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「TOKYO GRAFFITI」を読んだ感想・レビュー

TOKYO GRAFFITI表紙

 

人気のない跨線橋とかちょっとしたトンネルなんかに行くと、スプレー缶で描かれた落書き(描いた人にとってはアートなのかな?)を見ることがあります。僕の地元では少し治安が悪い所というか、夜に1人では通りたくないような場所に行くと結構ありました。

大半は「夜露死苦!」だのドクロのマークで、基本的には暴走族のマークを書いて「参上!」みたいなやつなんだけど、中にはめちゃくちゃアーティスティックなイラストが描かれているケースも。このうちの一握りがバンクシーみたいな存在なんだろうなって思ったら、ちょっと興味が出てきませんか?

というわけで今回は、グラフィティーライターの日常や恋愛事情を描いた「TOKYO GRAFFITI(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

TOKYO GRAFFITI あらすじ

トーキョーに住む高校生森永裸武(モリナガ ラヴ)は昼間は冴えない高校生、夜は街に繰り出しグラフィティを描くグラフィティライターという2つの顔を持っていた。若者の尊敬を集めながらも正体不明のグラフィティライターとしてカリスマ的な人気を誇っている裸武だったが、その正体を知ってしまった一人の女子高生がいた。同じ高校に通い、たまたま友達の応募によって雑誌のグラビアグランプリに輝いた桃子(モモコ)である。桃子は芸能界入りに悩み、裸武にその悩みを相談する内に次第に裸武に惹かれていく。井上三太の描く甘くせつないトーキョーラブストーリー。

https://ja.wikipedia.org/wiki/TOKYO_GRAFFITI

 

TOKYO GRAFFITIの見所をチェック!!

グラフィティライターという存在

TOKYO GRAFFITI1

 

グラフィティライターと聞いても、僕にとっては「なにそれ?」って感じでした。冒頭にも書いたように、僕の地元でも人気の少ない地下道とかちょっとしたトンネルにはスプレーで描かれた落書きがあって、個人的には「なんでこんなことするんだろう?」という以外の感想がなかったんですよね。

はっきり言ってかっこいいとは思わなかったし、たまに上手な絵を見ても「もっとまともな方向でこの才能を使えばいいのに…」という感じだったんだけど、バンクシーが注目されたときに「なんかカッコイイ!」と思ったのも事実です。

本作の主人公は、そんな落書きを信念を持ってやっている高校生の物語。素性は明かしてないものの、ある程度有名になっている現状と、そこに目をつけて近付いてくる大人との関係などが大きな見所の1つです。

 

芸能人になってしまった彼女(?)との恋愛模様

TOKYO GRAFFITI2

 

本作の主人公は正体不明の有名グラフィティライターなんだけど、その正体を知ってしまった同級生の女の子と急接近します。そのきっかけは彼女が芸能界入りすることについて相談したことがきっかけです。

ぶっちゃけ「付き合ってください」みたいな恋愛漫画じみたシーンは一切なく、高校生ながらも大人の恋愛観みたいな感じで、読者から見ていても「この2人は付き合ってる…んだよね?」という感じの距離感ですが、この愛の育み方が独特というかパンクというか、ここも非常にアーティスティック。

彼女が芸能人ってことで、事務所やらマネージャーやらのノイズもすごいし、それらに対して中指立てる感じの生き方がマジでカッコイイです。こういうの見ちゃうとグラフィティライターに憧れを感じちゃう気持ちも分かります。

 

好敵手グラフィティライターの出現

TOKYO GRAFFITI3

 

一部の人間に対して非常に大きな知名度と影響力を持っている主人公ですが、正体を明かしていないこともあって偽物も多く存在します。そしてファンというか憧れを持っている人も存在し、中にはライバルというか「お互い正体は知らないけど、認め合っている仲」みたいな人物も。

そういう人物との関わり方も面白くて、正体を明かしてないのに「こいつ本物だ!」みたいに気付く瞬間とか、やってることは落書きなんだけど芸術の域に達しているような感じがします。

本物のアーティストが落書きを見てパッションを感じたり、プロが偽物を見抜いたり…。僕からすれば全部スプレーの落書きでしかないんだけど、そこに本物や偽物が存在するっていう部分はめちゃくちゃ熱いです。

 

TOKYO GRAFFITI コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

グラフィティライターという存在そのものが、僕の通ってきた道には全くなかった文化だったので、とても興味深く読んでしまいました。おそらく実際にこれをやってしまうと器物損壊罪とかになっちゃうのかなーって思うと、あんまり褒めるわけにもいかないわけですが。

ただし本作を読んでみて「センスのある落書きを見てカッコイイと感じて、それを真似してしまう人の気持ちは分からないでもない」ってくらいに意識が変わりました。「有名になってお金を稼ぎたい」みたいな感じでもない主人公の姿に、グラフィティライターとしての信念を見たというか、もうこれは芸術家の域だと思います。

恋愛面でも少し不器用で尖ってる姿がカッコイイと思ったし、登場人物が高校生なのに大人びて見えました。落書きの漫画って言うと「くだらないガキ向けの漫画」って思う大人もいるかもしれないけど、そういう大人の人にこそ読んでほしいです。あ、ちなみに全2巻完結済みですが、最後は突拍子もなく終わっちゃって「え、これで終わり?」って感じになってしまっている点のみ注意。

そしてKindle Unlimited登録者なら、全2巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。

 

 

あとがき

東京とは少し違うトーキョーって意味深。

 

 

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