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「青のオーケストラ」を読んだ感想・レビュー

青のオーケストラ表紙
Ⓒ青のオーケストラ

僕はヴァイオリンについて全く知識がありませんが、仲の良かった友人がヴァイオリンを習っていて、成長と共に買い替えたりするとことかすっげーお金がかかるイメージを持っていました。大人になった今となっては「ヴァイオリン弾けるのってかっこいい」って思うものの、お坊ちゃん的なイメージが拭いきれません。

しかし本作を読んでみると、ヴァイオリンに対するイメージが大きく変わるような気がします。妬み・やっかみからくる「お坊ちゃん」みたいな表現が今後一切できなくなるくらい、熱く感動的な物語が期待できそうです。というわけで今回は、音と音、心と心が繋がっていくアンサンブル青春ドラマ「青のオーケストラ(連載中)」を紹介します。

青のオーケストラのあらすじ

とある理由でヴァイオリンを弾くのを辞めた元・天才少年、青野 一(あおのはじめ)。中学3年の秋、一人の少女と高校のオーケストラ部と出会い、止まっていた彼の時間が動き出す――音と音、心と心が繋がっていくアンサンブル青春ドラマ、開幕。

青のオーケストラの見所をチェック!!

天才ヴァイオリニスト少年が再びヴァイオリンを手に取る

青のオーケストラ1
Ⓒ青のオーケストラ

本作の主人公は天才ヴァイオリニスト少年です。プロのヴァイオリニストである父親からスパルタ指導を受けていましたが、中学1年のコンクールを最後にヴァイオリンを弾くことをやめていました。それがあることをキッカケに、高校のオーケストラ部で再びヴァイオリンを弾くことを決意するという…。

いくら天才とは言ってもブランクがある分、第一線で活躍している部員たちを前にどれくらいの真価を発揮できるのかという部分が楽しみでもあるし、それを見届けたくなるようなワクワク感がいっぱいの音楽漫画です。

普通、スパルタ教育を受けるとそのものを嫌いになっちゃうパターンも少なくないと思うんだけど、本作の主人公の場合は音楽やヴァイオリンそのものが嫌になったというわけではなく、単純に「もうヴァイオリンはやらない」という意地を張っていただけのように思います。ここから今まで我慢していた音楽への情熱を爆発させる展開に期待です。

レベルの高い高校オーケストラ部が舞台

青のオーケストラ3
Ⓒ青のオーケストラ

本作は主人公が中学3年生の時から物語がスタートしますが、すぐに進路の話になり、そこで名門のオーケストラ部がある高校に進路を決めます。天才ヴァイオリニストとは言っても真っ先にトップになれるという環境ではなく、苛烈なポジション争いを強いられる展開が予想されるでしょう。

もっと言えば、最初は「この高校は名門でレベルがむちゃくちゃ高い」みたいになっていても、一歩外に出れば似たようなレベル、あるいはそれ以上のレベルの高校があるんじゃないかと。ま、オーケストラ部を題材にした漫画で、そんな高校野球みたいな展開があるかどうかは謎ですが。

いずれにしても幼少の頃から、プロのヴァイオリニストである父親によって徹底的にヴァイオリンのテクニックを仕込まれ、類稀なる才能を持っている主人公。いくら彼でも一筋縄ではいかない環境なのは明白ですし、まるでスポーツ漫画のような熱い熱量を持った展開が期待できそうです。

強力なライバルの存在

青のオーケストラ2
Ⓒ青のオーケストラ

もちろん特別なライバルも存在します。主人公が中1のコンクールを最後に表舞台から去った後、入れ替わるようにして彗星の如く現れ、コンクールで存在感を現したという同級生です。同じ高校に入り、そして同じヴァイオリン…何も起こらないとは思えません。

しかも序盤を読んだ限りではすごく平和的な雰囲気があって、高校部活系の漫画にありがちな「ライバルからの嫌がらせ、煽り」みたいなものがなかったです。まさに青のオーケストラというタイトルに相応しい、透き通った雰囲気を感じました。

どっちが凄いかじゃなくて、素直にどっちも凄いと言えるような関係性って言うんでしょうか。今後のライバル関係がどう発展していくのか序盤から楽しみで仕方がありません。

青のオーケストラ 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

すごく爽やかな漫画なんだけど、それでいてスポーツ漫画顔負けの熱量も持っているという印象です。僕が通っていた学校にはオーケストラ部っていうのが無くて、僕自身にとっても「オーケストラって吹奏楽とは違うの?」って感じなんだけど、そういう初心者に対する解説なんかもあって、スッと物語に入っていける部分も秀逸だと思いました。

ヴァイオリンのことはよく分からない読者でも、「いくら腕が良くても、他の楽器と歩調が合わせられなければ意味がない」みたいな部分は真っ先に分かると思うし、取っ付きにくさは一切ありません。本作きっかけでオーケストラに興味を持つって読者も出てくると思われます。

親との確執や、部員同士の衝突などの人間ドラマにも期待できそうですし、音楽を通じて人間的にも成長していく主人公の姿が楽しめそうです。

あとがき

名前が青野で青のオーケストラっていいね。