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「範馬刃牙」を読んだ感想・レビュー

範馬刃牙表紙
Ⓒ範馬刃牙

格闘漫画の金字塔的存在であるバキシリーズの三作目がこちら。前作は死刑囚たちとのバトルが中心の世界観でしたが、本作では遂に地上最強の親子対決がテーマになっています。

人間離れした父親とそれに近付くほど成長してきた息子…。果たして軍配はどちらに上がるのでしょうか。というわけで今回は、地上最強の生物 vs 地上最強の高校生を描いた「範馬刃牙(全37巻)」を紹介します。

範馬刃牙のあらすじ

板垣恵介入魂、「バキ」最終章!!地上最強の生物・範馬勇次郎VS地上最強の高校生・範馬刃牙。かつてないスケールの親子喧嘩がここに開幕!!だれも体感したことのない闘い、見たこともない敵、すべてが刃牙をおそうッッ!!

  • 実戦シャドーファイティング編
  • 超絶!!監獄バトル編
  • 野人戦争(ピクル・ウォーズ)編
  • 強者達の闘い編
  • 地上最強の親子喧嘩編

範馬刃牙の見所をチェック!!

地上最強の親子対決が実現

範馬刃牙1
Ⓒ範馬刃牙

本作の最大のテーマは地上最強の親子対決が遂に実現するという部分です。前作、前々作でも主人公の刃牙と父親の勇次郎が対峙する場面はありましたが、今回はちゃんと「対決・喧嘩」と言っても問題ないほどしっかりと拳を交えています。

これまでの刃牙シリーズを読んできた読者からすれば「いくら刃牙が強くなったとてあの勇次郎と勝負になるとは思えない」っていう感じになるんじゃないかと思うんだけど、まぁちょっとイレギュラーな形であるとは言え、ちゃんと殴り合ってるし一応の決着もつきます。

これは刃牙シリーズのファンなら絶対に見届けておきたい瞬間と言っても過言ではありません。ちなみに本作の冒頭時点で勇次郎との対決に向けた準備が始まり、実現するのは全37巻中の後半も後半です。

それでも途中にはあの刑務所最強キャラや原始人との戦いなど見所たっぷりなので、メインディッシュに至るまでも退屈することなく読み進めることができるのではないかと思います。

現実を超えるシャドーボクシング

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Ⓒ範馬刃牙

シャドーボクシングに限らず素振りでも何でもいいんだけど、イメージトレーニングっていうのはどれだけイメージをリアルに近付けられるかっていうのが重要だと思うんです。何も考えずに身体を動かすのではなく、どこまで実戦をイメージして身体を動かすかによって成長のレベルも変わってくるじゃないですか?

で、本作にかかればイメージがリアルを超えます。地球上の全生物が同じ体重だったらっていう仮定を考えてみると昆虫がすごいっていうんで、刃牙がカマキリを相手にイメージトレーニングをするっていうね。しかもこのカマキリの攻撃は超リアルで、イメージなのにリアルすぎて刃牙が怪我をするという…なんか色々とすごい。

ちなみに本作ではこのイメージっていう概念が随所に登場するんだけど、途中から恐竜だなんだっていうイメージバトルに発展すると言っても過言ではありません。アフリカ象も勇次郎には敵わないかも知りませんが、大型肉食恐竜なら…みたいな可能性が大きな見所です。

最強の原始人が現代で蘇る

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Ⓒ範馬刃牙

本作のメインが親子対決であることは間違いないんだけど、それに匹敵するくらいのメインになっているのがピクルと呼ばれている原始人です。天然のコールドスリープによって保護されていた彼は、約1億9000万年振りに目覚めることになります。

このピクル、長年の眠りにつくまでは恐竜を捕食していたということで、戦闘能力も大型肉食恐竜と遜色がないという設定です。あまりにも原点に立ち返った強さということで多くの格闘家を魅了し、これまでのシリーズに登場した格闘家がピクルに挑むっていう展開があるんだけど、これがまぁかなり衝撃的です。

ぶっちゃけこれまでのシリーズを見ていると「勇次郎と刃牙の間には誰もいない」って思ってしまって、言い方は悪いけど「刃牙以下の連中=雑魚の寄せ集め」みたいに見える瞬間がありました。でもピクルの登場によって「もしかして刃牙より強いんじゃね?」みたいなワクワク感を感じられます。

このピクルとのバトルで現代の格闘家たちが何を得て何を失うのか。そしてピクルを相手に勝利を収めることができるのかに注目です。

範馬刃牙 全37巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

愛のある弄りをしたくなるほどのネタのオンパレードで終始退屈しないんだけど、全体を通して「前もこんなシーンなかったっけ?」っていう場面がめちゃくちゃ増えてきたように思いました。

特に後半の親子対決はとにかく進みが遅い!ボクシング漫画で言えば「10カウント数えるのに10ページ使ってるのでは?」くらいのスローペースで、コマ割りも大きいからコミックス一冊で全く話が進まない!

筋肉の美しさとか流動的なバトルの迫力みたいなのは分かるんだけど、それにしても1話1話のあっという間に読み終わってしまう感は、面白いって以外の部分にも大きな理由があると言えそうです。ただ、今作も文句を言いながら最後まで読んでしまいました。

ピクル編は面白かったし、親子の関係もひとまず落ち着いて良かったと思います。親子対決に関しては納得しにくい部分もあったけど、勇次郎の強さがインフレしすぎてるからまぁ仕方ないのかなぁという感じ。いずれにしても悪い意味で「1話があっという間に読み終わってしまう」という部分を除けば、何だかんだで読まされてしまう格闘漫画と言っていいでしょう。文句は言いたくなるけど面白いと思います。

あとがき

刃牙が勇次郎に近付いたというより、勇次郎が人間側に降りてきたって感じ。