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「記憶屋」を読んだ感想・レビュー

 

僕はノスタルジックな雰囲気が好きで、今でも「ぼくのなつやすみ」の新作を待ってるし、ラーメン博物館の雰囲気はたまらなく好きだし…。

そんな僕が「ノスタルジックホラー」なんて漫画ジャンルを聞かされたら、読まないわけにはいかないでしょ。元々、小説がコミカライズされた作品らしいんだけど、迷わずコミックスの方を手に取りました。

結果、良い意味でも悪い意味でも「これってホラーなのか?」と思ったので、今回は「記憶屋(全2巻完結済み)」を紹介します。

 

 

記憶屋 あらすじ

大学生の遼一は、都市伝説の流布についての研究を行っていた。彼の周りで囁かれる「記憶屋」という“記憶”を食らう怪人の存在。そして、身近な人が不自然に記憶を失うことが現実に起こり――。果たして記憶屋は実在するのか!? 記憶を消すことの善悪とは!? シリーズ累計30万部突破のノスタルジックホラーをコミカライズ!!

第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した作品のようです。

あくまでコミックスに対してですが、個人的にはホラーという印象は受けず、「ノスタルジックな雰囲気を持つ、都市伝説・オカルト」という印象を受けました。ちょっとサスペンスの要素もあるかな。

少なくとも「ホラーや怖い話が苦手」という人でも読める作風であることは間違いないので、そういう人も手に取ってみては?

 

記憶屋の見所をチェック!!

記憶屋は敵なのか、それとも味方なのか

 

本作に登場するのは「記憶屋」と呼ばれる、人の記憶を消す能力を持った人物(人物というか正体不明)です。人には誰しも忘れたい記憶が1つか2つはあると思うんだけど、自分の身の回りで立て続けに記憶を無くした人が出てきた場合、いくらそれを本人が望んだからと言っても、記憶屋に対して「こいつ、野放しにしておいたら危険じゃね?」的な感じはあると思う。

そこから記憶屋の正体を探るようになるわけだけど、最終的に「記憶屋は敵なのか、それとも味方なのか」って部分はすごく気になるんじゃないかと。なんなら1つの予想として「記憶屋がどうこうじゃなくて、記憶を消したいと思うこと自体が、その本人の心に潜む悪なのかもしれませんね」的な終わりになるような気もしないでもない。

 

共感から引き込まれる物語

 

みなさんも「出来ることなら消したい記憶」ってありませんか?たぶん90%以上の人が「ある」って答えるんじゃないかと思うんだけど…。本作でも「幼少の頃のトラウマ」とか「失恋の経験」とか、多くの読者が共感できる「忘れたい記憶」にスポットが当てられてるので、一種のあるあるじゃないかと思います。

例え幽霊とかオカルトとか都市伝説を全く信じないという人でも、自分にとっての興味や共感をくすぐられると夢中になると思うんで、そういう意味でも秀逸な走り出しだと思いました。

徐々に真相が明らかになっていく感じもgood。全2巻というペースが、長すぎず短すぎず。冗長になって冷める感じもなく、一気に真相に辿り着けるので、せっかちな人でも楽しめるかと。

 

様々な角度からの「記憶を消す」という行為

 

記憶を消すっていうパターンにも色々あって、単に自分が忘れたい記憶もあれば、逆に周りの人に忘れて欲しいってパターンもあるじゃないですか?例えば「サークルの飲み会でベロンベロンに酔っぱらって、周りに迷惑をかけまくってしまった」なんてのは、本人からすれば酔って覚えてないことが多いわけで、どっちかっつーと周りに忘れて欲しい記憶だと思うんです。

こういう作品を読んでると、さすがに「記憶なんてどうやって消してんの?」みたいな野暮なことは言わないまでも、「自分のじゃなくて相手の記憶を消すことって出来ないの?」とは思ったりもして。

作中でそういうパターンにもしっかり触れてくれているのは、素直にありがたかったです。小説として受賞した作品がコミカライズされてるだけあって、全2巻の物語が綺麗にまとまっているように感じました。

 

記憶屋 コミックス全2巻を読んだ感想・レビュー

まず「ノスタルジックホラー」として読むと、悪い意味で期待を裏切られてしまうんじゃないかと思います。僕は2020年4月にこの感想紹介記事を書いてるけど、この段階ではkindleレビューがまだ1件もなくて、本作に対して周りの人がどう感じたかってのが参考程度にも分かりません。

それでもホラーは違うんじゃないかなって思う。オカルト・都市伝説の要素はあるけど、興味深いってジャンルであって、怖いっていう要素はあんまりないです。

記憶屋の正体というか結末に関しては、賛否両論あるんじゃないかと。個人的にはもっと別の結末を期待したかったけど、「最後のあれってどういう意味?」という感じで、含みを持たせてくれている部分については上手な見せ方だなぁと思いました。

全2巻でサクッと読めるし、都市伝説とかオカルトが好きなら読んでみるのもアリです。

 

あとがき

小学校の頃に学校でおもらしした記憶をどうにかして欲しい。自分のというよりも周りの。

 

 

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