「地獄の教頭」を読んだ感想・レビュー

地獄の教頭表紙
Ⓒ地獄の教頭

小さい頃は出世することが正しいことだと思っていました。仕事を頑張ることが出世に繋がるのであれば、子供でいうところの勉強は大人の仕事に相当すると思っていたので。だから教頭先生になれるってことは校長先生に近づいているってことで、すごく喜ばしいことなんだと。

でも今は出世することばかりが全てじゃないって考えになったし、実際にそういう考えの人は多いんじゃないかと思います。そういう部分を痛感する教師漫画がこちらです。というわけで今回は、教頭先生によるハードボイルド学園ドラマ「地獄の教頭(連載中)」を紹介します。

著:大沼良太
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地獄の教頭のあらすじ

ごく普通の平和な学校に見える県立朱地高等学校だが…内情は不良教師、イジメ問題、モンスターペアレントなど放っておけば重大事件になりかねない問題が山積みであった。そんな学校に新たに教頭として赴任した近衛修文(このえおさふみ)52歳。この物語は、近衛教頭が時に狂気的とも思える覚悟を胸に、様々な問題に立ち向かう生き様を鮮烈に描いたハードボイルド学園ドラマである。

地獄の教頭の見所をチェック!!

教頭先生というポジションについて

地獄の教頭1
Ⓒ地獄の教頭

僕が教頭先生って言われて思い出すのってそれこそ小学校とか中学校の頃になるんだけど、ぶっちゃけ教頭先生が何をする人なのかっていうのをイマイチ理解していません。小学校の時は校長先生がいない時に代わりに集会で話をする人っていうイメージで、校長先生よりも話が終わるのが早くてすっげー良かったです。

言葉を選ばずに言うのであれば「校長の代理、次期校長、何かあった時の責任者」みたいなイメージが強く、そもそも高校時代に至っては教頭先生がいたかどうかすら思い出せないっていうね。

本作はそんな教頭先生が学校で巻き起こる様々な問題に対して、真向正面から立ち向かっていくという感じ。ちなみに熱血系とか感動系とかそういうやつじゃなく、問題さえ解決できればそれでいいというような冷酷さを感じる物語です。

様々な学校の問題を解決に導いていく様子

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Ⓒ地獄の教頭

学校の問題といえば色んな種類のものがあるじゃないですか?生徒同士のいじめ問題なんかもそうだし、非行に走った少年・少女が犯罪に手を染めていたり…PTAを巡る父兄たちのいざこざなんかもありそうです。

その全てに対して主人公の教頭が動くって感じなんだけど、今の時代には逆行しているかのような行動が少なくありません。口で言っても分からない人間には鉄拳制裁をバンバン与えていくし、それも制裁のレベルで済んでいるかどうかが微妙なラインなんですよね。

いずれにしても「地獄に堕としてでも教育する」とか「地獄に堕ちないと分からない人間もいる」という過激な思想を持っているので、従来の教師漫画とは大きくベクトルの異なる漫画と言っていいでしょう。

力づくの解決も辞さないダークな雰囲気

地獄の教頭3
Ⓒ地獄の教頭

設定上は52歳のおじさん先生なんだけどかなりの武闘派です。問題を鎮めることが目的になっているので、生徒に暴力を振るうことはあっても殺してしまうみたいな方向にはならず…。かと言って愛のある拳みたいなことでもありません。

生徒自身に問題がある場合もあれば、生徒の親や生徒をたぶらかしている仲間に問題があるケースもあり、そのほとんどを暴力で解決していきます。しかも全身に生々しい傷があって「もしかして過去に拷問でもされましたか?」ってくらい、とにかく過酷な人生を歩んできた感がすごいです。

この教頭先生の過去が明かされるかどうかは分からないけど、ここまでに屈折した正義感を振りかざすようになった背景みたいなものは大きな見所と言ってもいいのではないかと思います。

地獄の教頭 1巻を読んだ感想・レビュー(ネタバレなし)

武闘派という意味ではGTOの鬼塚を凌駕するほどで、ダーク感は夜回り先生に負けず劣らずという感じ。もちろんその先にドラマが待っているかどうかは今のところ分かりませんが、暗い漫画やダークな雰囲気が好きな人には刺さると思います。

そもそも教頭先生が主人公っていう漫画も珍しいですよね。「中間管理録 トネガワ」では中間管理職に就く人間の大変な一面みたいなものが描かれていたけど、本作は教頭という立場だからこその守備範囲の広さなのかなぁと思います。担任なら自分のクラスだけ何とかすりゃーいいけど、教頭は学校全体を見なきゃいけない的な。

Kindleレビューにあったけど、必殺仕事人みたいな雰囲気っていうのはまさにぴったり。悪いことをした人には天罰が下るっていう流れが好きな人におすすめです。

あとがき

でもたまにいるんですよ 地獄に堕ちないと教育にならない人が。

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