嫌な奴には嫌そうな態度を取っている方が人間味に溢れているし、そういう意味では読者が感情移入しやすいファンタジー作品だと思います。
心の奥にふつふつと巻き起こる負の感情
個人的にはスポーツ漫画とかでやたら退部を迫ってくる同じ部活の奴とかが出てくると「あー、はいはい」くらいの冷めた感じで見ちゃうんだけど、本作の煽りって秀逸だと思いました。もうね、本当の意味でイラっとする。残りの3人の勇者もナオフミと同じような境遇でこの世界に紛れ込んだ(ように思われる)のに、3人で団結してナオフミだけを仲間外れにする感じとか。
たぶん多くの読者は「同じく右も左も分からない勇者同士なんだから4人とも結託すればいいのに」って思うはずなんですよ。そんな中で1人だけ除け者にされているような状況だから、普通の人なら「この野郎ッ!!」って思うはず。
そしてファンタジー世界の住人も盾の勇者ってだけで偏見を持って近付いてくるというか、中には明確な悪意を持って近付いてくる奴もいたりして思いっきり煽られています。で、最終的には「盾の勇者、頑張れっ！」ってなる。
主人公と仲間の絆
軽くネタバレしちゃうと、ナオフミにはまともな味方が見つからないから奴隷と契約することになるんだけど、この奴隷との関係性もなんだかすごくいい。
悪人に徹しようって気配を感じさせながらも根は優しいっていうナオフミのオーラがね、すっげー心地良いというか「あー、こういう人を根は悪くない人って言うんだな」って感じ。
翼くんみたいな「ボールは友達！」っていうわざとらしい対等関係ではなく、あくまで奴隷と雇い主という主従関係は残しながらも、精一杯相手のことを考えてあげている様子は見ていて微笑ましくなります。
この絆が育まれていくに連れて、最初は「盾はハズレだよなぁ…」って思ってた読者の多くが「盾も悪くないじゃん」って思うようになるはず。
盾の勇者の成り上がり コミックス序盤を読んだ感想・レビュー
月並みだけど自分からは攻撃できない勇者って設定がすごくいい。やっぱ勇者は天空の剣とか、そういう勇者らしい装備を持って戦うのが当たり前だと思ってたから、こういう勇者がいてもいいんじゃないかって部分で面白いと思いました。
そして何より最初は自分でも引いてみていた盾の勇者という設定に対して、物語が進むに連れて「悪くない」って思わされている感じね。この見せ方がすごく上手いです。
たぶん最終的には盾の勇者が世界を救うんだろうけど、一筋縄ではいかないというか「魔物の存在よりも厄介な奴がいる」って部分が、他のファンタジーものには無い要素で楽しめる要素となっています。
まさに成り上がり。主人公が逆境を跳ね返していく感じとか、徐々に周りを見返していくって感じの物語が好きな人には文句無しにおすすめです。
あとがき
モンハンでも「攻撃できない盾」とかあったら、よほど優遇しない限りは人気ないだろうなぁ…。
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