野球漫画の花形といえば、今は4番ピッチャーなのかな。僕が幼少の頃も4番ピッチャーの人気はえぐかったけど、4番サードもめちゃくちゃ華のある存在でした。
本作ではミスタージャイアンツ・長嶋さんを例に挙げてるけど、他にも掛布さん、原さんなどの人気選手が存在します。今も4番サードっているのかなぁ…。いずれにしても野球少年にとっては憧れの存在であることは間違いないでしょう。
というわけで今回は、4番サードがチートアイテムを手にする野球物語「青山剛昌短編集 4番サード(全1巻完結済み)」を紹介します。
青山剛昌短編集 4番サード あらすじ
“ミスタージャイアンツ”長嶋茂雄と同姓同名というだけで、野球下手なのに4番バッターにまつりあげられてしまった長島茂雄。彼は偶然見つけたスポーツ用品店で、どんなボールでも打てる「神様のバット」を手に入れるが……
青山剛昌短編集 4番サードの見所をチェック!!
4番サード長島茂雄
本作の主人公は長島茂雄という名前なので、高校野球で4番サードに任命されたという話です。ただし実力は本物の足元にも及ばず、50打席ノーヒット等の不名誉な記録を樹立する始末。
今の時代にこれをやってしまうと「これはいじりじゃなくていじめ」みたいな話になってしまいそうな気もしますが、チームメイトからの信頼は厚く、本人も必死に努力している人柄が見て取れます。
幼い頃に誰もが想像した夢のアイテム
本作が通常の野球漫画と大きく異なるのは、魔法のアイテムが存在することです。その名も「神様のバット」と言い、ポケットに入れたお金の額に応じてバッティングの結果が出るというもの。
ちょっとずるいような感じがするものの、誰しもが一度は想像したことがあるような夢のアイテムに心が躍らない読者はいないでしょう。そして良いことばかりではなく、お布施をしなければならないというgive & takeも抜かりありません。
この魔法のアイテムを武器に、長島茂雄はチームを引っ張っていく4番サードになる…という感じ。
ライバルの出現と不穏な空気
「まぁお金で成績が買えるバットがあるなら、もしかしたら似たようなアイテムが他にあるんじゃ…」と考えるのは自然の流れです。まさに「ほこ×たて」の流れ。
はっきり言って初期設定を知った段階で、こうなることは予想できたって読者がほとんどだろうし、この時点で想像できる結末も大体想像通りかと思います。悪く言えばありきたりってことなんだけど、個人的には「こういうのでいいんだよ!」って思うような平和さと懐かしさを感じました。
工藤(というかコナン君) vs 服部って感じの戦いは、野球に興味がなくても名探偵コナンのファンなら熱くなれる瞬間です。
青山剛昌短編集 4番サード 全1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
上の方にも書いたけど、魔法のバットっていう概念が出てきた時点で「もしかして…」と予想した物語の展開と結末がドンピシャで当たりました。そういう意味では、割とよくある感じの物語です。
主人公がままでコナン君で高校生に見えないシーンも少なくないし、グローブを突き破って打球がスタンドインするという感じの野球漫画なので、野球漫画ファンというよりは名探偵コナンが好きな人やファンタジー作品が好きな人におすすめしたいと思います。個人的にはちょっとした懐かしさのようなものを感じつつ、なんか教訓が得られるような平和な物語にうっとりしました。
あ、ちなみに短編集ってなってますが、よくある感じの「何本かのごちゃ混ぜエピソードをまとめて一冊の単行本に!」という感じではなく、最初から最後まで魔法のバットを軸にした4番サードの物語です。
あとがき
やってることは矛盾みたいなことだけど、物語は矛盾してない。