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「青色ピンポン」を読んだ感想・レビュー

青色ピンポン表紙

 

スポーツ漫画に怪我は付き物です。言うまでもなく「怪我をしない」が一番優秀なんだけど、僕らは「怪我をしてもそれを押して競技を続ける」みたいな絵に感動させられたりしちゃうんですよね。

個人的には怪我で無理をすることを美談とした価値観に疑問を持つようになってきたので、なるべく厳しい目を向けるように努めてはいるんですが、じゃあこれが怪我じゃなくて病気だったら…?というわけで今回は、徐々に記憶を失う病気との戦いを描いた卓球漫画「青色ピンポン(連載中)」を紹介します。

 

 

青色ピンポン あらすじ

その春、久々守秋人は高校入学を控えた15歳だった。 徐々に記憶を失っていく病におかされた秋人は、理心高校の2年生・夏目遥と、彼の身体に刻み込まれた“卓球”に出会った。 「美しいと思った」「どうしても欲しいものができた」…。だって、脳がすべてを失っても、肉体は“それ”を忘れない。だから、これは。 すべてを懸けるに値する出会いだった━━。
決して忘れ得ぬものを手に入れるため、初心者・秋人の挑戦がはじまる。

 

青色ピンポンの見所をチェック!!

タイトル、表紙から想像できないレベルの熱血系

青色ピンポン1

 

本作は努力・根性を全面的に押し出した熱血スポーツ漫画です。卓球初心者の主人公が血の滲むような努力をして、少しずつ開花していく(開花していくのか!?)という内容になってます。誰にも真似できないセンスとか才能よりも、反復練習で身に付けた技術に重みが置かれていて、おそらく「努力に勝る才能はない」という感じの流れになるんだと思いました。

部活が終わった後に遊びに行く誘いを断って自主練をする主人公の姿に感化されて、朝練の前から練習をする同級生たち。「あいつ空気読めねえ奴だなー」みたいな展開は一瞬で終わる平和な世界があります。

いずれにしても爽やかさを連想させる青色というよりは、血の滲む赤を連想させられるような熱血漫画です。卓球もハードなスポーツだとは思うけど、テニスみたいに「もう立てません!」みたいになる展開ってあんまりないでしょ?この漫画で見られます。

 

線が細かくて綺麗な絵

青色ピンポン3

 

前項では「爽やかな青というより血の赤」という表現をしましたが、もちろん爽やかさもあります。まずスポーツ漫画には付き物と言っていいくらいの嫌な奴が出てこないし、理不尽なしきたりや上限関係などのイライラ要素がないので、従来の熱血系漫画とは明らかにベクトルが違います。

そして何より絵が綺麗!絵の線が細かくて登場するキャラの多くが美男美女ばかりなので、ボロボロになってる姿すら爽やか。もし連載が長く続くようであれば卓球の王子様的な称号を手にするかもしれません。

中世的な男子部員が多くて、1人は必ずいる筋肉隆々の男臭いマッチョキャラですら爽やかなので、熱血漫画の必須要素と言ってもいい「汗臭さ」とか「泥水をすすってでも…」みたいな感が一切ないです。

まぁこれが良いか悪いかはさて置き、目の奥でメラメラと闘志の炎が燃えているかの様子はしっかり再現されているんで、今までにない新しい熱血スポ根漫画になるかも。

 

主人公は徐々に記憶を失ってしまう病気

青色ピンポン2

 

実際にそういう病気があるのかは分からないんだけど、本作の主人公は徐々に記憶を失ってしまう病気に侵されています。3年生になる頃には身体がもたないと本人が言っており、タイムリミットがある中での部活動という感じ。

卓球は他のスポーツよりも反復する回数が多く、頭で考えるよりも先に体が動くというスポーツの典型じゃないですか?それを踏まえると「忘れないものが欲しい」という意味で卓球を選択している部分がもう既に伏線になっているような気がします。

さすがに記憶がなくなって放置みたいな展開はないだろうから、「記憶はなくなるんだけど卓球きっかけで記憶を取り戻す」的な展開になるんじゃないかなぁと。まぁ穿った見方をすれば「ケガが病気になっただけじゃねーか」って気はしないでもないけど、すっげー応援しちゃいます。

 

青色ピンポン コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

表紙からは想像できないくらいの熱血系漫画だったので、最初はめちゃくちゃ驚きました。何なら表紙詐欺だと言っても過言じゃないくらい、表紙と中身で印象が違いすぎます(もちろん悪い意味じゃないです)。

努力できる天才という設定の主人公(初心者)が、入部してから地獄のようなトレーニングを続けて初めての校内戦で無双したり、経験者に勝っちゃうような展開を心配していましたが、どうやらその心配は不要かも。この手の漫画は校内から出たときのインフレも心配だけど、その辺も含めて大丈夫そうです。

あとは卓球漫画の成功例が少なすぎて、大半が10巻以内に終わっている(自分で終わらせたという感じじゃなく、大人の都合で終わらせられている)ので、本作にはその壁を越えてほしいです。

 

あとがき

だから俺はその卓球がいい。