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「外天楼」を読んだ感想・レビュー

外天楼表紙

 

コミックス全1巻の漫画が結構好きなんですが、中でも本作の斬新さは群を抜いていると思っています。石黒正数氏の作品は基本的にほぼ全てチェックしていて、その中でも本作はかなり上位で好きな漫画です。

ミステリなのかミステリーなのかはさておき、ミステリ作品って言われて読み始めてたら不穏な空気を感じたものの、最後の最後に大きな花火を打ち上げてくれた初見の時の感動は今でも忘れてしません。というわけで今回は、全1巻の超斬新ミステリー「外天楼(全1巻完結済み)」を紹介します。

 

 

外天楼 あらすじ

外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!

 

外天楼の見所をチェック!!

外天楼と呼ばれる建物で巻き起こるエピソード

外天楼1

 

本作は「外天楼」と呼ばれる建物(団地みたいな場所)で巻き起こる、全9話のエピソードを収録したミステリ作品です。ただしミステリ作品とは言っても、中には「確かにミステリっぽいっちゃぽいけど…」みたいなエピソードも少なくありません。

現に一番最初のエピソードは、外天楼に住んでいる三人組の少年とエロ本にまつわる話です。本屋さんにエロ本を買いに行ったけど挫折し、ゴミ捨て場にあったエロ本をゲットしたものの「ページが途中で千切れている」などの情報から、その雑誌を捨てた人物の趣味趣向を探ったりするという…。

最近の若い読者はもうエロ本なんて見る機会がないんじゃないかと思うので、この辺に共感できるかって言われたら微妙じゃないかと思います。でも一定年齢を超えた男性読者にとってはあるあるなので、こんなくだらない物語もめちゃくちゃ刺さるでしょう。

 

コメディーっぽい展開が多い

外天楼2

 

全エピソードでエロ本がどーのこーのとやっているわけではありません。中にはちゃんとした「殺人事件の捜査」みたいなエピソードも存在します。ただし、やっていることは結構ギャグっぽくてコメディーチックな展開です。

例えば上記画像のような密室殺人が起こったとして、気になるのは窓が開いている部分だと思うんですが、普通のミステリ作品なら「ここから犯人が逃げた」みたいなことが解き明かされたり、あるいは「犯人は普通に部屋に部屋を出た後、窓を使った細工によってカギを閉めた」みたいなことが証明される展開が多いじゃないですか?

本作は全然そんなんじゃないです。真面目に考えるのがアホくさくなるくらいのやつです(もちろん褒めてます)。真面目に読んでたら結末部分で「おいっ!」って突っ込まされること間違いなし。

 

外天楼に隠された驚愕の真実

外天楼3

 

実は本作はkindleレビューでも相当な高評価をされています。そもそも作者の石黒正数氏が描いた作品は面白い漫画が多いので、そのせいだっていう意見もあるとは思うんですが…。

ではなぜ本作が高評価を受けているかの本質については、外天楼に隠された驚愕の真実にあります。これは実際に本作を読んで、それぞれの読者の目で確認してみてください。僕が初めて読んだとき、構えながら読んでたのにも関わらずめちゃくちゃ驚かされました。

みんなが凄い凄いって言っているのを知って読み始めたので、叙述トリックとか序盤のミスリードなんかにも注意を払いながら読んだんですけど、それでも最後には驚かされたので。

 

外天楼を読んだ感想・レビュー

1つ1つのエピソードもコメディータッチで面白いし、かなり読み応えのある1巻完結漫画だと思います。ミステリって聞いて名探偵コナンみたいなのを想像して読み始めた人とかだと、悪い意味で面を食らっちゃうんじゃないかと思うんだけど、本作がミステリっていうジャンルは間違っていないです。

いわば作品ごとミステリになっているというか、とにかく斬新な漫画だと思います。個人的にはこれまでにも叙述トリックを駆使した短編漫画をたくさん読んできましたが、良い意味でここまで面を食らった作品は無かったです。

推理小説なんかで言うところの「最後のピースがカチッとハマる感じ」みたいなものが好きな人なら、めちゃくちゃハマるんじゃないかと思います。全1巻で読みやすいので、サクッと読める面白い漫画を探している人にはぜひおすすめ。

 

あとがき

マジもんの不思議系ミステリ。

 

 

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