動物を擬人化するっていうのは、面白さや可愛らしさを増幅させるという意味でも非常に有効な手法だと思います。そんなメリットを遺憾なく発揮している動物漫画がこちら。
動物漫画っていうよりは犬が主人公のファンタジー漫画って感じだけど、読んでいてほっこりした気持ちになれることは間違いありません。というわけで今回は、二人と一匹の兄弟がおりなすハートフルコメディ「賢い犬リリエンタール(全4巻完結済み)」を紹介します。
賢い犬リリエンタールのあらすじ
弟が来るのを楽しみにしていたてつこと兄。けれど二人の前に弟として現れたのは犬だった!!賢い犬リリエンタールはふしぎなことを起こす変な犬で…!?二人と一匹の兄弟がおりなすハートフルコメディ登場!!
賢い犬リリエンタールの見所をチェック!!
賢い弟(でも犬)が一緒に暮らすことになるファンタジー
賢いっちゃ賢いんだけどどこか抜けていて、超不思議な犬・リリエンタールを家族に迎えて過ごす日常生活の漫画です。一応、博士の父親から送られてきた弟っていう体裁にはなってるけど、どっからどう見ても犬。
15歳の兄と11歳の妹がなぜ親がいない環境で生活をしているのか。そして久々に弟を連れて帰ってくることになった両親…のはずが、両親はあいにく仕事で帰ってくることができず、代わりに人の言葉を喋る犬が送られてくるっていうね。
たまに怪しい言い回しになったりするものの喋っている言語は日本語のそれだし、賢い犬という枕詞に偽りなし！こんな賢くて可愛いリリエンタールが巻き起こす不思議な日常に注目です。
リリエンタールの不思議な能力
リリエンタールには「周りの人の感情に反応して不思議なことを起こす」という能力があります。恐怖を感じる人の心に触れると、そこには驚くほど怖い世界が広がることになるでしょう。そしてこの世界は感情のゆがみが解消されることで元通りに戻ります。
妹は最初この不思議な力を好意的に思っておらず、リリエンタール自身もなるべくこの能力を出さないようにしようとするものの、本能に近い部分の能力であるせいか抑え込むこともできず、妹もまた徐々に理解を示していくという感じです。
そしてリリエンタールはその謎の能力のせいなのか、謎の組織に追われているというオマケ付き。リリエンタールたちはこの謎の組織と対立していくわけだけど、この対立自体がそこまで殺伐としたものではなく、決して憎い感じの悪役じゃないという部分も大きな見所と言っていいでしょう。
ちょっとハートフルな展開
本作は大人が読んでも素敵だと感じるくらいのハートフルなファンタジーです。まず誰も傷つかないって感じのコメディー展開が最高だし、とにかく二言目にはリリエンタールが可愛い！
前項でも軽く触れたようにリリエンタールは謎の組織に追われていて、それらの刺客とちょっとしたバトル展開になることも珍しくありません。でも敵が憎いって感じは一切起こらないし、なんならアンパンマンとバイキンマンの関係性よりも微笑ましいものだと思いました。
このハートフルな展開に癒しを貰えるっていう読者は少なくないでしょう。ちょっとほっこりしたいという人や、絵本になるような素敵な世界観を堪能したいという人には文句なしにおすすめです。
賢い犬リリエンタール 全4巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
当ブログでは動物漫画にもカテゴライズしているんだけど、どっちかって言うと動物要素はほとんどありません。主人公が擬人化した犬っていう部分を除けば動物要素はないし、そもそもこれが犬である必要もないっていうね。
ただ、ファンタジー作品として非常に素敵な世界観を持っている全4巻であることは間違いありません。そして主人公が犬ということで、動物が好きな人にとっては刺さりやすくなっている感があるのかも。何よりリリエンタールは超可愛いからね。
Kindleレビューでは「ワールドトリガー」にハマってから本作も読んでみたっていう人が多かったけど、本作は短命ながらもすごくハートフルな物語だと思います。ワールドトリガーに興味があっても無くても、少しでも興味を持ったなら読んでも後悔しない作品です。
あとがき
飼い犬にリリエンタールって付けた人もいるはず。
