僕が人と初めて麻雀を打ったのは高校生の頃だったんだけど、この頃は麻雀漫画も積極的に読んでいました。麻雀漫画にも色んな種類があるので簡単に比較はできないものの、個人的には本作の雰囲気が一番好きかもしれません。
あからさまに恐怖心を煽ってくる演出もなければ、平打ちで役満の応酬が始まるようなこともなく…長編でいつ終わるかわからないっていう不安感を除けば面白さしかない麻雀漫画と言っていいでしょう。
というわけで今回は、天性の強運と感性を武器に戦い抜く麻雀漫画「天牌 麻雀飛龍伝説(連載中)」を紹介します。
天牌(麻雀飛龍伝説)のあらすじ
麻雀を愛する想いは誰にも負けない――!!天性の強運と感性を武器に、牌と共に生きる決意をする沖本瞬!!かつての同級生たちが社会と折り合いをつけて生きていく中、彼はひたすらに、ひたむきに、卓上の闘いへと身を投じていく!!「俺は一体、どのくらい強いのか!?」…今、激しい伝説の幕が上がる!!
天牌(麻雀飛龍伝説)の見所をチェック!!
超長編になった麻雀漫画
僕が麻雀漫画を読み始めた時点で既に50巻は超えてたんだけど、今や100巻を超えるほどの長編漫画になりました。麻雀漫画って短命なものが多くて、ちょっと人気が出れば長く続く傾向もあるっちゃあると思うんだけど、それにしても長い麻雀漫画です。
間違いなく人気があるから継続されているし、奇をてらった表現をしていないから飽きにくいっていうのが大きいと思います。これが必殺技みたいなものがガンガン出てくる麻雀だったらここまで長く続かなかったはず。
ヒキの部分で圧倒的な力を発揮したりはするけど、すごくリアルな麻雀の雰囲気が感じられる作品と言っていいでしょう。実際の麻雀が好きな人にこそおすすめしたい麻雀漫画です。
裏社会を麻雀で生きていく覚悟
本作の主人公は会社に勤めているわけでもなければ学校に通っているわけでもなく、麻雀で生計を立てていくことを決めた人間です。毎日のように入り浸っていた雀荘が潰れたことをきっかけに、各雀荘を放浪する道場破りみたいな感じになっていくんだけど本人の覚悟が凄まじいんですよね。
当然シチュエーションや雀荘によっては目立ってる奴を叩きに来るくらいのことは平気でするし、一人をカモにするってことを常習的に行っている雀荘もあるわけで、アウェーで勝ち続けるっていうのはそれ相応の覚悟も必要じゃないですか?
本作はそういう覚悟の表現がめちゃくちゃ上手い!カタギなんだけどカタギのように見えないというか、ただの麻雀打ちじゃないっていう空気感が堪能できます。ヒキだけで役満がポンポン出るような漫画にぬるさを感じているという読者にはマジでおすすめ。
最低限のイカサマ、勝ち続けるための技
もちろん麻雀っていうのは技術以上に運の要素も絡んでくるので、ヒキだけで勝ち続けるっていうのはまず無理です。漫画ならできるんだろうけど、それをやっちゃうと飽きられるのも早そうじゃないですか?
というわけで麻雀漫画の中には平打ち重視かサマ重視かっていう二つのテイストが用意されていると思います。本作はヒラを重視しているんだけど、イカサマを全く使わないという健全な麻雀でもありません。このバランスがめちゃくちゃ良いと思いました。
特に僕の場合、ヒキで常勝される系の麻雀漫画を読むと「そんなに上手くいくかなぁ…」って思っちゃったりもするので、そういうのが無いっていうだけでもめちゃくちゃ夢中になれる麻雀漫画だと思っています。
鬼気迫る場面やプレッシャーの表現が巧み
主人公は最強の麻雀打ちではあるんだけど「世の中にはもっと上がいる」という感じの流れになっているんで、最強の主人公が勝ち続ける系のストーリーとはまたちょっと違うんですよね。
だから「どうせ主人公が勝つんでしょ?」みたいな冷めた感じにもならず、勝負の時の緊張感がある麻雀漫画と言っていいでしょう。たぶんこれがあるから長編漫画としてやっていけてるんじゃないかと思います。
厳しさだらけの決して甘くない世界がしっかりと再現されていて、手に汗を握るようなプレッシャーを感じられる流れは本物です。鬼気迫るような迫力のある麻雀漫画が読みたいという人はぜひ。
天牌(麻雀飛龍伝説)を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
そこまで麻雀が好きでもない人が今から100巻を超えるような長編漫画に手を出すのは難しいと思うんだけど、本当に麻雀が好きで暇さえあれば麻雀が打ちたいってくらいの人は、イチから読み始めても後悔しないくらいの麻雀漫画だと思います。
個人的にはこれまで読んできた麻雀漫画の中で、かなりリアルな世界が再現されているんじゃないかと思うし、実際の麻雀打ちが好みそうな雰囲気を持っていることは間違いないでしょう。
麻雀漫画にありがちな「負けたら指」みたいなあからさまな狂気みたいなのはないけど、普段の対局から命を張っているようなヒリつく感じがあるので、麻雀が好きな人には文句なしにおすすめです。
ちなみに本作はキンドルアンリミテッドに加入していると50巻近くまで無料で読めるので、本作に興味があるならこの方法で読んでみるのもおすすめします。
あとがき
100巻を超えちゃうと買い揃えるのも読むのも大変なんだよなぁ。