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「ワンナイト・モーニング」を読んだ感想・レビュー

ワンナイト・モーニング
Ⓒワンナイト・モーニング

高校生のときに近所のコンビニのお姉さんに片想いをして「ちょっとでも接点が持ちたくて別に好きでもなんでもないファミチキを毎朝買っていた」みたいなエピソードを持ってたりします?

こんな場合、ファミチキを食べる度に当時を思い出したりして、切ないようなほろ苦いような甘酸っぱいような記憶になってたりするじゃないですか?そんな感じのエピソードがたくさん楽しめる恋愛漫画がこちら。

というわけで今回は、大人向けの恋愛ショートエピソード「ワンナイト・モーニング(連載中)」を紹介します。

ワンナイト・モーニングのあらすじ

おにぎり、肉まん、ハニートースト…ワンナイト過ごした女の子と一緒に食べる朝ごはんはシンプル、でも特別。ちょっぴり切ないラブストーリーと共に美味しい朝ごはんを召し上がれ。グルメラブストーリー短編集!

ワンナイト・モーニングの見所をチェック!!

恋愛と朝食にテーマを絞ったショートストーリー

ワンナイト・モーニング
Ⓒワンナイト・モーニング

昭和なのか平成初期なのかは分かりませんが、プロポーズの定番が「毎朝、みそ汁を作ってください」だったり、男女が一夜を過ごすことの表現が夜明けのコーヒーだったり…男女の関係性と朝の飲食には密接な関係があると言っても過言ではありません。

本作はショートストーリーが何本も収録されているオムニバス、短編集の類の恋愛漫画となっており、エピソード毎に登場人物が変わります。学生時代の友達っていうパターンもあれば、性欲を解消するためだけの肉体関係っていうパターンも。

ワンナイトを全面的に押し出されると、いわゆるセフレや行きずりの恋ばかりだと思ってしまいがちなんだけど、意外とそういうのばっかりじゃないです。純愛チックなものも含めて、実に様々な恋愛模様が楽しめる作風となっています。

一本の物語にテーマの食べ物が存在する

ワンナイト・モーニング
Ⓒワンナイト・モーニング

昔の恋人が好きだった食べ物とかって、今でもふと思い出したりすることがあるじゃないですか?「アイツいつもこれ食ってたなー」みたいな。マクドナルドのハンバーガーで頑なにピクルスを抜くとか、なんでもかんでも七味を振るとか。

恋愛って不思議なもんで、当時聞いていた音楽やら匂いなんかの記憶が急に蘇ったりするんですよね。もちろん良い思い出ばかりじゃないからアレだけど、懐かしいと思えるようになったときに月日の流れを感じる…みたいな。

記憶に残る食べ物がサンドイッチなのか立ち食いそばなのかは人それぞれであるものの、それにまつわる恋愛エピソードは胸を打たれるものが多く、共感できるものも少なくありません。おしゃれな食べ物ばかりじゃないっていう部分も良き。

ほろ苦くて、ほのかに甘いエピソードが満載

ワンナイト・モーニング
Ⓒワンナイト・モーニング

読んでいてキュンキュンするような恋愛ばかりではなく、どちらかと言えば大人な恋愛物語が多めです。ワンナイトっていうキーワードにもあるようにエッチな展開も少なくないので、まさに大人向けのラブコメと言ったところ。

もちろん学生時代からの恋愛みたいなテーマもあったりして、すべてがほろ苦いというわけでもなく…。「交際当初は背伸びしておしゃれなイタリアンレストランなんかにも行ってたけど、なんだかんだ近所のスーパーで買った赤札のコロッケを2人でシェアしている今が幸せ」みたいな、ちょっとした甘い要素もあったりします。

個人的にはエロと食欲は別にして欲しいっていうか、エッチなシーンの直後に食事のシーンは止めて欲しいみたいな感情もあったはずなのに、本作のそれは気になりませんでした(たぶん見せ方が絶妙なんだと思う)。色んな形の恋愛模様が楽しみたいという人には文句なしにおすすめです。

ワンナイト・モーニング コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

割とよくありそうなエピソードが満載で、非常にリアリティの感じられる恋愛漫画だと思いました。実に様々な恋愛模様があるのでハッピーエンドとは限らないという点も〇。

これまでに色々な恋愛を経験してきた読者からすれば共感できるポイントも多く、眩しいくらいの純愛漫画は苦手だっていう人でも楽しめるテイストに仕上がっています。ワンナイトっていうワードに嫌悪感を持ってしまう人がいるかもしれないけど、そこまでチャラい雰囲気はありません。

単にエロシーンに重きを置いた青年漫画というわけでもなければ、好き好きビームに溢れている恋愛漫画というわけでもなく、読了後に一定の爽やかさが感じられる恋愛オムニバスと言っていいでしょう。

あとがき

目玉焼きはケチャップとか、明らかに少数派なグルメの人って一生忘れられないインパクトがある。