ドラクエやファイナルファンタジーでも「転職/ジョブチェンジ」というシステムがあって、それこそ色んな職業が登場したもんだけど、野人ってのは今までになかったですよね。盗賊とかレンジャーに近くてまさに野人。ステルス能力に特化していて、それなりの武闘派という感じでしょうか。
チート能力を持たない異世界転生漫画って時点で、個人的には結構好感が持てます。あとは野人っぽさをガンガン生かしたサバイバル要素が見れたら言うこと無しです。というわけで今回は、妙にリアリティが香る異世界転生漫画「野人転生(連載中)」を紹介します。
野人転生 あらすじ
WEB発の人気小説がコミックスで書籍化!
姓名と風貌から、「野人」と呼ばれている野崎人志は、ひょんなことから異世界に転生させられる。やる気のない神様から雑に説明を受け、いよいよ異世界生活が始まると思ったら、全裸で森にひとりきり。
周囲は危険なモンスターばかり、魔法もなければチートもない状態で、頼れるものは己のサバイバル知識と空手のみ……!ゴブリンの群れや凶暴なホブゴブリン、私利私欲と悪意にまみれた現地の村人たちを、その身ひとつでぶっ倒せ!ハードモードな異世界生活、ここに開幕!!
野人転生の見所をチェック!!
裸一貫からのスタートを切る異世界転生物語
異世界転生モノの定番と言えば人生2回目的なチート能力です。新たな人生をチートで有利に進めるということの優越感が、読者の心を惹きつけている作品が多いような気がします。
一方で本作は妙に泥臭い異世界転生物語です。なんて言ったって野人転生だからね。裸一貫から始まるストーリーは、チートどころか下積み時代からのスタートを連想させられます。
その辺の野草を食べたり、弱小ゴブリンを狩ってレベルを貯めたり…。ファンタジー世界の序盤とサバイバル生活が違和感なく融合しているので、主人公が成り上がっていくプロセスを楽しみたいという人に最適な転生漫画と言えるでしょう。
RPGチックな成長が覗ける
本作はサバイバルチックな一面がありながらも、根底にあるのはRPGのような世界観です。敵を倒してレベルを上げてスキルを身に付けたり道具を使ったりします。
最初のスキルが「空手」ということで、剣や槍を使うRPG世界でブラジリアンキックをお見舞いするようなバトル展開が面白いです。気配察知や気配隠蔽など、これ系のスキルは野人転生という本作のタイトルに起因するものでしょう。
ぶっちゃけコミックス1巻の後半時点で野人っぽさは消えていて、少し「これ普通のRPG転生モノじゃね?」って感があるんだけど、スキル等の差別化によって野人要素が色濃く残っていくことを期待しています。
妙にリアルな行動プロセス
異世界転生モノで冒険者ギルドって言ったら、十中八九「主人公が雇う側」じゃないですか?そういう意味でも本作は非常に泥臭くて、強いパーティーに寄生して物事を有利に進める的な部分があります。
このあたりの思考が一般的な転生漫画とは違い、新しい魅力を感じられました。リーダー格の人間のご機嫌取りをしたりするあたり、妙に生々しいというか変なリアリティを感じます。
役割分担もしっかりしていて、主人公がモンスター相手に囮になって引き付けている間に別のキャラが弓でモンスターを狩ったりする流れになっているので、RPGなんだけどサバイバル感が上手く融合していて見応えアリです。
野人転生 コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
個人的にはもうちょっと野人パートを見ていたかったという感じでした。異世界に降り立って、しばらくは動物を狩ったり、野草を摘んだりっていうサバイバル要素を掘り下げても面白かったんじゃないかと。
割と早い段階で街に到達したり、冒険者ギルドにて仲間を募ったりしちゃうので、野人要素が薄れていってしまうのが残念です。もちろん面白いんですけど、今後の展開次第という部分が大きいような気がします。その辺の転生モノと似たような感じになるのか、野人転生という新たなジャンルを気付くのか注目したいです。
あとがき
ジョブチェンジ「野人」はあまり人気なさそう。
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