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「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」を読んだ感想・レビュー

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~
Ⓒしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

YouTubeを見ているとアンチという存在やワードを耳にする機会が度々あって、場合によっては「アンチってそこまでするの!?」って衝撃的なこともあれば、場合によっては「それは誹謗中傷というか批判じゃね?」って思うようなケースも。

いずれにしても現実社会では本音と建て前を使い分けることが多いとされている日本の文化において、顔がバレないネット上ではまぁ罵詈雑言の嵐っていう現場をよく見ます。で、それも度を超すと相手に訴えられたりなんかして。

ぶっちゃけ誹謗中傷した方はもう自業自得だと思うんですが、こんな世の中だからこそ誰しもが被害者になり得ると思うんです。そういう時のためにお勧めしたいのが本作!というわけで今回は、情報化が進んだ現代の闇に迫る法律漫画「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~(連載中)」を紹介します。

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~のあらすじ

ネット炎上・SNSトラブルに遭ったことはありますか? いわれのないガセネタで炎上して誹謗中傷の的になってしまったブロガー主婦が弁護士の無料相談所へ。出会った弁護士はネット案件に強いみたいだけど、だいぶ変わり者…? 誰もが今日にも被害者に、そして加害者になる、現代の闇! 他人事ではいられない誹謗中傷&情報開示請求のリアルドラマが幕開けです!

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~の見所をチェック!!

誰にでも起こり得る現代の闇がテーマ

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~
Ⓒしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

インスタやらTwitterなんかでもそうですが、割と頻繁に手斧が飛び交っているじゃないですか?ヤフコメなんかもはや不法地帯かってくらい酷いコメントが散見されます。こういうコミュニティと距離を置いている人はさて置き、普通に利用している人ならまぁ1回か2回くらいは誹謗中傷をされたことがあるのではないでしょうか。

僕自身、こういうブログをやっていることもあって、まぁそれなりに批判コメントを頂戴することがあります。大半は批判で、誹謗中傷はそんなにないですけど。YouTubeなんかを見ていても「なんでそこまで言うの?親でも殺されたんか」ってくらいの罵詈雑言を見かけることは決して珍しくありません。

でも芸能人なんかが相手だと好き勝手書く人間は一定数存在していて、最近は芸能人側が「看過できない、法的手段に出る」というケースも増えてきたように思います。こんな時に「もし訴えられるとしたらどうなるの?」っていうのが描かれている漫画作品です。

ちなみにテーマはネット・SNSが主体になっているので、まさに現代の闇と法律を分かりやすく漫画にしている作品と言っていいでしょう。

一見すると誠意の欠片も無さそうな弁護士が主人公

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~
Ⓒしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

弁護士にも色々いるとは思うんだけど、やっぱ弁護士に相談しに行くときってどうやったって愚痴っぽくなったりするじゃないですか?そういう時は黙って話を聞いてくれる弁護士に好感を覚えてしまいそうな気もするんですが、本作で描かれている弁護士は「しょせん他人事ですから」と言い放つようなドライな弁護士です。

ただし言っていることは間違ってなくて、本音を言ってくれるという意味では頼りがいがあるんじゃないかと。やっぱ建前を全面的に押し出すよりも「ちゃんと報酬が貰えるなら満足のいく結果を出しますよ」ってくらいにドライな方が信頼できるケースも多分にあるわけで。

「ブログであることないこと言われて責任を取らせたい」と言おうもんなら、返す刀で「謝罪させたいんですか?それともお金ですか?」みたいな歯に衣着せぬ物言いは、読んでいて爽快感すらあります。自分のことだとアレだけど、他人事だからこそめちゃくちゃ面白いエンタメに昇華していると感じました。

「裁判になるとどうなる?」という疑問が分かりやすく解決

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~
Ⓒしょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

情報開示請求っていうキーワードは聞いたことがありますが、不特定多数が利用するネット掲示板なんかでプロバイダーから情報を割り出し、書き込んだ人物(正確にはパソコンの情報かな)を特定するところまでは何となく分かっていました。

じゃあそこからどうなるのかって意外と知られていないんじゃないかと思うんです。というか民事裁判自体、負けたらどうなるのかとかあんまり分からなくないですか?罰金を払えってなっても、それを差し押さえなきゃならないのは自分だったりもして、色々面倒な印象しかないんですよね。

で、じゃあ実際にSNSなんかで誹謗中傷をして訴えられてしまった場合、どういう流れで最終的にどうなるのかってことが分かりやすく描かれています。さらに「毎月〇万円を支払う」みたいな結果になったとして、それを反故にしたらどうなるのかってところまでバッチリです。

個人的にはネットで誹謗中傷するのにも熱量が必要だと思うんで、こういうことは絶対にしないって人も少なくないとは思うんだけど、ネットを利用しているのであれば誹謗中傷されるパターンは誰しもが可能性あると思うので、本作を読んでおくといつかは役に立つかもしれません。

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ コミックス1巻を読んだ感想・レビュー

コミックス1巻では誹謗中傷されたママブロガーと、誹謗中傷したママ友のバトルが展開されています。ブログとかYouTubeやってる人なら誹謗中傷されたことが一度はあるんじゃないかと思うんだけど、大半は泣き寝入りというか無視したと思うんです。

「もしそれを無視せずに訴えてたらこうなったんじゃないか?」っていう一部始終が見られるので、ネット上で誹謗中傷されて傷付いた、もしくはイラっとしたという経験がある人にはもれなく刺さると思う。これを読んで「もしこういうことがあったら訴えてやろう」と思うのか、それとも「この程度なら消耗したくないから無視するか」って思うのかは人それぞれだろうなと。

いずれにしても人間性はドライでも仕事はバッチリこなしてくれるっていう主人公の設定も分かりやすく、因果応報的な流れも面白いです。小学生とか中学生の道徳の授業で取り扱ってもいいんじゃないかってくらいに勉強にもなりました。楽しく法律の勉強ができるという意味でもおすすめ。

あとがき

「しょせん他人事ですから」が決め台詞、ドラマ化待ったなし。