タイムリープ系の漫画のやり直しって概念は、多くの人が楽しめる要素じゃないかと思う。人生には「たら・れば」が付き物だし、誰しもが「あの時、こうしていれば!」って思ったことがあるはず。そんな時に、自分が選ばなかった選択肢を覗けるんだったら絶対に覗いてみるでしょ。
バタフライエフェクトじゃないけど、自分が起こした行動の1つ1つが未来にどのような影響を与えるかってのはメチャクチャ面白いと思います。それに死が絡んできたら、尚更必死になるのではないでしょうか。
というわけで今回は、死なずに1週間を生き抜く様子を描いたタイムリープ系デスゲーム「7's ―セブンズ―(連載中)」を紹介します。
コミックス1巻のみネタバレあり。
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Contents
7's -セブンズ- マンガ概要
本作の主人公・弧坂丈は教室で弁当を食べている最中、同級生の田村凪咲から「私のことを守ってくれませんか?」と頼まれた。最初は「動画でも撮っていて後で笑いものにする」という悪戯であるとか、あるいは「内気な少女からの精一杯の愛情表現」かとも思ったが、本質は大きく違うところにあったことに気付くこととなる。
ある時、丈の持つスマホに送り先不明のメールが入る。そこには愉快犯・次元ライダーと名乗る人物から「田村凪咲を守るゲームをしよう」という内容のことが書かれていた。
真に受けていなかった丈だったが、普段と変わらぬ生活の中に凪咲の存在がプラスされ、付き合うでもなく自分に付きまとってくる凪咲に対し、若干の苛立ちを覚え始める。
そして凪咲は、丈と揉めているタイミングで、急に背後から自転車でやってきた人物に頭を撃ち抜かれて死んでしまう。気が付くと丈は教室で弁当を食べていた。そして、同級生の田村凪咲からあるお願い事をされる。「…もう一度、お願いします。私のことを守ってくれませんか?」と。
7's -セブンズ-の見所をチェック!!
圧倒的に引き込まれる世界観
例えば、普通に空を飛びまわったり、念じたらエネルギー波が手から出るような世界の住人は「死んでも大丈夫だ!なんとかボールで生き返れる!」みたいなことを言うわけだけど、仮に生き返れるとしてだ。果たしてどれだけの人間が恐怖を覚えずにいられるだろうか。
僕なら「死んでも生き返してやる!」とか言われても、そもそも一発目に死ぬのが嫌だし、メチャクチャ怖い。生き返れるとかそういう事が問題なんじゃなくて、そもそも痛い思いをしたくないんです。
いや、痛くなくても即死だとしても嫌だけど。だから「死んでもまたやり直せる」って言ったって、何度もその恐怖を味わうことになるって考えたら、そりゃ怖いでしょ。
でも怖いのはあくまでヒロイン。そのヒロインを救ってあげたくて、何とかして守ろうとするのが主人公という縮図です。主人公は殺戮のターゲットにはならず「ヒロインの女の子が死んだらやり直し」っていう設定が個人的には大きな見所だと思っています。
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ヒロイン以外の死は無効
個人的にメチャクチャ面白いと思ったのが、ヒロインの死でしかタイムリープのフラグは立てられないってことです。主人公はヒロインと一緒に、セオリー通りに警察に駆け込んだりするんだけど、まぁ当然ながら相手にしてもらえず、かと言って自分たちだけじゃ力不足だってことで、主人公の母親を頼るんですね。
それを信じる母親ってのも「うーん」って感じはしましたよ、当然。ウチの母親だったら絶対に信じないし。「あんた、変なクスリとかやってないでしょうね?」とか言われて終わりそうだし。
でも本作では、主人公の母親がメチャクチャ協力的。だからなのか、次元ライダーの矛先が母親に向くっていう何とも言えない感じ。でも主人公的には「母親が死んだから、やり直させて」と言えるわけもなく、その辺の心理描写も上手いと思いました。
7's -セブンズ- コミックス1巻を読んだ感想・レビュー
よくあるようなデスゲームとはまた違う魅力があって、タイムリープっていう概念もうまく使ってるし、すごく見応えのある漫画だと思いました。次元ライダーの目的とかヒロインが主人公を頼ってきた経緯とか、そういう部分がしっかりと説明で紐づけられるんだとしたら、すごく期待できるデスゲーム作品になるんじゃないかと。
逆に現時点では、不明な点が多すぎるというか…。そもそもヒロインが最初に主人公を選んだ理由もハッキリしていないので、初期設定のポテンシャルと勢いだけで読まされてる感じです。
あとは母親が死ぬという一種のクライマックスを既に持ってきているから、そうそう簡単にタイムリープはしない(タイムリープしたら母親が生き返って、逆に拍子抜けする)っていうのがアレだけど、今後どうなっていくのかが楽しみですね。
あとがき
タイトルのセブンズってなんやねん。