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「アダムとイブ」を読んだ感想・レビュー

アダムとイブ表紙
Ⓒアダムとイブ

「もし透明人間になれたら?」みたいな想像は誰しも一度はしたことがあるんじゃないかと思います。まぁ男性の多くは女湯とか銀行強盗みたいな話になってくるんだろうけど、後者に関しては「手に持ったお金は視認されるかどうか」みたいな部分は引っ掛かるよね。

ぶっちゃけ透明人間になれれば暗殺なんかはお手の物なわけで、ヤクザを襲撃するにはこれ以上ない適任と言っていいでしょう。というわけで今回は、特殊能力を持ったヤクザたちと透明人間のアクションバトルを描いた「アダムとイブ(全2巻完結済み)」を紹介します。

アダムとイブ あらすじ

衰退するヤクザ社会を立て直すべく、“スメル”と呼ばれる嗅覚に長けた男が結成した秘密結社―― その会合の突如、“透明人間”の襲撃を受ける! 1人、また1人と仲間が死にゆくなか、五感を研ぎ澄ましたヤクザ達が徐々に“透明人間”の姿を捉え始め…変哲なき密室空間が「透明人間VSヤクザ」という比類無きワンダーランドに変わる!

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ヤクザによる秘密結社の秘密

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Ⓒアダムとイブ

本作は秘密裏に活動しているヤクザたちが主人公の物語です。ただしずっと水面下にいると息が詰まってしまうということで、適度な息抜きを求めて酒・オンナをあさりに定期的に集まっているという感じなのかな。

場所はキャバクラ?高級クラブのような場所で、もちろんVIP席のような場所です。貸し切りにしているのかもしれないけどそこには一般客もいないし、席に着く女性たちには目隠しをさせるという徹底ぶり。

そして秘密裏に活動することが重要なのにも関わらず、主人公たちの存在や定期的な集会がバレてしまったという感じの流れになってます。で、その秘密を漏らしたのは誰か…みたいなところから始まる物語です。

五感に関する特殊能力を持ったヤクザたち

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Ⓒアダムとイブ

本作に登場するヤクザたちは五感に優れた特殊能力を持っていて、例えばリーダー格の男はスメルと呼ばれていて「嗅覚に特化したヤクザ」です。ありとあらゆるにおいを嗅ぎ分けることができ、汗のかき方なんかによってもにおいが変わるのか、嘘をついた人間なんかもにおいで判別できるという超能力を持っています。

主人公は過去に警察犬でも探し当てられなかったヒットマンを見つけることに成功し、それきっかけでヤクザの世界で出世したという設定になっていて、とにかく常識を大きく逸脱している特殊能力を持っていると言っていいでしょう。

他にも味覚、視覚、聴覚、触覚に優れたスペシャリストが存在しており、これらのヤクザが一堂に会して親睦を深めているわけですから、これを邪魔されたとなればヤクザの面子としても許すわけにはいかないはず。

ヤクザ vs 透明人間 の特殊能力バトル

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Ⓒアダムとイブ

本作最大の見所は「透明人間による襲来」です。ヤクザ業界で言えばカチコミってやつなんだろうけど、姿・形が見えない2人組の襲撃ということで、主人公たちは自らの特殊能力を使って応戦するっていう流れになっています。

嘘をついているかどうかがにおいで判断できるほどの嗅覚の持ち主だったら、いくら相手が透明と言えどその実態を捉えることくらい出来そうじゃないですか?聴覚なら足音で見破れそうだし、視覚なら絨毯のへこみとかを察知できそうな気もするし…。

もちろん透明人間もただ透明なわけではなく、それ相応の武闘派であることは間違いないんだけど、五感に優れたヤクザたちと透明人間のどっちが勝つかっていう部分が本作最大の見所と言っていいでしょう。

アダムとイブ 全2巻を読んだ感想・レビュー

全2巻でめちゃくちゃスピーディーです。無駄な部分がほとんどないし、むしろ説明不足に感じるくらいで「これってこういうことなのかな?」って読み手側で判断することも必要なくらい。

簡単に言えば「スーパーヤクザ vs 透明人間」のバトルアクションなんだけど、透明人間が強そうだってことは分かりきってるじゃないですか?あとは視覚はさておき、触覚とか味覚がどう戦力になるのかって部分もそうだけど、嘘を見抜けるほどの嗅覚と透明が戦ったらどっちが勝つかっていう部分は、多くの読者が全く予想できないバランスじゃないかと思いました。

個人的には秘密が漏れてから透明人間が襲撃してくるまでのあらすじなんかも描いて、サスペンス要素込みで全3巻~全5巻くらいのボリュームで読みたかったです。スピーディーな展開のヤクザ漫画や透明人間とのバトルが見たいという人には文句なしにおすすめ。

あとがき

五感の方は特に「これが欲しい!」っていう能力がないような気がする。