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「LOST MAN(ロストマン)」を読んだ感想・レビュー

LOST MAN表紙

 

スポーツ漫画も多様化してきていて、単にサッカーをやるだけじゃ読者に受けなくなってきているのか、本作はなんと主人公が記憶喪失になってしまいました。

全世界を飛び回ってプレイしているにもかかわらず、国籍も年齢も不明で、緩い国では書類を偽造するという…。こんな斬新なサッカー漫画は唯一無二ではないでしょうか。というわけで今回は、記憶喪失のスーパープレイヤーによるサッカー漫画「LOST MAN(全17巻)」を紹介します。

 

 

LOST MAN(ロストマン) あらすじ

ルーマニア・ブラショフ郊外でスポーツ代理人をしているサカザキと、自称記憶喪失のサッカー選手マツモトは、アルバイトの桂木詩乃を伴って、1部昇格を狙っている地元パレスFCに売り込みに行った。マツモトを使えば1部昇格は確実というサカザキに、監督の判断は…?

 

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ポジション「勝利請負人」の主人公

LOST MAN1

 

本作の主人公はスーパープレイヤーで、器用にどこのポジションもこなします。最初はルーマニアでサイドバック、その次はブラジルでゴールキーパーをするんだけど、それぞれチームの弱点に入って、チームの底力をアップさせるというスーパープレイヤーです。

ここだけ聞くと「なんだ、魔法系サッカー漫画かよ」って思う人もいるかと思うし、リアル志向のサッカー漫画が好きな人がそっぽ向いてしまうほど現実味はありません。でもキーパーをやっててもキャッチが下手っていうボロが出たりするし、トップリーグに行くとスーパーサブになったりもするので、そこまで突出しているという感じでもないです。

いずれにしても勝利請負人としてチームを勝たせるためには何でもやるし、実際にチームを勝たせていくという常勝街道が堪能できるでしょう。

 

主人公は記憶喪失で、サッカーをしながら自分の記憶を巡っていく

LOST MAN2

 

本作が通常のサッカー漫画と大きく異なる点は、主人公が記憶喪失で「サッカーが上手いということ以外、何もわからない」という点です。日本語は喋れるんだけど胡散臭い関西弁だし、箸は使えないし…。年齢不明、国籍不明というバックボーンで、各国を渡り歩いています。

ちなみにこの要素は、単にギャグ要素としてぶっこんできたというものではなく、そうなってしまった理由がしっかり用意されています。これがちょっとサスペンスチックになっていて、本来のサッカー漫画としての楽しさにプラスアルファが加わっているという感じ。

ぶっちゃけスポーツ漫画にサスペンス的な要素が加わると、めちゃくちゃ不思議な感じがします。本作に用意されている答えは読者によって賛否両論あるかとは思いますが、個人的にはサッカー+記憶喪失という組み合わせが「温かいアイスクリーム」のような不思議な面白さを感じました。

 

ビジネスライクな一面も

LOST MAN3

 

前項でも触れたように、本作の主人公は「自分の記憶を取り戻すためにサッカーをしている」という感じで、行動を共にしている代理人に絶対的な信頼を置いています。

その代理人はどんな人物かというと、とにかく主人公を色んなチームに売り込み、実績を作っている人物です。キーパーがいないチームには「優秀なキーパーがいるぞ」と声をかけ、条件さえ揃っていれば昨日までいたチームのライバルとも喜んで契約します。

チームの経済状況なんかもいち早く掌握し、少しでも好条件な所を選んで上り詰めていくという感じなんだけど、決してお金のためだけにやってるわけじゃなさそうだっていうのもポイントです。それこそ主人公の記憶を取り戻すことに関係しているであろうことは想像に容易く、最終的にどこまで上り詰めていくのか…序盤から楽しみが止まりません。

 

LOST MAN(ロストマン)を読んだ感想・レビュー

コミックス序盤を読んだ感想・レビュー

選手を売り込む代理人の駆け引きと、その期待にプレイで応える選手という関係が非常に心地良く、読んでいて非常にわくわくするサッカー漫画です。

ぶっちゃけブラジルの弱小チームとは言え、今までろくにやったことがないゴールキーパーとしてチームに加入できたり、ロスタイムでもないのにゴールを無人にして攻撃に参加したりと、まぁ無茶苦茶な描写も少なくないんだけど、そもそも記憶喪失でサッカーやってる時点でそこまでのリアリティはないので、個人的には許容範囲でした。

主人公が抱えている過去の真相、そしてこの先どのような展開に進んでいくのかが楽しみで仕方ありません。

 

コミックス全17巻を読んだ感想・レビュー

好き嫌いあるでしょうが、個人的には記憶喪失の真相みたいなものはちょっと受け入れがたく、物語の結末もちょっとイマイチでした。しかも徐々に明かされていくという感じじゃなく、最終巻付近になって次々と闇が晴れていくって感じだったので、お腹一杯のところにメインディッシュを出されたような感じっていうのかな…。とりあえずサスペンス要素は不要だったと思うくらいです。

一方サッカー漫画としてはすごく面白くて、どこまで上り詰めるのかとワクワクしたし、周りのレベルが上がってきて無双できなくなったっていうパワーバランスも見事だったと思います。

友情とかフェアプレイみたいなことを描くサッカー漫画が多い中、ここまで勝利にこだわった作品も珍しいんじゃないかと思うし、トータル的に面白いサッカー漫画だと思います。

 

あとがき

最後のあれは何だったの。

 

 

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