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「働かざる者だけど食う!!」を読んだ感想・レビュー

働かざる者だけど食う!!表紙

 

主人公が男性キャラのニート作品は結構見ますが、女性キャラが主人公のニート作品っていうのは珍しいような気がします。最近はやたら男女平等を掲げる政治家の声が大きくなり、一部では「あまりにも平等にしようとしすぎて逆に平等じゃないんじゃね?」みたいに思ってしまいがちですが、ニートは平等に自堕落者の烙印を押されます。

身内などの近い位置にいたらたまったもんじゃないけど、外から見てる分には面白いです。労働の義務・権利を放棄しているくせに、たまに正論をいうあたりが人外というか「控えめに言ってク〇野郎だな(野郎じゃないか)」って思ったり思わなかったり。

というわけで今回は、24歳独身処女ニートの日常ギャグコメディー「働かざる者だけど食う!!(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

働かざる者だけど食う!! あらすじ

24歳独身処女ニートの日常ギャグコメディー!!
作者が現役ニートであるためリアリティーは抜群!!
リアルすぎて「主人公がムカつく」「見ててイライラする」「働け」「死ね」などの感想が盛りだくさん!!
みなさんもリアルなニートの実態を見て、是非イライラしてみてください!!
(内容は面白いのでご安心を!)

 

働かざる者だけど食う!!の見所をチェック!!

「これではだめだ」と思いながらも働きたくない女性ニートの日常

働かざる者だけど食う1

 

僕自身、二十歳を超えてから学生でも社会人でもない時期がありました。その期間は実家に住みつつもアルバイトをしながら家に生活費は入れていたので、ニートというよりはフリーターに該当するんじゃないかと思うんですが、まぁ似たようなことを思っていたので共感できる部分が少なくありません。

本作の主人公もずっと引きこもりだったというわけではなく、大学までは普通の生活をしていて、大学中退をきっかけに引きこもりニートになったという設定です。こういう人がどれくらい存在するのかは分からないけど、家に1円も入れずに引きこもり生活ができる(それを許してくれる親がいる)っていうのは、ある意味「医者になるよりも社長になるよりも勝ち組なのでは?」と感じてしまう部分も。でも全く憧れないっていうのが逆に面白いです。

 

「しょうもない奴だな」という笑い

働かざる者だけど食う2

 

根っからのニートはどうなのか分からないけど、大半のニートは「このままじゃだめだ」と思いながらも社会に出る勇気がないのではないかと思います。本作の主人公も完全に後者です。

そんな中、もしヒソヒソ話で「自分の将来を不安視する両親の会話」みたいなものが聞こえてきたら…。イライラするっていうのは違うかもしれないけど、悲しいし辛い気持ちになるのではないかと。そうなったら普通は「自立して見返してやる!」とか思いそうじゃないですか?

しかし本作の主人公は「いつか絶対宝くじ当てる!」と意気込んでしまうような、しょうもない奴なんです。近い存在の人じゃないからっていうのもあるんだろうけど、ここまでくるとイライラするとか腹が立つってことはありません。むしろ気持ち良いです。

 

着眼点の鋭いニートあるある

働かざる者だけど食う!!3

 

ニートあるあるを語られてもニート経験がないと頷くことができず、共感できないから面白さが分からない…なんてことにもなりそうなんだけど、本作に登場するニートあるあるは結構斜め上をきたりします。

例えば「部屋の抜け毛に驚く」というのは、ずっと部屋にいないと気付かない部分なので、ニートの中でもずっと部屋にいる人じゃなければ共感できないレアな日常と言えるでしょう。実際にその経験がある人なら共感できるだろうし、そうじゃない人でも「言われれば確かに…」というような気付きが得られます。

部屋中に散らばる抜け毛を見て、食生活の乱れや運動不足を不安がる主人公の姿に対し、「いやいや、お前が心配すべきなのはもっと別のところだから!」と突っ込めるようになれば、本作の魅力にどっぷり浸かっている頃だと言っても間違いないです。

 

働かざる者だけど食う!! コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

ニート系漫画も割と数が揃ってきていますが、基本的には「自堕落者が上から目線であれこれ言ってて腹が立つ」みたいな作品が多いように思います。そういうとんでもない奴が言い放つ正論が面白かったりするんですよね。

本作もその王道の流れを汲んでいますが、個人的にはそこまでムカつくという感じはありませんでした。本人がこのままじゃいけないと自覚しているせいなのかもしれないけど、僕としては「世の中にはこういう人もいるんだから、自分も頑張らなきゃ」という感じで、逆に力を貰えたような気がします。

一方で、表紙を見たときに感じたガーリッシュでポップな絵という印象が、本編1ページ目で既に崩れたのも印象的でした。表紙を見ると丁寧に書かれたポップな絵のように思えるんだけど、本編は手抜きというかあまりパッとしない絵のように感じますし、コマ割りも単調です。

その辺がまったく気にならないというのであれば、若者女性のニート作品ということで、楽しみながら読めるのではないかと思います。ちなみにkindleアンリミテッド登録者なら、全2巻が無料で読めるのでぜひ読んでみてください。

 

 

あとがき

ニートは食って高楊枝。

 

 

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