日本を悩ます問題の1つに「領土問題」が挙げられます。特に日本は島国であるため、最北端や最西端の島がその対象だったりするわけです。北の方は先の大戦のしこりのような意味合いがありますが、西の方に関しては「気が付いたら普通に向こうが好き勝手やっている」という…。
元々、世界の色んな国々を見ていても「大抵は隣の国と仲が悪い」という関係性が見て取れますが、日本も例外にあらず。本作は人口数が世界一多いとされている某大国と日本が、共に領有権を主張している「尖閣諸島問題」をテーマにしている作品です。
実効支配されても「誠に遺憾である」で済ませている印象しかない日本政府ですが、日本人の多くがこの問題に向き合っていかなければならないような気がします。現に今もなお、某国は挑発行動を繰り返していると聞きますし…。
というわけで今回は、日本人に読んで欲しい漫画作品「空母いぶき(全13巻完結済み)」を紹介します。
空母いぶき あらすじ
『沈黙の艦隊』『ジパング』に続く、かわぐちかいじの新軍事エンターテインメント第1集!!
20XX年、尖閣諸島沖で海上自衛隊と中国海軍が衝突!!戦闘は回避したものの、危機感を募らせた日本政府は、最新鋭戦闘機を搭載した事実上の空母「いぶき」を就役させ、新艦隊を編成――――!!!
艦長は、空自出身の男・秋津―――。
空母いぶきの見所をチェック!!
尖閣諸島問題を考えるキッカケになる
僕がまだ中学生だった頃、尖閣諸島問題なんて歴史の教科書には記載されていなかったので、民主党政権になった時の追突事件あたりからようやくこの問題に気付いたような気がします。
早い話が「日本も中国もお互いが『この島は自分のモノだ』と主張している島」を巡るお話です。お互いにそうやって国民に教育してるだろうし、お互いが最もらしいことを言ってるので両国にとって根の深い問題であることは確実かと。
僕は日本の有識者たちが「~いう理由で、尖閣諸島は日本の領土なんです」と言っているのを見て、漠然と「かの国は本当にひどいなぁ」と思ったりしているんだけど、向こうの人の言い分を聞いてると何が何だか分からなくなってくる部分もあります。
まして無人島にかの国の人が住んでいて、それに対して日本は「遺憾です」って言ってるだけなら、世界的に見たら向こうが正しいんじゃないかって思われるような気がしたりしなかったり。
色んな人の思惑があるし、頼りない政治家やマスコミが真実を言っているとも限らない。そんな中で、自分の国のことを真剣に考えるキッカケになることは間違いないでしょう。
尖閣諸島をめぐって両国が軍事衝突したら?
傍から見ていると「好き勝手やる方とやられる方」という構図でしかなく、完全に舐められているという印象しかない日本。別の国にもレーダー照射とかされてますし…。
そんな日本が「尖閣諸島を巡って武力攻撃に遭ったら?」というIFのストーリーが堪能できます。さすがに攻撃されても「遺憾です」と下を向くだけだとは思いたくないわけで、そうなると戦争の二文字が現実味を帯びてくると言えるでしょう。
戦争は絶対に回避するべきだと思うけど、じゃあ好き勝手やられても我慢し続けるのが正解なのかって話になってくると、これもまた違うんじゃないかと。
世の中には「こいつ本当に日本人か?」って思う国会議員の方も多数いる中で、本作に登場するのは本物の日本人です。戦争は繰り返すべきではないけど正しいことは正しいと主張すべき。そういう当たり前のことに気付ける作品です。
空母いぶき 序盤を読んだ感想・レビュー
かわぐちかいじ氏の作品は面白い作品が多いと思ってるんだけど、「もし(IF)の世界」を描かせたら超一級品だと思います。
まぁ尖閣諸島問題は非常に政治的でデリケートな部分を含んでいるので、僕の政治的な思想も含めて軽々しく発言すべきではないと思うんだけど、日本国民としては決して他人事で済ませちゃいけない問題であることは間違いないです。
とは言ってもワイドショーなんかで発言しているのは有識者とは限らず、その発言が正しいモノとは限らないので、我々1人1人が自分なりに勉強することが重要かと。そういう意味で本作は「政治的なことは難しくてよく分からない」という人にも、取っ付きやすく尖閣諸島問題に触れることができるはず。
選挙の投票率もそうだけど、結局「国民が無関心になること」で得をするのはしょうもない政治家だけ。まずは興味・関心を持つこと、その第一歩として非常に優秀な作品です。
あとがき
空母、カントリーマアム。
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