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「遺書、公開。」を読んだ感想・レビュー

遺書、公開。表紙
Ⓒ遺書、公開。

遺書は書いたこともなければ読んだこともありません。ただ、どういう顔で書くんだろうなーっていう興味はあります。そんな「遺書」から始まる中学校の某クラスを描いた作品がこちら。

タイトルの通り死んでしまった女子生徒の遺書を公開するっていう内容なんだけど、色んな伏線が絡み合って先の展開が気になる作品と言っていいでしょう。というわけで今回は、死者からの遺書を巡るダーク感満載のサスペンス「遺書、公開。(連載中)」を紹介します。

遺書、公開。のあらすじ

灰嶺中学2年D組は新学期に「2-D序列」と題したクラス全員の序列が記してあるメールが届く。しかし、“序列1位”の姫山椿はクラスの不穏な空気を打ち破る。姫山のおかげで普通のクラスになったかと思われた11月──。姫山が校内で自殺してしまう…。葬儀の帰りに教室に戻ったクラスメイト達の机に姫山椿から「遺書」が置かれていた! 死者からの「遺書」を巡り2年D組の闇が暴かれる!?

遺書、公開。の見所をチェック!!

誰によってどのような基準で決められたかが不明な序列

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Ⓒ遺書、公開。

本作は誰かのいたずらなのか何なのか、あるクラスの「序列」についてのメッセージがクラス中に通知されることから始まります。この序列は単純な成績順っていうものではなく、多くの生徒が謎だと感じるものでした。

でもクラスの中にはこれを受け入れる人物が結構いて、頭のどこかではこの序列を意識してたのかも。少なくともクラスの空気感を変えるのには十分すぎるほどの出来事だったと言って良さそうです。

ちなみに本作のストーリーはこれがきっかけで回り始めたと言っても過言ではないので、できればここはちゃんと伏線として回収してほしい。誰が何の目的でこの序列を決めクラス中に周知したのか…この真相に注目です。

序列1位の女子生徒が自殺してしまう

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Ⓒ遺書、公開。

序列の最下位が「なんで俺がこんな奴に負けるんだ!」みたいな感じのご乱心で自殺してしまうっていう展開は驚かないし、定期的に入れ替わる序列システムを利用して「最下位が自殺してしまう系のデスゲーム」みたいなのも簡単に想像できます。

でもなぜ序列の1位が自殺をしてしまうのかっていうのは、結構なレベルの謎と言えるのでは?序列下位の人間による妬みみたいなものからの他殺ならまだ理解できるけど(ちなみに序盤では自殺ということになってはいるものの、他殺の可能性も完全に否定されたわけではありません)。

なぜこの人物が序列1位に選ばれ、そして自殺してしまったのかは本作最大の見所だと思います。ここにサスペンス的な要素がめちゃくちゃ詰まっているので、単なるダークな物語に終始しないためにもここの理由付けには序盤から期待度大です。

クラス全員の机に遺書、そして公開へ

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Ⓒ遺書、公開。

序列1位の女子生徒が自殺してしまった後は、その女子生徒からクラス全員に宛てた遺書が各人の机に置かれているという、これまた超が付くほどの謎展開を迎えます。「この遺書は本人が書いたものなのか」や「なぜ亡くなったのにみんなの机の上に置けるのか」みたいなことを含め、先行きがめちゃくちゃ気になる展開です。

そしてこの遺書に書かれている内容についてクラス会で発表しあえば、女子生徒が自殺してしまった理由が分かるんじゃないかという理由から、放課後のホームルームの時間を使って一人ずつ遺書を読み上げるという流れになります。

もしいじめられていたとかがあったなら加害者の名前が書かれてるんだろうけど、ここで読まれる遺書はそういうやつじゃありません。一見すると感謝みたいな感じのことが書かれているのに対し、残されたクラスメートたちが邪推するというか「そこにはこう書いてあるけど本当はこうだった!」とか「それってこういう意味なんじゃ…」みたいな感じで、遺書を読んだ人間を追い詰めていくという感じ。

全部が空想で進んでいくから釈然としない展開が続くものの、少なくとも「遺書を公開した人間がやり玉に挙げられる」という不気味さは膨らむばかりで、この一連の出来事の首謀者と目的ばかりが気になる展開に夢中になること間違いなしです。

遺書、公開。 序盤を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

序盤からかなりの大風呂敷を広げたダーク感満載のサスペンスという感じ。悪く言えば「自殺した女子生徒の遺書を読みあって『お前のせいで死んだんじゃないか?』みたいなことを推測で押し付けあう漫画」って感じなんだけど、張り巡らされた伏線の回収の仕方次第で神作と駄作のどっちにも転びそうな漫画という印象を受けました。

どんな基準で決められた序列だったのかも気になるし、女子生徒が自殺してしまった理由(あるいは他殺されることになった理由)などが明らかになって、それに対して「そういうことだったのか!」ってなるならめちゃくちゃ面白い作品っていう評価になると思います。

これが逆に「あれは結局何だったの?」とか「え、そういうのってありなの?」みたいになると、一気に駄作まっしぐらじゃないかと。まぁこれはサスペンス漫画全般に言えることだけど。この先の展開に期待しています。

あとがき

遺書を公開しようっていう発想になるこのクラスがやべー。