後日談みたいな展開が結構好きで、本編でその伏線が張られているとなお夢中になってしまうんだけど…。本作はあの有名な教師物語・GTOの中のサイドストーリーです。
入院している時に病院を抜け出していた14日間の出来事っていうのがまぁ鬼塚らしいし、あのGTOの隠されていた部分が覗けるというのは嫌でもテンションが上がってしまうのでは?
というわけで今回は、GTOで語られなかった大殺界より最悪な2週間「GTO SHONAN 14DAYS(全9巻完結済み)」を紹介します。
GTO SHONAN 14DAYSのあらすじ
吉祥学苑中等部3年4組の担任教師・鬼塚英吉は、同僚の勅使川原に拳銃で撃たれ入院中。ところが、驚異の回復力で病院を脱走! 調子に乗りすぎて2週間ほど身を隠すハメになり、久し振りに地元・湘南に戻る。そこで児童養護施設の職員・白鳥あやめと出会い、施設に泊めてもらうことになり超ゴキゲン! 残念なことに鬼塚は、大殺界より最悪な2週間が待っていることを、まだ知らない……。
GTO SHONAN 14DAYSの見所をチェック!!
本編GTOのサイドストーリー的な物語
本作は本編「GTO」で語られていなかった空白の14日間を描いた作品です。語られていなかったとは言ってもネタ振りや伏線が張られていたということはなく、恐らく後付けで作られた物語じゃないかと思います。
本編では勅使河原に銃で撃たれて入院するシーン(GTO19巻参照)があり、実はそこで病院を抜け出してあることをしていたっていうのが本作のテーマです。
ちなみに本作は本編を読んでいないと全く楽しめないとは言いませんが、あくまで本編のサイドストーリーであってGTO本編を読んでからの方が楽しめるかと思うんで、本編が未読という人は注意してください。
あのGTOが帰ってきた!というワクワク感
スタジオで煙草を吸っていたり入院中なのにテレビ出演したりしているあたり、さすが鬼塚という感があって「あぁGTOが戻ってきた…」という思い出に浸る読者も少なくないでしょう。「入院中にお前なにしとんねん」って話ですからね。
しかもフリップに書かれているそれは前作のファンならたまらないエピソードと言ってもいいのでは?ちなみに本作は2009年~2011年の作品だけど、冗談だったとしても「樹海に生徒を生き埋めにしそうになった」っていうパワーワードよ。
ただし個人的には、前作と比べると所々に迫力が無くなったというか「もしかしてコンプライアンス的なものに忖度してるのかな?」って感じてしまうシーンが多かったように思います。悪く言うとちょっと物足りない。それでもGTOの空気感は堪能できるので、鬼塚がはっちゃける感じがまた見たいという人にはぜひ読んでほしいです。
学校ではなく児童養護施設が舞台
本作の舞台になっているのは中学校ではなく児童養護施設です。本編の方でも毒親、モンスターペアレンツの類は存在したものの、こっちは割と高い確率で家庭に問題を抱えている子たちとなっています。
だから自分の子供を虐待するような狂っている親と鬼塚が対峙する様子を見ることができるんですよね。本編の方みたいに「大人が信じられない」とかそういうやつじゃなく、原因がはっきりしていて分かりやすくも厄介な部分が見られると言っていいでしょう。
前作も親に構ってもらえない生徒の闇とかは凄かったけど、虐待されてるっていうヘビーなやつは無かったんじゃないかなぁ…。そうやって考えると本作で扱われてるテーマはかなり切り込んだものになっていると思います。
GTO SHONAN 14DAYS 全9巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)
久々にGTOの世界観が読みたくなり、完結から5年以上経ってから読んでみました。自分が年を取ったことも関係しているかもしれないけど、鬼塚のギラギラ感がマイルドになっていて、ちょっと物足りなさを感じたように思います。
児童虐待っていうテーマはめちゃくちゃ重いわけで、場合によっては親が施設に殴りこんでくるみたいな話もあるじゃないですか?相談所が家庭訪問しても取り合わないっていう話も聞くし、そういう重いテーマを扱ってるはずなのに、前作に感じた迫力が今一つ…。
もちろん鬼塚の人間性やちょっと適当で変態な一面は健在なので、あの鬼塚のキャラクターを堪能したいという人にはおすすめです。個人的には前作のキャラもあまり出てこないし、ちょっと物足りないと思ってしまいました。
あとがき
本編で言う19巻~20巻の間の2週間。